トルコ・コーヒー(TURKISH COFFEE)とアラビック・コーヒー(ARABIC COFFEE)、一体何が違うのか。煮立てるのに小鍋(イブリーク)を使い、深煎の豆を使うのが「トルコ」。ポットを使い、浅煎り豆でカルダモンをきかせるのが「アラビック」と便宜的には分類できそう。しかし、国・地域でも違いがある。
きょうは冬至。昼が一年で最も短い日。前夜はイランで、「シャベ・ヤルダー」という祝祭日。ゾロアスター教ゆかりの行事でザクロやスイカを食べ、家族と過ごす。冬至は「光」が「闇」に勝り始める日ともいえるから、世界が明るい方向に向かうめでたい日。太陽のような果実を食べて、世界の復活を祝う。
東京・池袋のチャイナタウンの朝。雑居ビル4階にあるガチ中華フードコート「友誼食府」のイートインスペースに、中国語のささやき声が響く。揚げパンに味付きゆで卵、アツアツの豆乳の朝食が600円。日本人でも「朝マックよりこっち」という人が増えている気が。今度は、いろいろ食べられる日中に来たい
イスラム教の国と思われがちなイラクの北部は、さまざまな少数派宗教を信仰する人々が暮らす土地。東京・荻窪で中東ワインショップを営む田村公祐さんが、現地で撮った写真を集めた「北イラクのマイノリティを訪ねて」展。東京・東池袋の古代オリエント博物館で1月末まで。 aom-tokyo.com/exhibition/202…
エジプトB級グルメの王様、コシャリが看板の東京・神楽坂「アブ・イサーム」。明るい店内にエジプトポップスが流れ、材料調達に苦心のあとがみられるコシャリはウェットタイプで現地の味をかなり忠実に再現。モロヘイヤスープは熱々で葉をたっぷり使っている。エジプトが恋しくなったらぜひ行くべき店
民族の存在を否定され、言葉を使うことすら長く禁じられていた少数派クルド人。彼らの歴史を継承する役割を担ったのは吟遊詩人(デングべジュ)。そのデングべジュに光を当てた中島夏樹監督作「地図になき、故郷からの声」が、東京ドキュメンタリー映画祭短編部門でグランプリ。 tdff-neoneo.com/lineup/lineup-…
東京・下北沢の商店街「一番街」の入り口にある広場。トルコ・コーヒーを提供するキッチンカーの「モスク・コーヒー」(THE MOSQUE COFFEE)が、店を構えている。トルコのコーヒーハウスによくある、熱砂に小鍋を差し込んで煮詰める本格的ないれ方。紙コップ使用だが、挽き方が極細で滑らかな舌ざわり。
ルーマニア刺繍が施された民族衣装は素晴らしい。以前、東京のルーマニア大使館に飾ってあるのを見て、しばし見とれた。民俗研究者で写真家のみやこうせいさんは、ルーマニアを「世界のまんなか」と表現している。生活に根ざした美しい文化を生み出す土地が、中心にあり続ける世界であって欲しい。
ナツメヤシの実(デーツ)、中東では季節によっては、乾燥ではなきフレッシュなものも市場に並ぶ。こちらも乾燥ものと同様、色、食感はさまざま。シャリシャリとした食感で、さわやかなジューシーさを感じられるものもあった。
中東の冷前菜の王様、ひよこ豆ペースト「ホンモス」(フムス)がついにコンビニに登場。ファミマの「フムスと食べるタンドリー風チキンのサラダ」。やや甘い味付けのアレンジがされているが、これだけクミンの風味がついた食品が日本のコンビニに並んだのは初めてだろう。日本の食文化の変化を感じる味。
アラビア半島の砂漠では冬、雷鳴とともに激しい雨や雪が吹きつける。「砂漠のトリュフ」と呼ばれるチュマアは、その水分により成長し、地面の割れ目から顔をのぞかせる。コリコリとした食感と淡白な味わい。ヨーロッパの白・黒トリュフとはまた違った味わいで、人間の食文化の多様性を実感させる。
トマト、キュウリ、玉ねぎなどを刻んだサラダは、中東のあちこちで見かける。トルコでは「チョバン(羊飼い)サラダ」。イランでは、「シーラーズ・サラダ」とイラン南部の都市名がつく。エジプトでは「オリエント・サラダ」とよく言われていた。東方から伝わったサラダ、というニュアンスがあるのかも。
日本人が神前や仏前に供える穀類といったらゴハン。では、アジアや中東の人々だったら、何を供えるかといったら、ナンやパンということになるのかも知れない。食事の時の箸の代わりでもあり、お皿のようにも使う。文明揺籃の地メソポタミアから始まって世界に広まり、日本でついに供え物にまでなった。
東京・西新宿のビルの間にある祠。実際に訪ねてみた日は、カリカリに焼き上がったナンが備えられていた。皿もインド料理に使われる専用皿のようだ。こんな東西文化が融合する姿は、今後日本で見慣れた風景になっていくのかも知れない。
東京・西新宿のビル・マンション街の谷間にある小さな祠(ほこら)。毎朝ナンがそなられていることで知られるが、そのナンを献じていたのは、近くにあるカレー屋さん。ネパール伝統の豆スープご飯定食もある庶民的な店。宗教は違えど店員たちの信仰心がわかる国際的な風景。 note.com/joycooo/n/n1d7…
日本の食卓に定着しているポテトサラダ。大正時代に帝国ホテルのシェフが考案した説があるという。とはいえ、そもそもは帝政ロシア時代の19世紀、モスクワのシェフが生み出した「オリビエサラダ」が起源ともいわれる。西アジアのイランにもオリビエサラダがある。伝播ルートを究明できたら面白そう。
東京・浜松町のアラブ料理・菓子テイクアウト店「ビブロス」。店には行けていないけど、#文学フリマ東京 のため上京した時、差し入れをもらって初めてお菓子を食べた。レバノン出身の店主ナジーフさんは、東京・中井のアラブ料理店「シュクラン中井」のシェフだった人。軽食も含めて確かな味との評判。
イラン特産の高級食材というと、キャビアとサフラン。サフランを入れたアイスクリーム(バスタニ)というのもあって、これまたイラン特産のピスタチオをふりかければ、彩りも美しい。日本だと、横浜・生麦のイラン料理店「カスピアン」などにある。ちなみに店名の由来のカスピ海の南岸は、イラン領。
東京・小岩駅前にイラン料理デリカテッセン「ヴィーナスデリ」がある。イランス式サンデヴィッチ(コッペパンサンド)が本格的っぽい。イランで「トルコのケバブ」と呼ばれるドネルケバブも、松屋銀座に新規出店で今話題の中東菓子バクラヴァもある様子。下町の雰囲気に、イラン軽食店はとても合う。 twitter.com/YamayaT/status…
トルコのドーナツ形のパンというと、シミットという歯ごたえがあるやつが有名。カフェにいると売り子が、かけ声とともにかついできたりする。もっとフンワリとしたドーナツ形の「アチュマ」というパンもあることを知る。埼玉・狭山なかあるキプロス島出身者が営むハーセルフーズ社製。発送もある。
東京・新大久保「イスラム横丁」に少し前にオープンしたパキスタン系食材店「ナショナルマート」。ウリはフードコート。ハリーム、サモサ、焼き鳥まである。パキスタン菓子もよりどりみどりで、日本の既存のスイーツに飽き足らない人におすすめかも。店内は近隣の食材店よりかなり広々としていて整然。
東京・新大久保のハラール系焼肉店「アリババ」(パキスタン系)の店先にトルコ系のファストフード店が。薄焼きピザ「ラフマジュン」や、松屋銀座への新規出店が話題の中東菓子バクラヴァもある。甘くないヨーグルトドリンク「アイラン」もたっぷり入って200円、チャイは100円。手軽にトルコを楽しめる。
ピスタチオの本場イランでは、とれたばかりのものを生で食べることも多い。中部ラフサンジャンなどの産地では収穫期の9月ごろ、赤紫色の実が道路脇で袋に入って大量に売られていたりする。乾燥ものの香ばしさとは違うまろやかなナッツ感。食感は柔らかく、まるで別の食べ物のよう。
コメダ珈琲の名物シロノワールに新メニュー「 #ぜいたくピスタチオ 」登場。甘めのピスタチオクリームとクラッシュ・ピスタチオがかかっている。中東では、アイスクリームとピスタチオの組み合わせは鉄板。最近はコンビニアイスでも見かけるし、日本にもそんな時代が来たということなのだろうか。
秋のシリア・ダマスカスの市場。山の恵みのクルミ、オリーブの実、色鮮やかな野菜ピクルスが豪快に盛られて売られていた。秋が、乾燥による栄養や旨味の凝縮を存分に楽しめる季節であることは、中東も日本も変わりがない。