前世は置物だったんじゃないか、と思えてくる猫、小梅。エジプト生まれの元捨て猫。立ち姿のまっすぐ伸びた脚は、カイロのみやげ物屋にあった、古代エジプト猫の石像に似ている。
ペルシャでいちど途絶えた、にぶく金色に輝くラスター彩陶技法。日本の美濃焼の大家、加藤卓男・幸兵衛父子がこれを復活させたのは少し前の話。幸兵衛の窯にイラン人女性2人が弟子入りして手法を学び、ついにイラン人の手でラスター彩を再現。東京・広尾のイラン大使館で27〜29日、展示会が行われる。
ところ変われば常識も変わる。「クルディスタンでは、ニンジンは果物」。東京外国語大学のクルド語講座の講師、ワッカス・チョーラクさんが教えてくれた。ちなみにイランでは、キュウリは果物。ニンジンもキュウリも、甘みがあるから、フルーツバスケットに盛られていてもそれほど違和感はない。
パレスチナの難民キャンプの女性たちの手作り刺しゅうを日本で帯に加工した帯。東地中海地域の伝統的な幾何学模様が、花鳥風月の和服にも不思議と合う。キリスト生誕の地、ベツレヘムの民族衣装も展示。パレスチナ女性たちの経済的自立を支援するICEJ主催の展示会。東京・表参道「グルニエ」で29日まで
歴史ある総合月刊誌「文藝春秋」が巻頭カラー写真特集で「日本の移民・難民レストラン」特集。東京・十条のクルド料理店「メソポタミア」も。日本に根付きつつある世界じゅうの多様な料理を、その国・地域・民族の歴史・文化とともに味わうという志向が広がりつつある。この特集を見て改めて思う。
横浜中華街の関帝廟前に、中東のワインなどを輸入販売する「エインシャント・ワールド」の店舗が6月1日オープン。トルコ・クルディスタンでキリスト教徒が醸造する「シルーフ」やレバノン山岳部にある醸造所「クロ・ド・カナ」などがある。いずれも日本での取り扱いはここだけ。「横濱バザール」2階。
火災で焼失したイラン北西部タブリーズのバザール。2015年夏に訪れた時はラマダンの真っ最中。強烈な日射は小さな天窓を通って柔らかいライティングに変わった。イスラム教の礼拝の呼びかけが響いた。中世にタイムスリップしたような気持ちになった。そんな貴重な歴史遺産は、もうなくなってしまった。
シルクロードの要地、イラン北西部タブリーズの大バザールが6時間にわたる火災で消失。死傷30人以上。パリのノートルダム大聖堂火災に続く歴史遺産の悲劇に、声を失う。2015年夏に訪れたが、うす紅色の美しい煉瓦壁の優雅な建築で、訪れた中で最も印象的な市場だった。もう、この世に存在しないとは... twitter.com/fresh_sadegh/s…
クルド人が多く暮らし、ワラビスタンと呼ばれる埼玉県蕨市の隣の川口市で起きた、クルド人少女に対するひどすぎる仕打ち。小学校側は何が起きたかを明らかにすべき。日本には外からやって来た人(まれびと)を歓待する気風があったはず/ハーバービジネスオンライン hbol.jp/190019 @hboljpより
東京・高田馬場に先月オープンした中央アジア料理店「ヴァタニム」。羊肉入り手延べ麺「ラグメン」と、ナンでもなくヌーンでもない「ノン」。シシリクは隣の方のを撮らせてもらった。ランチ時、客のほとんどが中央アジア出身者。カウンターだけのこじんまりとした空間で、BGMはウズベク語のささやき。
スマホもSNSもなかった時代、バックパッカーはどうやって旅したのか。倉庫の奥から「イランへの道」という情報ノートのコピーが出てきた。30年くらい前、イスタンブールの「ホテル・モラ」に原本にあったものをイランで誰かからコピーさせてもらったもの。詳細な手書き地図に旅への情熱が滲んでいた。
日本伝統の着物に、中東の刺しゅう布地で作った帯。これほど違和感なくとけこむとは、驚き。刺しゅうは、パレスチナ難民キャンプの女性の手作り。着物の柄は「お手玉」。両者の美意識の調和は、両者の魂の調和の進展に期待を抱かせる。東京・表参道のギャラリーで20日まで開かれているICEJの展示会で。
ゆでた羊の頭、足、内臓を細かく刻んで味付ける。ブルグルと呼ばれるご飯のようなひき割り小麦のピラフの上に乗せる。中東クルディスタンの羊丼。羊の脂の旨味がピラフに染み込んで絶品。「山だけを友とする」クルド民族のソウルフード。平地人を戦慄せしめる味。東京・十条駅前「メソポタミア」にて。
京都観光に訪れたイスラム教徒の女性向けに、和の模様のヒジャーブをレンタルする店が登場した。レンタル着物で写真撮影するのが人気なのに着眼した新ビジネス。現在20種類、将来は50種類の品ぞろえを目指すそう/ nextshark.com/kimono-wagara-… @@NextSharkより
もし、大使館や大使公邸に行くことがあったら、棚や壁にさりげなく飾っている、その国の工芸品をじっくり見てみて。写真は、イラン大使公邸にあったイランの細密エナメル細工。ペルシャの美意識が凝縮されている。ルーマニア大使館にあった刺繍たっぷりの民族衣装。飛行機に乗らずに海外を旅した気分。