本ノ猪(@honnoinosisi555)さんの人気ツイート(古い順)

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1月17日は、阪神・淡路大震災が発生した日。精神科医による震災後50日間の関与観察記録をまとめた、中井久夫『災害がほんとうに襲った時』(みすず書房)を読む。 「震災の中心が神戸とは、家族の一人としてつゆ思わなかった。「神戸に千年地震なし」を私も信じていた。」(P32) #阪神・淡路大震災
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作家で精神科医の加賀乙彦さんが死去。ご冥福をお祈りします。 「幸せに対する思い込みが強い人ほど、そこからはずれたときは脆い。失ったもの以外にも多種多様な幸せがあるのに、過去に執着して今の自分を否定し、心を未来に向けにくいのです。」(『不幸な国の幸福論』集英社新書、より)
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「すぐれた人は、あえて世の中の苦しみに目を向けるわ。愚かな人は、自分が苦しいときをのぞけば人々の苦しみに気づかない。心が貧しい人、邪悪な人、運に見放された人は、行く先々で苦しみを周囲に押しつけ、まき散らす。」(サローヤン『ヒューマン・コメディ』光文社古典新訳文庫、P224)
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「自分、というものがない人は、自らの意志で物事を決めるのが恐いわけで、だから人の意見を聞きたい。そしてその結果を人のせいにしたい。勇気がある人というのは、そう考えると「自分がある人」をさすのかもしれない。」(山本文緒『日々是作文』文藝春秋、P179)
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恨む相手の墓まで行くことができないため、武士に背負われて移動する幽霊。 (参照:『諸国百物語』巻1、『幽霊 近世都市が生み出した化物』吉川弘文館、P70)
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「なるほど、この国では女性を「人」として見ていないのだ。子どもを産む、家事をする、育児をする、介護をする、たまに家計補助的な仕事もするという「役割」でしか見ていない。国が望む「役割」から外れた女性は、はっきり言ってどうでもいいわけだ。」(『シングルマザー、その後』P290)
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「苦労して人間はできない、ということを、今や、人はみな、身にしみて知った。かえって人が悪くなり、感性も情熱もすりきれてゆく。ただのこるのは憎悪や屈辱感、怨みつらみばかり。とても人間のプロには遠い。」(田辺聖子『人生は、だましだまし』角川文庫、P236)
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「心というのは、誰の心であっても、どんな心であっても、条件さえそろえば確実に壊れます。現代は、別に「壊れやすい脆弱な心の持ち主が増えた」というわけでは必ずしもなく、「人の心を壊すような社会状況や人間関係が増えてきた」と考えた方がよいのかもしれません。」(『生きていく絵』P70)
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「幸福な結婚とはいつでも離婚できる状態でありながら、離婚したくない状態である。夫にすがりつく以外に生きられない女は夫を束縛してうるさがられるか、女に憐れまれるかどちらかである。妻に去られることを怖れているような男はたいていは魅力がない。」(大庭みな子『女の男性論』中公文庫、P9)
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「感動することを知らずに育つことは恐ろしい。ヘイトスピーチのデモなどに熱狂する人々を見ていると、「興奮」を「感動」ととり違えているとしか思えない。周囲と互いに興奮をあおり立てることは、自己の内面に湧き出す感動とは全く別のものだ。」(『三毛猫ホームズの遠眼鏡』岩波書店、P129~130)
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1月21日は、作家ジョージ・オーウェルの命日。 「わたしが「愛国心」と呼ぶのは、特定の場所と特定の生活様式にたいする献身的愛情であって、その場所や生活様式こそ世界一だと信じてはいるが、それを他人にまで押しつけようとは考えないものである。」(『オーウェル評論集』岩波書店、P308)
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「教えてもらったことを他の人に言ったり教えたりして、自分の知っていることを再確認するという作業をおこなうことは大切である。その作業の途中で、自分の理解したと思っていたことが、正確でなかったり、論理的におかしいということに気づくことはよくある。」(長尾真『「わかる」とは何か』P141)
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1月22日は、作家アーシュラ・K.ル=グウィンの命日。 「自分のことを人種的にあるいは社会的に他の人間よりすぐれていると見なしたり、他人に自分より低いステータスを押しつけたりする人間は、そのことだけで無条件に間違っているとわたしは判断する。」(『ファンタジーと言葉』岩波現代文庫、P227)
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1月22日は、作家・安部公房の命日。 「愛というものは、互いに仮面を剝がしっこすることで、そのためにも、愛する者のために、仮面をかぶる努力をしなければならないのだと。仮面がなければ、それを剝がすたのしみもないわけですからね。お分りでしょうか、この意味が。」(『他人の顔』P321)
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「言葉が多すぎる  というより  言葉らしきものが多すぎる  というより  言葉と言えるほどのものが無い  この不毛 この荒野  賑々しきなかの亡国のきざし  さびしいなあ  うるさいなあ  顔ひんまがる」 (谷川俊太郎選『茨木のり子詩集』岩波文庫、P202)
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1月23日は、物理学者・湯川秀樹の誕生日。 「本を読んでいるうちに、本のつくりだす世界に没入してしまえたら、それは大きな喜びである。本を読んでいるうちに、いつのまにか本をはなれて、自分なりの空想を勝手に発展させることができたら、これまた大いに楽しいことである」(『本の中の世界』Pⅱ)
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1月23日は、社会学者・ブルデューの命日。 「男性の特権もまたひとつの罠なのであり、男性ひとりひとりは特権の代償として、ことあるごとに男らしさをはっきりと示さなければならない必要から、恒常的に、ときには不条理なほどの緊張と精神集中を強いられている。」(『男性支配』藤原書店、P78)
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「日本人は、口に出さずに胸の内にしまっておくのを「大人になる」と勘違いしている。腹の中は煮えくり返っているのに、表面上は穏やかな顔をしてよ。それで、「人生とはそういうものだ」と、悟ったようなこと言ってやがる。そんなの美徳でもなんでもないからな。」(『キャラは自分で作る』P37)
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「親が子を愛することも、男が女を愛することも、相手を精神的に自立せしめるということが、ほんとうの愛なのかもしれない。「あなたなしでは生きることができない」などと言ううちは、まだ真の愛のきびしさを知らないということになるのだろうか。」(三浦綾子『道ありき〈青春編〉』新潮文庫、P194)
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「言葉に責任を持たない人は、人間としてもっとも基本的ななにかを欠いています。どれほど資産や地位があっても、どれほど能力があっても、人間のあり方として失格な人をそれ以上頼ることはできません。そんな人と対話しようとしても失敗するのは目に見えています。」(『対話の技法』笠間書院、P75)
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「知ったかぶりをしてはならないらしい。知ったかぶりをして、ろくなことはない。とはいえ人間は、本当に知識があればとりたてて話す気にもならぬが、聞きかじりの知識だと、これを人に告げたくてたまらぬというよくない癖を持っている。」(北杜夫『どくとるマンボウ小辞典』中公文庫、P111)
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「本の雑誌」創刊者・目黒考二さんが死去。ご冥福をお祈りします。 「本を読むことより、まず本のそばにいることが好きなのだ。どんな本であっても、本は何かを語りかけてくる。それに耳を傾けることが好きなのかもしれない。」(『社史・本の雑誌』本の雑誌社、P125)
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「失うもののない人と争ってはならない。とうてい勝ち目はない。相手はすでに羞恥心を含めて何もかも失っているから、もはや何の憂いもない。だから、人を人とも思わぬありとあらゆる手を使う。あなたの価値ある名声をそんな恐ろしい危険にさらしてはならない。」(『賢く生きる智恵 新版』P65)
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「一八世紀末には、女性の頭蓋骨の容積は、十分な知力を発揮するには、あまりに小さすぎると考えられていた。また一九世紀末には、女性が頭脳を酷使しすぎると、卵巣が萎縮してしまうと言われた。」(小川眞里子・藤岡伸子・家田貴子訳『科学史から消された女性たち』工作舎、P10)
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「政府とは、ていさいのいい一種の義賊なんだな。しかも、おっそろしく能率の悪い義賊さ。大がかりに国民から金を巻きあげる。その親分がまずごっそりと取り、残りを、かわいそうな連中に分けてやれと子分に命じて渡す。上から下へ子分どもの手をへるうちに、みるみる少なくなる」(『マイ国家』P314)