本ノ猪(@honnoinosisi555)さんの人気ツイート(新しい順)

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「ぼくはせめて、小説『火垂るの墓』にでてくる兄ほどに、妹をかわいがってやればよかったと、今になって、その無残な骨と皮の死にざまを、くやむ気持が強く、小説中の清太に、その想いを託したのだ、ぼくはあんなにやさしくはなかった」(野坂昭如『アメリカひじき・火垂るの墓』新潮文庫、P270)
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「妊娠は「傷病ではない」という理屈付けで、女性の妊娠機能に関わるすべての医療がーー月経も避妊も緊急避妊も中絶も、そして出産までもーーアクセスが悪く高額になっています。そうした医師たちの「好き勝手」を厚生労働省が見逃してきた」(塚原久美『日本の中絶』ちくま新書、P230)
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「善良な弱い人間は、みすてられている。組合とか圧力団体を作り、しゃにむに叫んで要求するやつらばかりが利益をえている。このたぐいがみな悪人というわけではないが、それにくらべて、孤立した善人はあわれなものだよ。善良であるがゆえに、集団を作れない。」(星新一『なりそこない王子』P164)
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地下鉄サリン事件から28年。 「それは何の変哲もない、いつもどおりの朝だった。見分けのつかない、人生の中のただの一日だった。  変装した五人の男たちが、グラインダーで尖らせた傘の先を、奇妙な液体の入ったビニールパックに突き立てるまでは……。」(村上春樹『アンダーグラウンド』P32)
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「人に嫌われたくないと思っている人は、人に好かれようとします。どうすれば、みんなから好かれるか、どういう言動がいいのか、無意識のうちにあれこれ考えてしまうのです。この段階で、あなたの心の中は「他人の視線」や「人がどう思うか」に乗っ取られます。」(『自分を変えたい』岩波書店、Pⅳ)
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「若い時代が人生で一番いい時だなんて、輝いている時だなんて、一体全体誰が言ったのだろう。たとえいい時だったのだとしても、それを教えてくれる大人は誰もいなかった。大人たちは、劣るものとして、わたしたちを扱った。」(松田青子『女が死ぬ』中公文庫、P196) amzn.to/3dO2DF7
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「女が死ぬ。ストーリーのために死ぬ。女がレイプされる。ストーリーのためにレイプされる。我々はそれを見ながら大きくなる。もう別に何も思わないし、感じない。そもそもたいして気にしたこともないかもしれない。大きくなった我々は、その日、映画館から出る。」(松田青子『女が死ぬ』P70)
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「好きなものには溺れなさい。役に立つかどうかなんて後回しでいいから、とことん好きになって味わい尽くすこと。憧れはその人を育てます。先が見えなくなったとき、迷ったとき、そうして溺れたものがきっとあなたを助けてくれますよ。」(田辺聖子『歳月がくれるもの』文春文庫、P53)
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3月18日は、社会心理学者エーリッヒ・フロムの命日。 「愛は能動的な活動であり、受動的な感情ではない。そのなかに「落ちる」ものではなく、「みずから踏みこむ」ものである」「愛は何よりも与えることであり、もらうことではない」(鈴木晶訳『愛するということ』P41)
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「従来の考え方では、障害は個人に属していました。ところが、新しい考えでは、障害の原因は社会の側にあるとされた。見えないことが障害なのではなく、見えないから何かができなくなる、そのことが障害だと言うわけです。」(伊藤亜紗『目の見えない人は世界をどう見ているのか』光文社新書、P211)
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3月18日は、詩人・田村隆一の誕生日。 「ホンネという我欲の主張が正しい行動なわけじゃないんだ。「私はホンネで生きている」なんて、かなり甘い台詞だよな。その人の周りでは、多くの人がホンネを抑えて見守っているんだよ、きっと。」(『言葉なんかおぼえるんじゃなかった』ちくま文庫、P75)
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「今の日本では、「お客様扱い」が行きすぎているため、あきらかに理不尽なクレームであっても、うっかりたしなめたりすると、客はさらに激しく怒り出し、訴えるぞと脅しに出たり、ネット上に大げさに悪評を書き込んだりする。」(榎本博明『「おもてなし」という残酷社会』平凡社新書、P150)
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「だれにでもいい顔をする人は  だれからも距離をおいている  だれにでも当たりさわりのないことを言う人は  心の奥で苦しんでいる  そしてその苦しみに気づかないでいる」 (銀色夏生『ひとりが好きなあなたへ 2』幻冬舎文庫、P46)
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「読書とは、突き詰めていくと、孤独の喜びだと思う。人は誰しも孤独だし、人は独りでは生きていけない。矛盾しているけれど、どちらも本当である。書物というのは、この矛盾がそのまま形になったメディアだと思う。読書という行為は孤独を強いるけれども、独りではなしえない。」(『小説以外』P179)
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「わたしのすきなひとが しあわせであるといい わたしをすきなひとが しあわせであるといい わたしのきらいなひとが しあわせであるといい わたしをきらいなひとが しあわせであるといい きれいごとのはんぶんくらいが そっくりそのまま しんじつであるといい」 (『えーえんとくちから』P152~153)
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「過剰労働に命をかけ、節約に明け暮れるという、労働者のこの二重の狂気の沙汰を前にして、資本主義生産の最大の課題は、もはや生産労働者を見つけることや、その労働力を倍加することではなく、消費者を新たに見つけ、欲望を刺激し、偽りの必要を作り出すことである。」(『怠ける権利』P50)
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「権威ある人たちが押しつけてくる論理がなんかおかしい、なんかヘンだと感じたら、たとえ論理的に反論できなくても、とりあえず、なんかヘンだぞ、と態度で示しておくことが大切です。そうした態度すら見せないと、権威はみんなが納得したものと考えて、ますます増長する」(『つっこみ力』P85)
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「困難な状態にある人ほど多くの依存先をつくらなければならないのに、なぜか「家族」や「施設」に押し込められてしまう。それは「自己責任」の変形だろう。自分で責任が取れないなら家族が責任を取れ、所属先が責任を取れ。日本とは、悲しいかなそういう国でもある。」『ただ、そこにいる人たち』P218
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「心理的安全性というと、決して相手を批判しないことだと思われがちだ。だが実際は、その逆だーー心理的安全性のある環境とは、議論が歓迎され、受け入れられているため、人々が安心して異なる意見を表明できる環境を意味する。」(渡邊真里訳『私たちは同調する』すばる舎、P330)
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「男性の中には、自分を大切にすることを学んでこなかった人も少なくありません。昔からのジェンダー観にもとづく理想の男らしさがむしろ、自分自身を大切にしたり、さまざまな感情をうまく表現することを妨げてきたのかもしれません。」(『ジェンダー・ステレオタイプから自由になる子育て』P56)
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「田沼意次の亡霊」。 (参照:紀田順一郎『落書日本史』旺文社文庫、P79)
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「労働者が自分の妻を食べさせているという概念は間違っている。労働者が妻を扶養しているのではなく、妻が、労働者が働きに出られるように扶養しているのだ。言い換えれば、妻が夫に依存しているのではなく、夫が妻に依存している」(『主婦である私がマルクスの「資本論」を読んだら』P136)
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料理人の陳建一さんが死去。ご冥福をお祈りします。 「人生、誰しもいろいろと大変なものを孕んでいるだろう。僕だって例外ではない。大変な物事に対してどのような気持ちで向き合うか、物事とどう付き合っているか、それって言うまでもなく、大切なことだ」(『父の仕事を継ぐ 自分の味をつくる』)
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3月14日は、漫画家・中沢啓治の誕生日。 「日本人全体の中に、戦争責任の問題意識が、まったく薄らいでしまっている。戦争で甘い汁を吸って味をしめている人々がいるから、また軍備だ、国を守るために戦争をやれといいだす。」(『はだしのゲンはピカドンを忘れない』岩波書店、P53~54)
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銃を構える大江健三郎(当時、23歳)。 (参照:『林忠彦写真集 日本の作家』小学館、P121)