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「しょんべんちびった」
父時政に倣って初陣の息子を落ち着かせようとする義時の言葉に、泰時は目を丸くして「着替えを!」と慌てます。
後ろの鶴丸は声を上げて笑っているのに。
誰にでも分かる冗談が通じない。
泰時が如何にクソ真面目な人間かがよく分かります。
#鎌倉殿の13人
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上総介広常の生まれ変わりであるかのようにぶえいぶえいと泣いた泰時が、長じて双六が苦手という鬼のような設定が話題ですが、畠山重忠の乱で畠山親子が命を落とした奇しくもその日、義時には五男政村が誕生しているのです……
#鎌倉殿の13人
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「それで良いのだ。私があなたでもそうする」
何度も語られているが、中川大志さんの台詞回しに堺雅人さんの山南敬助を思い出さずにはいられない。
しかし彼は、自分の死が組織のためになるとは考えない。
「本当に鎌倉の為を思うなら、あなたが戦う相手は」
今宵は互いに苦い酒だ。
#鎌倉殿の13人
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「我らが謂れなき罪で責められてもよいのか!」
振り下ろされた拳で床に大きく傷がつく。
愛馬を背負い鵯越の坂を下ったという伝説が伝わるほど、怪力で知られる畠山重忠。
しかしそれ以上に、彼の怒りが滲むシーンだ。
彼とて坂東武者。ただ見目の良い貴公子ではない。
#鎌倉殿の13人
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「握り飯を食べながら、裁縫をする奴がいるか?」
すぐにあらわになる裏表。
やはり見極め役は平六にするべきだったか…と目が泳ぐ小四郎。
#鎌倉殿の13人
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初めて喜んでもらえて思わず涙目になってるけれど、そもそも「女子はきのこが大好き」について一度も成功体験がないのに、何でそこまできのこに拘る、小四郎よ。
#鎌倉殿の13人
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八田知家による薙刀、和田義盛による弓、大江広元による政の講釈、三浦義村による処世の術。
一方的すぎて稽古になってないし、「ガッと引っ張ってパッ」って“ミスター”長嶋節だし、2コマ体育の後の座学って時間割がおかしいし、鎌倉殿に求められてる処世術ってそっちじゃないし!!!
#鎌倉殿の13人
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父母の仇をとったトウが涙を零す。
本懐を遂げた喜びはない。
自らも幼子を含めて多くの命を奪ったからか。
これから仇として生きていくしかないからか。
善児を、師匠を、この手にかけたからなのか。
自分がとどめを刺したこの男が、一度も父のような優しさを見せたことはなかったと?
#鎌倉殿の13人
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「ずっとこの時を待っていた」
トウに刺されて善児はただ頷くんですね。
嗚呼、そうか。
仇だったな、俺は。
育て始めた頃から覚悟していた訳でなく、老いた今裁いてくれと願った訳でなく、淡々と理解し受け入れたように見える。
ゆえに驚きもせず、抵抗もせず。また、笑みも見せず。
#鎌倉殿の13人
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「お師匠」
トウに呼ばれて振り向く善児。
人が来たのを分かっていても声を掛けられるまで敢えて振り向かない者の様子ではないんですよね。
気づいていない。
一幡の粗末な墓。
そばにいるのはかつての暗殺者ではなく、無邪気に笑う幼子の顔が浮かんでしまうばかりのただの老人。
#鎌倉殿の13人
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あのまま死んでいてほしかったと皆が思う頼家も、居てもらっては困ると言われた一幡も、比企尼の呪いを受けた善哉も、道具が心を持ってしまった善児も、全てが「災いの種」。
しかし最早『全部義時のせい』
#鎌倉殿の13人
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「分からないのか三浦!比企の次は三浦だぞ!和田だぞ!」
相変わらず頼家の咄嗟の一言は真理を付いている。
#鎌倉殿の13人
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あるじを無くした綱を断ち切る善児。
断ち切ったのは果たして、己を好いてくれた幼子への未練か、もはや刺客として役に立たぬ己自身か。
「善児」。その名に似つかわしくないと恐れられた男。これからどう生きていく。
#鎌倉殿の13人
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善児の目に光が灯っている。
初登場から気になっていた。「へえ」。常に、力なく、感情なく、意思なく、俯き、命じられるまま淡々と仕事をこなすだけの道具。
それが今、自分を好いてくれる幼子を前に、道具でなくなってしまった。心を持った。
その発露が目の光。心が揺れる、人の証。
#鎌倉殿の13人
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声優さんが大河ドラマに出演されると、顔はよく存じ上げなくても第一声で「キターーーッ!」となるのに、顔をよくよく存じ上げている山寺宏一さんであるにもかかわらず、声が七色すぎて、なかなか分からなかった。でも、「宝剣の代わりが」の鼻濁音が完璧に山寺さんで、キターーーッ😅
#鎌倉殿の13人
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第31回『諦めの悪い男たち』
偽書状を何枚も書いてる義村
次はよりよく燃やしたい八田
比企との戦を避けたい義時
丸腰と見せかけ鎧を着込む能員
弟に北条の呪いをかけてしまう宗時
臨終出家したのに死の淵から戻る頼家
そういえば
孫役で再登場した佐々木のじいさん(康すおん)!
#鎌倉殿の13人
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「父上は変わられましたか」
妻も息子も皆変わったと思っている。
視聴者たちも闇堕ちしたと思っている。
戦に際して震え怯えていた小四郎が、目を真っ赤にして泣いた義時が、今や顔色ひとつ変えない。
「そこまでして北条の世を作りたいのですか」
そう。何も変わっていなかったんだ。
#鎌倉殿の13人
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ゆっくりと振り返るだけでいい。
「殺っちまいますか?」なんて台詞は不要。
太郎が首を縦に振ろうが振るまいが、結果は同じ。
それが、善児。
それが、よく訓練された視聴者。
「一幡様は行方知れず」
これしか道は無かったのだ。
#鎌倉殿の13人
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仲が良いのか悪いのか、何年経っても畠山重忠と和田義盛をニコイチで扱う脚本、良き。
中川大志の正しい魅せ方を知っている演出陣、良き。
門を破って真っ先に飛び込み、がむしゃらに圧し切るのが和田で。
続いてすいと滑り込み、剣舞のように流れる剣技を魅せるのが畠山で。
良き。
#鎌倉殿の13人
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良かったーーー!!
今回はちゃんと居たーーーーっ!!
比企能員を前に、悪夢のような前回を思い出してドキドキしながら襖を開ける小四郎。
だって平六だもんな。
鎌倉殿以上に、開けたらそこに居なさそうだもんな。
#鎌倉殿の13人
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「父上が分かりません!」
息子に詰られて溜息をつくこの場面で、副音声はこう言う。
「床に目を向ける義時」
床に倒れた上総介を見たあの日から、床の血溜まりを前に謀反人と断じたあの日から、一体どれだけの月日が経ったろう。
#鎌倉殿の13人
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「すぐにでも比企を攻め滅ぼしてください。首を刎ねて、大きい順に並べるの」
罪なき我が子を殺された実衣が冷たく言い放つ。
比企能員だけでなく一族まで全てという意味だ。
親も子も皆、憂の無いように。
でもその「大きい順」って
どう考えても二郎さんからですよね!!!
#鎌倉殿の13人
200
一幡だの千幡だの、もう誰が誰の息子で誰が乳人としてついているか訳がわからなくなっている視聴者に、とてもとても親切な仕様。
#鎌倉殿の13人