人は危険を感じると、身を守るために戦うか逃げるかの反応を起こします。 しかし、恐怖が強すぎると身体が硬直して動けなくなる「凍りつき」の反応が出てしまいます。 この状態で脅威から逃げることができず、無力感が強くなると、「虚脱」や「崩れ落ちる」反応が現れます。
複雑にトラウマがある人は、二重の自己状態になり、心の中に悪魔や天使がいたりします。 心の中に悪魔がいると、そのせいで一人ぼっちになり、普通の幸せが望めません。 環境の変化に弱く、周りの皆に置いていかれて、居場所を求めますが、温かい場所を見つけても怖くなり、人間関係に壁を作ります。
人前で体が過緊張や凍りつく人は、 自律神経に問題が出て 首肩の凝り、手足の冷え、頭痛、腹痛、吐き気、皮膚の炎症、目の疲労、歯の食いしばり…が出ます。 長い間、不快な状況に耐え続けると エネルギーが尽きて 休みの日は寝るとか引きこもり… 時間の流れが止まって 自分だけの空想に耽ります。
トラウマ持ちが長年に渡って、 生活全般のストレスと緊張を受けると 極限にまで体が縮まってロックされます。 凍りつく防衛スタイルの人は、 手足が冷え ネガティブな言葉や感情が突き刺さり 音や匂いに敏感 節々の痛み 忘れっぽさ 体調不良 将来への不安 苛立ち 感情・感覚の麻痺 しんどくて動けない
トラウマ重症度 最重度-虚脱 脅威に対して、打ちのめされた状態、心なく、体の反応も鈍く、無気力、希死念慮 重度-凍りつき 脅威に対して、過剰警戒し、研ぎ澄まされた状態から、解離する限界地点 中度-闘争・逃走 脅威に対して、手足に力がみなぎり、問題を解決しようと有効な手段が取れる状態
トラウマという病がある人は、人から傷つけられるかもしれない恐怖や、脅かされる不安があります。 対人関係に敏感で、すぐに不安や動揺を感じて、合理的な脳が働かない場合は、感情の調節が効かなくなります。 複雑な人間関係を生き延びることができずに、八方塞りになり、逃げ道がありません。
毒親を持った子どもにとって苦しいのは、たとえ大人になり親と離れた所で住むようになっても、親が病気になるとか、老後の世話が必要なときに、一番初めに子どもに責任がとわれるという状況にあります。 親子、家族であるというつながりゆえに、その圧力から逃れられないことが辛い原因になります。
痛ましいトラウマがある人は、過去の苦しみに引きずり込まれると、脳が騒がしくなります。 トラウマは人の体を石に変え、フラッシュバックします。 石のような体は、何者かに掴まれているように感じ、手足は冷たく、頭や体の中には、ヘドロのようなものがこびりつき、ズブズブと沼に沈み込みます。
発達早期にトラウマを負った人は、痛みが体に刻まれてしまい、危険を察知する感覚が他の人よりも鋭くて、敏感な人になることが多い。 幼い頃から、自己主張や感情を出すこと、戦うことがかえって脅かされることになる場合には、我慢したり、目立たないようにすることが当たり前になり、性格を形作る。
発達早期からトラウマがある人は、過剰警戒で、交感神経が優位のため、神経系、免疫系、ホルモンバランスが崩れます。 原因不明の身体症状に苦しみ、喉の腫れ、息苦しさ、胸の圧迫感、片頭痛、肩こり、胃腸の痛み… 体内過敏と同時に外に過敏になり、気配過敏、聴覚過敏、化学物質過敏、電磁波過敏…
親子関係において、あまりにも暴言を吐く親と一緒にいると、親の汚い言葉、荒げた声、きつい表情とかが子どもの身体にしみつきます。 子どもは、嫌な思いをするたびに、元気が失われて、影ができるようになります。 そういう子どもたちが社会に出ても、他者とうまく交流できなくなっていきます。
複雑にトラウマがある人は、日常の些細な出来事に危険を感じて、体が緊張し、膨大なエネルギーがたまりやすい。 それを何らかの方法で発散するために、声を出したり体を動かしたりする。 一方で、家庭や学校、職場は、そのような状態の人を問題と見なされて、体を規律・管理して鎮めさせようとする。
複雑なトラウマを負っている子のなかには、権威のシステムや集団の同調圧力に神経が繊細に反応して、抵抗を示す場合が結構ある。 彼らは、学校や家庭、社会に疑問を抱き、それらに抗いながら、アウトサイダー( 社会常識の枠にはまらない)になったり、芸術家になったり、正義を貫いたりしていく。
複雑なトラウマがある人は、ショックを受けやすく、人や音、振動、光などに弱くなります。 胸がザワザワ、心臓がヒヤリ、足がすくむ、体が崩れ落ちる反応が出ます。 トラウマがある人と、トラウマがない人では、体の反応(自律神経の働き)が違うため、同じ出来事でも恐怖の感じ方は2-10倍違います。
トラウマがある人は、観察して、他者の顔色を伺うことで、分析が得意になります。 資本主義経済の中で、何も考えず、消費するだけの人に比べたら、深く考えています。 罪悪感が強く、思考が自責的だと鬱になりますが、物事をしっかり考えて、努力を続けていければ、自分の自信になっていきます。
トラウマが体に刻み込まれると、緊張や警戒が強くなり、外の世界に意識が向きます。 恐怖が強くなると、自分の存在が小さくなり、他者の存在が大きくなって、他者にどう思われているかを気にします。 人に認められたい、嫌われるのが怖い、悪意を向けられたくないなど、この世界に安心できません。
本来、人は生きていくうえで、自分を守るために辛い過去は、時間とともに忘れるようにできています。 辛い経験が、鮮明に、自分の身体や感情に残り続けるなら、辛すぎて生きていけないからです。 しかし、トラウマを負った人は、その傷が、記憶や思考、体に染みついて、忘れることが難しくなります。
ヨガがトラウマ治療に有効なのは、筋肉が現実を作るという点があり、筋肉の収縮と拡張により、心や知覚の在り方が変わります。 筋肉の状態により、防衛的な神経の働きが変わり、情動脳や理性脳、内臓、心まで変えます。 トラウマの人は、筋肉が慢性的に収縮しているか、伸び切ってるかもしれません。
人間の体は伸びるか縮むかですが、 トラウマがある人は、 体の神経が危険を察知して 慢性的に収縮傾向にあります。 そのせいで、 不快な刺激に打たれ弱く すぐに首や肩が硬直して 肩こり  片頭痛 顎関節症に… 原始的防衛が作動するので、 対人恐怖 人間不信 ネガティブ思考 回避行動 体調不良…
劣悪な家庭に生まれ落ち、劣位に置かれた人ほど トラウマを負いやすい。 良い境遇に生まれてくるかどうかは 単純に運でしかない。 弱者は、その不平等や権力関係に巻き込まれて トラウマを負ったとしても 社会や世間は その人自身に問題があるかのように見て 悪者や障碍者といったレッテルを貼る。
繊細な人は、努力をして人間関係や物事をよい方に向けなくてはならないと考えることが多い。 周囲の人や環境に敏感に反応して、不和や争いを避けたいと願う。 そのために自分自身を犠牲にすることも多いため、心身が疲労してしまう。
小さい時から、無力に打ちのめされてきた人は、常に絶望し、苦痛に堪えながら生活しています。 外に出ることも辛く、誰の目にもつかないようにその場にいないふりをします。 現実に興味が無く、暗闇の中にいて、体は麻痺し、自分が自分でなくなり、半分は生きていて、半分はこの世に生きていません。
安心できる感覚というのは、手足がほど良く温かく、血の通った状態のときに起こる。 トラウマや発達障害の人は、過緊張から、体に備わっている生体リズムが乱れて、首肩が凝り、体がすくみ、手足が冷えている。 そのため、環境調整や生活習慣、体の健康を整えて、本来のリズムを取り戻す必要がある。
発達障害の人は、生まれつき神経が繊細すぎて、些細なことで生理学的な防衛反応に入ってしまう。 学校社会の規則に縛られ、棒人間化していくと、考えようとしてもしんどくなり、過去の情景を思い出せず、心ない状態になることも… 社会の中で生きることが難しく、引きこもることで精神を充実させる。
トラウマを負った人のなかには、他人が全て敵のように感じ、友人がいないと感じることがあります。 家庭や社会に自分の場所がなく生きるのが辛くなります。 そのような時は、自分が好きなものを集めてそれに囲まれることで安心感を確保できます。それがお守りや神様のようになり生きやすくなります。