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合法バイアス!? ルールの面白い点は、何かを規制しようとルールを作ると「抵触しなければ何をやってもよい」とかえってモラルが低下すること。だから規制は一層厳しくなる方向に。職場でも家族でも友達でも恋人でも「ただなんとなくうまく行っているとき」はルールを作らないほうが賢明なんです
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【多様な集団は均一な集団と大差ない】多様な集団がうまく機能するためには一定の厳しい条件が必要で、その条件は現実ではまず成立しないことを証明した先週の『PNAS』論文→ goo.gl/hRuWAj (深く考えもせずにやれダイバーシティだのグローバル化だのと謳う現代社会への一つの反証?)
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【ヤらされるよりヤるべし ―― 自主学習の効能】その日に得た情報は睡眠中に脳内再生されて記憶保管されます。このとき、受動的に得た情報に比べて、積極的に得た情報はより良く睡眠再生されるそうで、そのメカニズムが今朝の『サイエンス』誌で発表されました。こちら→ goo.gl/MNQYN8
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男性同士で夜更かしするより、女性と一夜を明かしたほうが、同じ睡眠不足でも翌日の眠気が軽いそうです。先月の『eLife』→ elifesciences.org/articles/27445(その場に女性がいる必要はなく、女性フェロモンを浴びながら徹夜してもOK。【注】あくまでもハエの実験です)
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【魅力的な生理反応】初対面の男女がデートで惹かれ合う秘訣は、笑顔や笑い声や視線などの外見的な同期ではなく、心拍数や皮膚抵抗などの自律神経的な同期だそうです。今朝の『ネイチャー神経科学』→ nature.com/articles/s4156… (無意識の覚醒レベルの同期が双方の魅力を増幅するのですね)
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【飲みニケーション】アルコールは相手の心理状態を自分の脳回路(前帯状皮質)にコピーする効率を高めることで「共感力」を強めます。ネズミでの検証。今朝の『ネイチャー通信』より→ goo.gl/Xt7DeL(自閉症ネズミの共感力も高めます)
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【マスクは有効】マスクは新型コロナウイルスの感染を確かに軽減するそうです。今朝の『サイエンス』誌の論文より→ science.sciencemag.org/content/early/…
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「ヒトの嗅覚はニブい」はウソ。実際にはイヌやネズミに匹敵します。この誤解は解剖学者ブローカが百年以上前に記した遺物だとか。今朝の『サイエンス』より→goo.gl/OwtoXS(以前も書きましたが、あんなに鼻を近づければヒトだってトリュフや麻薬を発見できますよ)
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小学校にあがる前に母親が丁寧に面倒をみて育てた幼児は、海馬のサイズがそうでない子の2倍以上よく成長し、思春期になった後も自分の感情をうまくコントロールできる人に成長したそうです。今朝の『PNAS』誌より→goo.gl/pJvDCl(小学生では手遅れなのだとか)
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暴飲暴食をする脳部位が見つかりました。この「不確帯」と呼ばれる腹側視床を刺激すると、数秒以内に貪るように食べはじめ、そのまま刺激し続けると、ついぞや肥満体になるそうです。今朝の『サイエンス』誌より→goo.gl/kEakKR
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【反対意見に鈍感な脳】自分とは違う意見を無意識のうちに無視し、自分と似た意見ばかりを汲んで自身の信念を益々深めてしまう「確信バイアス」は誰にでも起こります。反対意見を聞いたときの前頭葉の活性化が賛同意見よりも弱いのだそうです。今朝の『ネイチャー神経科学』→ nature.com/articles/s4159…
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身体のバランス感覚を養うトレーニングで、記憶力と空間認知力が高まるそうです。こちらの論文→ nature.com/articles/s4159… (前庭器官の感覚刺激が海馬や頭頂葉の神経回路機能を促進するからのようで、三ヶ月間週二回のトレーニングで効果が現れるそうです。意外な発見ですね)
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SNS上の書き込みからその人の危機(自殺や自傷、虐待、摂食障害など)を精度よく予測するアルゴリズム。こちらの論文→arxiv.org/abs/1705.09585 (「鳥のような羽根がなくても飛行機が鳥より速く飛ぶように、人のような心がなくても人工知能は人よりも心をよく察知できる」byユヴァル・ノア・ハラリ)
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【嗅覚の立体感】鼻の穴は二つあります。どちらの穴からの匂いが強いかは、意識の上ではわからないのですが、実は無意識ではわかっていて、匂い発生源の方向に正しく向かうことができるそうです。今朝の『PNAS』誌より→ pnas.org/content/117/27…(立体視ならぬ立体嗅! 嗅覚と視覚のVRを用いた研究)
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運動でうつ病が改善するのは、活性化した骨格筋が原因物質キヌレニンを分解してくれるからだそうです。先週の『セル』誌より→goo.gl/RW2Pv6(予防効果もあるようです。責任著者は神経画像技術を習いに私のところへ留学に来ていた人です。ちょっと自慢(笑))
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【手作りラヴァランタン】
手順① 水に絵具で彩色
手順② 水と食用油を1:4で混合
手順③ 発泡錠を投入
映像では、水性の食用色素、日清サラダ油、ビタハイム発泡錠を使っています。暗室スポット照明で癒しのインテリア空間になります。
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【人のタイプは4つ】万能な人、平均的な人、内気な人、自己本位な人。先月の『自然人間行動』誌より→goo.gl/iMNnps(従来の性格分類はどれも冗長だったり再現性が低かったりと問題がありました。そこで150万人を大規模解析したら性格空間を直交する4軸が新たに同定されたという経緯)
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夢や目標を持つのはダメ!? やりたいことに対して、教養のため、人類のため、出世のため、などと「理由付け」をする人ほど長期的な結末は良くないようです。先月の『PNAS』より→ goo.gl/S7jFyb (理由は一つ!好きだからやっている。これがベストのようです)
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【早とちりはダメ】二択課題を解かせたところ、長い潜時をもった誤選択、つまり「熟慮したうえでの失敗」を繰り返すネズミは最終的に高スコアを得ました。同じ失敗でも「即断による失敗」は学習に悪影響。たまたま正解した経験も成績と無関係でした。今朝の『プロス1』より→goo.gl/gkdYqa
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【モラルの人工誘導】前頭葉の一部である「腹外側前頭皮質」を電気刺激すると、「不誠実な行為を行っている自分」を自己正当化することができなくなるそうです。その結果、ウソが減って、正直者になるそうです。先週の『神経科学手紙』誌の論文より → goo.gl/BkQhVF
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【傀儡自己】インターネットで得た知識は、つい自分のオリジナルだと勘違いする傾向があるそうです。ネット検索で手軽に解決することで、自身の思考力や記憶力を過信するからだそうです(←ネットなしでどこまでできるのかを正しく自己評価できない)。今朝の『PNAS』より→ pnas.org/content/118/43…
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【犯罪歴の脳移殖】巧みな誘導尋問によりわずか3回の面談で【中学生の頃に万引きで警察に連行された】【友人に凶器で暴行したことがある】等の偽記憶を植え付けられたそうです。成功率70%。誘導していないことの細部までも描写しました。この論文→goo.gl/czSY7p
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スポーツ選手に死を意識させたところ、なんと成績が43%も向上したそうです。こちらの論文→goo.gl/uudGXN(たしかに普段は死を意識しないですよね。私も年齢的にはおそらく人生の折り返し地点を過ぎていますが、若い頃ほど時間の無駄が多かったことは確かです)
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【犯罪脳】脳のダメージ後に人格が豹変して犯罪をやらかす人がいます。そうした稀な例を17名集めたところ、共通する病変脳部位が見つかりました。先週の『PNAS』論文より→goo.gl/sJc4ef(共感力や認知力の脳回路ではなく、価値を判断したり人の心を推測する回路が損傷しているようです)
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【ヒュブリス症候群】実権を握る地位に長期間居座ると、①他者に耳を傾けない、②自己正当化する、③威圧的になる、⑤そのわりに情緒不安定で同意ばかり求める、などの症状が(後天的に)現れる。文献→goo.gl/bWfA5w #科学的には未証明だが説得力のある仮説