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「もし24時間、海峡に霧が立ち込めれば、歴史を変えてみせる」
とはイギリス上陸を遂に果たせなかったナポレオンの言で、上陸されたら後がないイギリスはフランス艦隊を24時間365日監視し、動きがあればすぐに潰しにかかった。
しかしそんなイギリスもフランス軍の上陸を許した事がある。
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オカルトブームから派生したUFOブームがこのミステリーを引用した。戦争当時、誰も証言しなかった『奇妙な形の雲』がこの話に付け加えられ、あたかも一個大隊が丸々アブダクションされたかのように使われる。
こうしてノーフォーク大隊失踪の話はオカルトに強く結びつけられた。
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rt
このツイートにあるようにコックたちは僅かな食材も無駄にすまいと健気に職務に務めたけど、一方で主人にとってもコックは扱いが難しく、料理を残そうものなら激怒したり泣き喚いたりして辞表を突きつけてきた。
料理がまずい国イギリスではコックはアーティスト枠だった。
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魅力的で無いはずがない。
騎手達を西部の女は鈴なりで迎え、嬌声で歓迎し、彼らの一部でも剥ぎ取れないかと疾走する彼らに手を出した。
ポニー・エクスプレスの騎手達は大いにモテる。
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巨大な前輪は何よりもスピードを出すためのもので、チェーンもなく、前輪が駆動輪。35キロは出た。高い座席はまるで乗馬中のような心地よさを感じさせる。正にスポーツサイクルそのもので、労働者階級よりお金持ちだけど、上流階級程にはお上品さを求められない中産階級の若い男性は熱狂した。
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乗合馬車、駅馬車、お金持ちなら個人向けのキャリッジ、郵便馬車、お散歩用の馬車……馬車……馬車……
鉄道が出来ても小回りは利かない、中〜短距離の移動には馬車を使うしかない。
ロンドンには日々5万頭の馬が行き来する事になる。その全ての馬が糞尿を撒き散らす。
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自発的に船に残ることを決意した気高い人達が脱出するボートを見送る。タイタニックの楽団は自分と船の最期のために沈むまで演奏を続けた。
ジェソップは胸に抱いた子供共々生き延び、付近を航行していた船に救助され、生きてイギリスに帰ってきた。
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18世紀のフランスは天下の美食大国であり、じゃがいもなんて鼻から無視する。パルマンティエも家畜の餌か、貧民の窮余の食べ物みたいなのを食べさせられる捕虜の惨めさと共にじゃがいもを嫌々食べる。ところが表情が変わった。
「……美味いじゃないか」
パルマンティエはじゃがいもを完食。
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社会の犠牲となって命を奪われる人達に、かつての人達は、天国行きと言う名誉をせめて、与えた。
今のわたし達も同じ。有事ともなれば国家のために戦死した人たちに神ではなく国家が名誉を贈る。そうやって、誰かの犠牲の上に社会というのは成り立つ物なのでしょうね。
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西部戦線の塹壕やトーチカの建設に数多く携わったグリフィスは作戦を練ったり突撃に参加する訳ではない、いわば戦場の土建屋さんで、彼の部下たちは兵士と言うより職人だった。
彼は高級ワインを満載したロールスロイスで塹壕を視察して回り、選抜した兵士をトンネル掘削部隊に差し出す。
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rt
イギリス史を見てると、第一次対戦前と後では断絶があることに気づく。第二次大戦は一次大戦によってもたらされたものを強化したと言う印象。
親子間ですら大戦前の世代と後の世代では価値観が共有できないのね。
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17世紀までは貴族の娯楽と言えば狩猟だったけど、この頃から競馬が人気を集めてくる。
この頃の競馬は2頭によるマッチレースが主で、距離は4マイル(6400m)と言う超長距離、かつ2回、あるいは3回かつまで同じ日にレースを繰り返す過酷なもの。運や瞬発力に左右されない純粋な実力勝負だった。
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しかしスタッフォードは午前7時に釈放されており、リーズを後に彼女の故郷に向かっている最中だった。
肩透かしを食らった群衆は振り上げた拳のおろしどころに困る。
「ドリッピング野郎の家に行くぞ!」
ヒロインを迎えて大騒ぎする予定だった群衆は別の方向にシフトした。
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RAFは何故か7.7ミリ機銃が大好きで、戦闘機から爆撃機までみんな7.7ミリ機銃を使ってる。
何でだろうと調べたら、空戦における射撃チャンスは少ないので、単位時間当たりに大量の弾丸を叩き込むのがいいと考えて手数を威力より重視したぽい。
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ハートリプールの人たちは猿を見た事は勿論、フランス人を見た事もなかったので、猿とフランス人の見分けが付かなかった。
それでも自国がフランスと戦争してたのは知ってたので、ハートリプールの人たちは猿をフランス人とと思い込み、スパイだと裁判にかけて絞首刑にかけた。
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金融と観光で栄えるまで、結局、スイスの男手は完全に余っていて、公式にであれ、非公式にであれ外国に放り出すしかなかった。スイスはあまりに小さく貧しい国で、人口が余剰だった。
スイスが傭兵国家であった事はよく知られてるけど、植民地経営にも暴力面で噛んでいた事はあまり知られてない。
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とは言え、やがてヨーロッパ人もじゃがいものポテンシャルに気づく。痩せた土地でもよく育つ。栄養価が豊富で、しかもありとあらゆる料理に合わせやすい。
「貧民のパン」
やがてじゃがいもは密かにそう呼ばれ出した。一方で偏見も根強い。マトモな人の食べるものではないともされる。
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