エリザ(@elizabeth_munh)さんの人気ツイート(新しい順)

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そして件のワードはどれも同じ子供から提供されたものだった。 ドー氏は密かに子供を呼び出し、訪ねる。 「ウチの近所のアメリカ軍の人がヒソヒソ話してたんだよ。聞き慣れない言葉だからノートに書いてたんだ」 ドー氏は天を仰いだ。子供の前とはいえ、軍の不始末じゃないか。
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ドー氏は自分が使った言葉がどうやら意図せず軍の機密に触れていた事をなんとなく察し、職員達もどうやら本当にただの偶然らしいと気づいて引き上げた。 しかしドー氏は納得できなかった。本当に偶然なのか。 彼はクロスワードパズルのワードを考える時、クラスの子供から知恵を借りる事がある。
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そう問われたら何も返せない。いやぁその言葉は極秘のコードネームでしてとは言える訳がない。 「……使ってはならない訳ではありません。しかし、どのような意図で使ったのですか!?」 「意図も何も…… ただのクロスワードパズルですよ!?」 尋問は長時間に渡った。
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直ちに職員2人がクロスワードパズルのコンパイラーの元に派遣された。 出題者はドー氏と言うサリー地方に勤める54歳の真面目な教師で、スパイとは無縁に見えたけど、かなりの危機感を持つ職員達は質問攻めにする。ドー氏は訳が分からず混乱した。 「なぜその言葉を使ってはならないのですか?」
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「ネプチューン、ジュノー、マルベリー!? 全部作戦に関連する極秘のコードネームじゃないか! 作戦が漏れてる!?」 職員は慌てて上司に報告し、MI5にアラートが鳴った。 「緊急事態! ドイツのスパイがクロスワードパズルを使って作戦を漏らしている可能性あり!」
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「次は……ユタか。どっちも上陸地点のコードネームだな。……いかんいかん、職業病だ……。こんなもん偶然に決まってるだろ」 職員は馬鹿馬鹿しいと思って日刊紙を読み捨てた。ところがまた別の日のクロスワードパズルを解いていた時、彼の背筋に冷たいものが走る。 「お、オーバーロード……!?」
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作戦準備が整い、その日を待つイギリス軍。そんなある日のこと。 防諜機関、MI5に所属する職員の1人は何気なく日刊紙をパラ読みしながらクロスワードパズルを解いていた。 「ヒント、アメリカの地名のひとつ? Oから始まるな……。オ・マ・ハ……。マイナーなところ持ってくるな……」
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上陸支援を果たす海軍部隊は『ネプチューン』と名付けられ、これら全てには最大級のプロテクトが掛けられる。 反攻作戦の時期が迫っていることは誰の目にも明らかだったけど、それをドイツに掴まれれば、上陸部隊は苦戦することになる。宴席で個人的な予想を口にしたアメリカ人少将は更迭された。
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1944年、連合軍はドイツに対する反攻作戦の狼煙を挙げる事を決定し、最大級の陸海空戦力を北フランス、ノルマンディーにぶつけようとしていた。 作戦名『オーバーロード』 ノルマンディーの海岸にはアメリカの地名にあやかって、『ユタ』、『オマハ』、『ジュノー』などとコードネームが付けられる。
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第二次大戦中、戦況が気になって新聞、特に日刊紙はよく売れたけど、戦争のニュースと同じくらい人気を集めたのがクロスワードパズル ちょっとした暇つぶしにぴったりなのは今と同じで、大人から子供まで日刊紙のクロスワードパズルに挑戦してた このクロスワードパズルが大騒動を起こしたことがある
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オズワルド・モズレーは20世紀半ばのイギリスの政治家で、第六代モズレー准男爵としてイギリスの上流階級の一員だった。 初め、軍人として身を立てようと第一次世界大戦に従軍するも重傷を負い、片足が不自由になって軍人としての道を諦め、政治家に転身した。
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イギリスを代表する高級店がずらり、180mに渡って左右の視界を埋める。正にイギリスいちのブランド街ね。途絶えることなく赤じゅうたんが敷かれてて、まるで貴族になったかのような気分になる。 さて、このアーケードの最大の特徴が警備員で、バーリントン・ビードル。
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連続したアーチを持つ一本道で、雨除けの蓋をされ、道の両脇に商店が立ち並ぶ商店街をアーケード街と言う。東京にはないかな? 地方だと何処にでもあるわね。 世界最古のアーケード街と言われているのがイギリスのバーリントン・アーケード。
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犯罪者を強力な武器で、それこそ機関銃や大砲で叩き潰すのは簡単。軍隊がいればいい。 しかし物事には適切な武器のレベルがある。家一つ穴だらけ、廃墟にして、犯罪者を逮捕する気もなく、最初から殺害する気で殺傷力の高い武器を向けていいわけない だから警官達は劣った武器ででも立ち向かうのね。
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しかしスコットランド衛兵隊が到着すると警察は驚愕した。 「マキシム重機関銃です! 蜂の巣にしてやりましょう!」 「やり過ぎだ! こんなもの頼んでない!」 「後から13ポンド野戦砲もきます!」 「市街戦をやる気か!?」 「そのつもりですが……」
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19世紀末、ロシア帝国で大規模なユダヤ人迫害であるポグロムが起こると、ロシアに住むユダヤ人達は他国に亡命した。 イギリスにも12万ものユダヤ人が亡命してくるけど、彼らの殆どは貧しく、手に職もなく、貧民街のイーストエンドに定住した。
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流行は繰り返す…… 嗅ぎタバコブームによってたっぷり蓄えた髭は縮小され、更に18世紀、女性的なロココ調文化が一世を風靡すると、つるりと剃り上げるのがマナーになった。 しかし19世紀、髭は再び流行し、寧ろたっぷり蓄えた髭がマナーになる。 twitter.com/elizabeth_munh…
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イギリスの警察は昨日も話した通り、民衆の弾圧者と見做される事を恐れたから、軍隊的なイメージから遠ざかる事を目指した。よく目立つ鮮やかな赤色の軍服の代わりにダークブルーの制服に、武器は警棒一つ。 とは言え拳銃が貸与されるケースもあるし、時代と場所に応じて武装には様々な程度があった。
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さてそんなロンドン警視庁、誕生したのは諸外国に遅れるどころか連合王国内のスコットランド警察よりも、アイルランド警察よりも遅い。と言うのもイングランド人は警察というものが国家権力の尖兵であり、弾圧の手先だと信じて疑わなかったから。中世のまんまの自警団で十分と思ってたのね。
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ロンドン警視庁をスコットランド・ヤードと呼ぶけど、これは警視庁本部が設けられた建物の正面玄関が狭く、出入りする際には間口の広いグレース・スコットランド・ヤード通り(中世にスコットランド王家の宿泊施設があったことに由来)に面した門を使ったから。 日本でも桜田門は警視庁の別名ね。
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この時設立されたノースウェスト騎馬警官隊が後の王立カナダ騎馬警官隊の前身となった。 フランスのマレショーセもそうだけど、地方や田舎の治安維持に快速の警察は欠かせない。警察の取り締まりの空隙に犯罪や不法は蔓延るものだからね。
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サイプレス・ヒルズの大虐殺と称された恥ずべきこの事件はカナダ政府が知るより先にアメリカ政府が知った。 「カナダは統治能力があるのか?」 アメリカはやる気がないなら無法状態の西部を併合するぞとプレッシャーを掛ける。慌てたカナダは機動力に優れた騎馬警官隊を設立し、治安回復に努める。
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西部開拓時代の西部アメリカが無法者の蔓延る荒野だったのは有名な話だけど、カナダにもそんな時代があった。 19世紀後半になってもカナダは広大な土地に対して警察力が追いついておらず、都市を離れれば忽ち無法地帯となる。それが最悪の形で表現されたのが1873年だった。
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飽和する人口を本国で抱えきれないイギリスは海外植民地に自国民を延々と輸出した。 最初、アメリカがその対象になるけど、アメリカが独立するとこの手は使えなくなり、オーストラリアが流刑地に選ばれる。スリのような軽度の罪でも死刑か流刑か二つにひとつ。 twitter.com/elizabeth_munh…
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「その『灰』を取り戻す」 とキャプテンは宣言し、以後、オーストラリアとのマッチは『ザ・アッシュ』と呼ばれる伝統の一戦となり、『灰』を収めたトロフィーまで作られた。 過密化する都市では墓地問題は避けて通れぬ。今は自然とわたし達も火葬を受け入れてるけど、過渡期は抵抗あったでしょうね。