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「猿の事は忘れて下さい。私は通りにいる普通の人間で、支持母体を持ちません。だからこそ、皆の意見に耳を傾ける事ができます」
ドラモンド氏はずぶの素人で政治のアマチュアだった。立候補の動機はおふざけだった。ただ、伸びる意志はあった。彼は半年で修士号6つを取得する。
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普段わたしたちが目にするカラスをクロウと言うけど、大型のワタリガラスをレイヴンと言う。見ての通り大きくて目つきが鋭いね。
イギリスの観光名所、ロンドン塔ではこのレイヴンを6羽、飼育する伝統がある。 twitter.com/elizabeth_munh…
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誰からもお菓子貰えないから問答無用で悪戯するかな。
みんなの家のお庭にミントをばら撒き、タケノコを植えよう。
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社会とは神の異なる名である。
人を殺すな、物を盗むな、嘘をつくな、こういうのは人類共通の善だけど、置かれた環境によっては現代目線では考えられないような事が善とされる。社会を持続させる事が一義であって、個々の生命には犠牲を要求するのね。
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こうして市当局と消防ポンプ隊は防災に向けて協調し合う。エジンバラの消火栓は45から97に一年で増加。更に翌年以降、99基がそれに続いた。もう水には困らない。
また建築と火災の専門家であるブレイドウッドは勇気と根性に任せた従来の消火を否定し、消防に科学を持ち込む。
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「閉鎖空間における煙は非常に危険だ。場合によっては一呼吸で死に至る。もし取り巻かれたら姿勢を低くして、なるべく低いところの空気を吸え。
1人で飛び込むな。常に2人以上で行動しろ。鎮火したと思って迂闊に近づくな。火種を得るや燃え盛る事もある。
炎は適切に戦えば怖くない」
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ハートリプールの人たちは猿を見た事は勿論、フランス人を見た事もなかったので、猿とフランス人の見分けが付かなかった。
それでも自国がフランスと戦争してたのは知ってたので、ハートリプールの人たちは猿をフランス人とと思い込み、スパイだと裁判にかけて絞首刑にかけた。
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余りに居心地がいいので入り浸る人が続出した。中には住み着いてしまう人すら出る始末。
コーヒーハウスは女人禁制の男の社交場で、爪弾きにされた女達はコーヒーハウスに憤慨し、コーヒー害悪論を展開する。
「ウチの夫がもう何日も家に帰ってこない! コーヒーのせいだ!」
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『豆の木』のジャック少年が殺した鬼は人喰いだと言う。しかしその場面は描かれてない。
野蛮な人喰いだから、押し込み強盗殺人をやっても正当化される。これはイギリス植民地主義と、人種差別へのジェイコブスの密かな皮肉だった。
自分自身もまた、偏見一つで殺される鬼なのだと言う自嘲と共に。
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フォリーは元々、イギリスやフランスの貴族層が朽ちるに任されてた古代ローマ時代の遺跡や中世の修道院の廃墟なんかをお庭に取り込んだのが始まりで、やがてそれがお洒落だと言う事から、最初から朽ちたような形の建物として新設されたりした。だから古代ギリシア風の建築様式だったりするのね。
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不潔で地価が高くて狭苦しい旧市街から余裕のある人たちは郊外に移り出し、旧市街は徐々に活力ある新市街に取って代わられるようになる。
管理者不在の建物が増えた。当時、消防は家主と契約した保険会社がその義務を負う。彼らは営利企業なので、放置された廃屋など消化する義務はない。
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やむなく禁令は撤回される。次代のジェームズ2世の時にはせめて扇動的な出版物を置くなとやや緩めの禁令が出るも、これも敢えなく撤回。ゴシップと扇動はコーヒーハウスの華。撤去できる訳がない。
こうしてコーヒーハウスは身分秩序の強いイギリスで異例の平等な空間として栄えた。
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一方、生涯を通じて炎と戦い続けたブレイドウッドの葬儀が火災後執り行われ、ロンドン中のありとあらゆる人達が葬列に並んだ。その長さは2.4キロに達する。
火災の中心にいたにも関わらず、その遺体は瓦礫で守られ、炎に晒される事はなく、安らかな表情をたたえていた。
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事情はパリもニューヨークも同じで、都市計画関係者の間で会議がもたれるも、馬車を排除するなど不可能であるとして、絶望的な会議は早々と集結した。
人類の叡智が馬糞に敗北した瞬間だった。
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つまり経年劣化が激しく、密集していて、おまけに管理者不在で燃えても誰も消火する義務を持たない建物だらけにエジンバラ中央部はなる。
「これは……。まずくないか?」
実際、ボヤ騒ぎは日常で、消火は民間の有志頼みだった。いつか大変な事になるかもしれない……
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イギリスと言えばシェイクスピア劇だけど、名誉革命前までは女優と言うのがなくて、お芝居は男性のみがやってたみたいね。女性役も男性がやってた。
この際、女性役をやる俳優は少年俳優だったとされてて、一見、変声期前の子供かな? と思う。
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おはよう。今朝のTIPS。
百年戦争におけるフランスの勝因は色々ある。一番わかり易いお話としては、負け通しのところにジャンヌ・ダルクが現れて逆転した、って感じね。
しかし見落とされがちで、しかもかなり重要な役割を果たしたのがスコットランドの存在。
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こんな事ばっかりしてたらその内高位の政治家は国民を警戒して外に出なくなるぞ。
皇族なんかもう御簾の奥に隠れちゃうぞ。いい加減にしてほしい。