ヴィクトリア朝末期 狩猟舞踏会における召使いの正装【ハントドレス コーチマンズスーツ】を縫ってみました いつもは地味なスーツを着るコーチマンですが、狩猟舞踏会では色味のあるスーツを着用しました 今回の作例では、衿とカフスをボルドーで切り替えています
フルート演奏者の方が「200年前のフルート」を持参してくださり「200年前の服」を着て、その場で吹いてくださいました 素晴らしいハプニングでした 仲間さん @C21oU3V1yTkzupu 美しい音色をありがとうございます 先日の【半・分解展の器】での出来事です 30秒ほどの動画もあります ↓
ブーツトップはドレスコードのひとつとなり、紳士淑女の足元を彩ります 特に女性のブーツトップには、小ぶりな釦が多数付き装飾性を高めると同時に、造形美を成立させています 極端な足のカーブに沿わせるためには、無数の釦が必要なのです まだファスナーのない時代に考えらえた工夫でした
1809年フィラデルフィア 「Mノッチ」を縫いました Mノッチの正式名称はリージェンシーテイルコートです リージェンシーテイルコートの中で、衿の刻み部分がM字になっているものをMノッチと呼びます (画像3枚目を参照) Mノッチをひと言で表すならば「過剰造形」の衣服です
12/13(日) 年内最後の【半・分解展の器】をオープンします テーマは「フランス革命の紳士服/ヴィクトリアンの婦人服」です 今回、写真2、3枚目の1892年イギリス「ヴィジット」と呼ばれる不思議なドレスを展示します 鎌底の仕様が特殊で皆さんの意見を聴きたいのです sites.google.com/view/dd-utsuwa…
8月1日(土)は、渋谷にて【半・分解展の器】がオープンします 「真夏のロココ/フランス革命展」と題し、200年前の構造美を探ります 当時の実物を7着展示します
【半・分解展の型紙】販売を再開します 10月21日まで販売いたします 今回に限り、2点以上のお買い上げで15%OFFのセールを開催しております この機会に、ぜひ半・分解展の型紙に挑戦してみてください ご注文お待ちしております ご購入はこちらから↓ d-d-pattern.myshopify.com
フットマンに求められた人材は、背が高く格好いい青年です 見栄えする人間に、さらに見栄えする衣装を着させて従わせることが、貴族のステータスのひとつでした コートやベストには金糸のブレードが縁取りされ、釦には仕える貴族の紋章が刻印されます
オリベット自体は飾りの意味合いが強く、フロントをしっかりと閉じる構造は内部に隠されています なんと重厚なカギホックが「互い違い」に計26個も仕込まれます これを着用者自身で固定するのは至難の業です 一度カギホックを閉じてしまえば、もう脱ぐことのできないホールド感を味わえます
すでに特権階級をも凌ぐ資産を築いた新興ブルジョワジー(産業資本家)は、上流社会へと流入していきます 爵位すら金で買ったブルジョワたちは気付きました 自分たちは「文化」を持っていないことに 完全なトップダウン形式の文化・芸術のなかに、女性の横乗り乗馬も含まれていました
仮で組んでみた1892年イギリスの「ケープコート」 まるで拘束具のように、まったく動くことができずに笑ってしまいました ティーを飲むように、肘を曲げて口元に運ぶ動作のみが可能です 腕を広げる/手を挙げるなどは出来ません 巨大な袖が、おヘソから腰までを覆うデザインです
明日2/6(土)は【半・分解展の器】です 19世紀末イギリス「ヴィジット」の試作品第一号である、こちらの白いサンプルは格安でお譲りします 構造に興味がある方や、意欲的な学生さんなど、どうぞご自由にお使いください ヴィジットの他、ユサールやスパッツなども展示します お待ちしております twitter.com/rrr00129/statu…
半・分解展4月19、20日の2日間は「18世紀の婦人服 -ロココに溺れて-」という特別展示をおこないます @bibide_babide33 アトリエSHIONEが手掛けるロココ時代のドレス2点を展示します しかも20日の13時からは、代表の汐音さんがコスチュームを着て会場を闊歩するというカオス空間になります
目を惹くのは美しいボルドーカラーの生地 そして「動物釦」です 狩猟服には伝統的に鹿、猪、狐、犬、狼などの動物を刻印した釦が付きます 動物釦はコレクターも多く、私もその一人です そんな釦が24個も縫い付けられるわけですから、このスーツとっても重いんです
旧き衣服の造形美に心奪われた方は、ぜひBlogもご覧ください 絵画に描かれた衣服の構造は、想像以上に面白いものです 構造を知ると美術館巡りが何倍にも楽しくなります また、絵描きさんやコスプレイヤーさんの参考になれば幸いです 「本物」をみるのが1番勉強になりますrrr129annex.blogspot.com/2020/09/blog-p…
彼らのユニフォームは、主人の所有物と合わせてコーディネートされました 例えば「馬車」です 馬車と同じ色合いや紋章を取り入れて制服がデザインされました また、彼らが実名で呼ばれることはなく、ジョンやチャールズなど、主人が勝手に決めた名前で呼ばれます これは女性メイドも同じですね
内部のリネン素材は、背中まで張り巡らされており、最低限の土台として機能しているようでした この小さな土台のうえに「モスリン」と呼ばれる極薄コットンを縫い付け、支えていたのです この作例では「二の腕部分」までリネンが仕込まれており、まるで内部に「半袖の服」を重ね着しているようでした
第二次世界大戦中のイギリス軍が、「バイクに乗る前にコートをたくし上げて」なにをしていたのか? 「ツナギ」になるコートはどのような設計なのか? つくって着てみると、なにがわかるのか? など、「忘れられた美の構造」を分解研究しています rrr129annex.blogspot.com/2018/01/eeeeee…
前端を留めるトグルは「オリベット」と呼ばれます これはオリーブを基にしたデザインです 内部には木の土台が仕込まれておりロシアンブレイドで編みこみ覆っています 衿は、袖口同様にダークネイビーのベルベット生地が使わています
サイクリングスカートは別名「スプリットスカート」とも呼ばれ、さまざまな種類が発明され特許が取得されました なかには複雑怪奇なものも多く、とても不思議な構造をしています 例えば写真3は、1895年5月28日に特許を取得した「ニッカーボッカーズと合体したスカート」の型紙です 地獄です
1810年フランス リージェンシーテイルコートの生地を織りました ナポレオンも羽織ったであろう博愛色のウール地です 実物の生地を分解研究すると、現代では考えられない手間と時間をかけて織られていました まるで「和紙」のような肌触りです この生地は、ぜひ手にとり触っていただきたいです
こちらの書留鞄は、手縫いでも充分に縫えると思います また、金具はすべてオンラインで販売されています ブログにすべて書きましたので、縫うぞ🔥という方は参考にされてください
1830、40年ごろは、女性同様に男性もウエストを絞り上げました ロマン主義の影響のもと、衣服も大胆にデフォルメされていったのです 男性もコルセットを装着し、身体補正をかけていきます メリハリをつけた理想のボディの上に羽織る燕尾服には、熟練職人の知られざる細工がされたのです
20世紀初頭まで上流階級の女性たちは、馬に跨り続けます 移動手段としての馬車から自動車への移行はあっても、上流階級の矜持が「横乗り乗馬」をさせます こんなに複雑怪奇なスカート(写真2,3)を履いて危険を冒そうとも、彼女たちにはそれしか残されていませんでした 資本主義に文化で抗ったのです
造形美への転換で最もわかりやすいのは「見た目が地味」になったことです 革命前の服は、シルク生地に金糸や銀糸を贅沢に使われています 革命後の服は、ウール生地で装飾は一切排除されていきます 男性美を牽引する国がフランス(ロココ的装飾)からイギリス(リージェンシー的造形)になりました