そして最後に、フックとナイフ?です 実はこれもヴィクトリア朝を表すアイテムです フックは、当時流行した「ボタン着脱のブーツ」を着脱するために必須でした ナイフは、サバイバルに使うわけもなく「マニキュアナイフ」としてポピュラーでした どちらもシャトレーヌには良く付けられていました
こちらは1860~70年 フランスの「クリノリン・ヴィジット」 ポンチョのような見た目のかわいい羽織りです 【半・分解展の型紙】は、3月13日(月)までの販売となります 100年以上前のマニアックな型紙に挑戦してみてください 購入はこちらから↓ d-d-pattern.myshopify.com
1809年の紳士服「Mノッチ」をつくりました こちらは、フルート演奏者の女性のお客さまからご注文いただいた一着です 「フルートを収納できるポケット」が内側左右に付いております 実際に使用されるフルートの寸法をとらせていただき製作しました 新古典主義の造形美は、現代の女性にも馴染みます
1810年イギリス 金糸と模造宝石で彩られた【ウエストコート】 こちらは「半・分解展 大阪」の会場内で、分解実演いたします ダメージが多いため、綺麗に解いて内部構造がわかる「衣服標本」にします この刺繍の裏側がどうなっているのか、会場で一緒に見てみましょう
個人的には、パンクスタイルのお兄さんがバッチリ着こなしていたのにも驚きです まったく違和感のない、新しいスタイルが完成しています😂 ヴィクトリア時代の女性がみたら、一体どんな感想を言うのか ちょっと気になります
1870年フランス 狩猟舞踏会の燕尾服【ハントドレス テイルコート】 貴族の社交である狩猟のあと、カントリーハウスで催される舞踏会があります そこで着用する特別な燕尾服がハントドレスです Blogにまとめてみましたので、ご興味あればご覧ください↓ rrr129annex.blogspot.com/2020/03/countr…
フランス革命後に生まれた過剰造形の衣服「Mノッチ」を紹介します 裏を「裏側」をみてください 幾重にもステッチが施され、造形が「構築」されています フランス革命は「紳士服の美意識を刷新」しました 装飾に富んだロココスタイルから「地味で造形的」な新古典主義スタイルに変貌を遂げたのです
倹約の意味するとことは「見えないところは節約しろよ」 つまり背中の布には、シルクとか刺繍とかしないでね ところが、イギリスを目の敵にするフランス貴族たちは「ベストにこそお金を掛けました」 結果、ベストは紳士服の歴史のうえで最も個性的であり装飾性が高いアイテムとなりました
アルスターを着られる人がいました
こちらはMet所蔵のサイクリングスカートとジャケットです 半・分解展の所蔵するサイクリングスカートと同じように、お尻の部分にプリーツが幾重にもたたまれています こんな格好で自転車に乗っていたなんて、想像するだけで格好良いですよね
【半・分解展】では、貴族・使用人・軍人・労働者それぞれの文化を「衣服」を介して体験できます 実際に触れて袖を通すことで、より鮮明に当時の人々の生き様が感じとれるでしょう 半・分解展 大阪展(10.24~11.1)にぜひお越しください ↓ sites.google.com/view/demi-deco…
あまりに背中が狭いのに、なんで人が着られるのか? その秘密は「袖の設計」にあります まるで肩甲骨から生えているかのように縫い付けられた袖は、意外なほどにスムーズな着脱を可能にします そして一度着てしまえば、腕は楽に動かせます この袖の構造は、半・分解展のイチ押しポイントです
【 半・分解展 2021 東京展 】を開催します 100年前の感動を100年後に伝えるために、全身で感動を浴びる空間をつくりました 半・分解展にガラスはありません 100年以上前の衣服に直に触れて、嗅いで、袖を通してください 「美の構造」が、ここにあります sites.google.com/view/demi-deco…
半・分解展の会場では、1770年~1940年までの衣服を3Dモデリングした映像を流します これは19世紀のイギリスの乗馬用スカート「サイドサドル」のモデリングです 特殊な乗馬の構造が、より深く理解できるかと思います もちろん試着もできるので合わせてお楽しみください sites.google.com/view/demi-deco…
そして、裏地のつくりは手作業地獄です わかりますか? 【星留めのキルティング】なんです このプツプツと見えるすべてが手縫いです 中には「分厚い綿」と「固い麻芯」が噛まされおり、まるで座布団のような厚みです こうすることで誇張した胸の造形美を構築し、イギリスの男性美を表すのです
半・分解展の造形美を、あなたの手でかたちにしてみませんか? 私が研究する18世紀、19世紀の型紙を販売しております 自らの手でつくる喜びや興奮も、私が伝えたい感動のひとつです 【半・分解展の型紙】 5月1日(日)までの限定で販売中です↓ rrr129annex.blogspot.com/2020/09/blog-p…
釦ブーツが欲しい!と思っている方は、ぜひboutique.dramaticaさんを覗いてみてください @btqdrmtc 半・分解展にもよく来てくださるマニアックなデザイナーさんがつくっています (写真はboutique.dramaticaの釦ブーツ)
スカートの中に隠された技巧は目を見張るものでした 不安定な横乗り乗馬(サイドサドル)でも美しい佇まいを保持する為の工夫です このサイドサドルは19世紀において最もポピュラーなスタイルになります これまで私が紹介してきたサイドサドル(エプロンタイプ)に比べシンプルな構造になっています
1770年イギリス ロココ貴族のドレス【ローブ・ア・ラ・ラングレース】の上半身を手に入れました 本来は写真3枚目のようにスカートと一体になったドレスなのですが、切り落とされています しかし上半身だけでも充分に資料的価値があると判断し、購入しました 摩訶不思議な構造を紹介していきます
こちらは「ボーブランメル」と呼ばれる、19世紀の紳士ファッションを築いた人物です 彼が履いているのは、鹿革のズボンです 腰に注目してください シグネットとウォッチキーが確認できますね このようなズボンには必ず「フォブポケット」と言われる懐中時計専用のポケットがありました
プリーツの構造は、本物を分解し、実験を繰り返してようやく理解できました プリーツ止まりには麻芯を噛ませ上半身の縫い代に留めつけ、最後に釦をブチ抜きで固定しています そこまでしてようやく、3m60cmもあるプリーツが美しく揺れ動くのでした 当時の技術者の指が心配でなりません
紳士のあいだでは片眼鏡や鼻眼鏡が流行し、淑女のあいだでは柄付き眼鏡「ローネット」が流行しました また香水眼鏡、扇子眼鏡など謎の産物が多数生まれます この眼鏡ケースは、耳に掛けるオーソドックスなタイプを収納するものです 眼鏡がオーソドックスな分、ケースにお金を掛けたのでしょうか
特に、乗馬においては「極端に長いスカート」が好まれました 乗馬時に美しく脚を隠すためです しかし、馬から降りれば大量の布が邪魔で歩行ができません しかたなく女性は片手で、自らのスカートを持ち上げて行動しなければなりませんでした
当時の実物と比べてみても、共通する構造が見えてきます 「前に垂れる布」と「背中から生える袖」が特徴ですね 袖のデザインは数多あり、アレンジ次第で違った表情が演出できそうです 当時の女性たちも凝ったデザインで仕立てさせたのでしょうね
日本のインバネスと比べてみるとその違いは歴然です 写真1枚目は、1930年ごろの日本製のインバネスです ケープをどけると、大きな穴が開いているのがわかります 着物のうえからでも着易そうです 1890年の袖付きインバネスは、ジャケットのうえから着用することを想定し、設計しています