「傾きの構造」に関する考察は、Youtubeにもアップしていますので興味ある方はご覧ください youtu.be/x0d7VojaYgE
肩には、細いロシアンブレイド編み込みんだ肩章(エポレット)が取り付けられます エポレットの起源は17世紀末フランス 肩に結んだ「リボン」から派生したと言われています 太陽王ルイ14世の画をみると、無数のリボンが肩から垂れ下がっています 階級によりエポレットのデザインは変化します
やはり最大の特徴は「ツナギに変形」する点です コートを強制的にツナギにすることで、裾のバタつきを抑え安全に運転することができます 前端裏と、後裾裏に隠された釦を留めることでツナギの形状になります 赤ちゃんが着る「ロンパース」みたいな設計になっているんです
フランス革命で混乱するなか、自由・平等・博愛を支持する者たちは、宮廷服を脱ぎ捨てMノッチに袖を通します ベートーヴェンは、いち早くカツラを脱ぎ捨て、短髪とMノッチに身を包んだ音楽家です 英国王ジョージ4世はMノッチのスタイルで公に出る際「裸を見られるより恥ずかしい」と言うほどでした
「着物にも合わせやすかった」 と多くの方から言われたのがクリノリンヴィジットでした アームホールやネックに、たっぷりと「ゆとり」が入っているので着物にも自然に沿うのだと思います 自分では気付けない、新鮮な発見でした
また、ロサンゼルスのFIDMミュージアムが保管するキモノガウンは、和服と洋服が組み合わされた好例であり大変有名な1着です 「なんで後身頃だけ柄が天地逆なの?」 そんな議論がされています fidmmuseum.org/2009/12/kimono…
こちらはMet museumが所蔵するイギリス製ティーガウンです ユリの花が大きく刺繍された1着です 「日本の着物や18世紀のローブ・ア・ラ・フランセーズの影響を受けてつくらている」と説明されています この作例も裏に中綿が入っているようで、私が所有するティーガウンと同じ仕立てになっています
この胸飾りは「ロシアンブレイド」と呼ばれます 日本の組紐にも近い構造をした丈夫な紐です 19世紀の衣服には、ロシアンサーキュラー(女性のコート)などロシアの名前がつくものを時々見かけます この写真は、19世紀末フランスの実際のユサールです
当時は、クリノリンと呼ばれる極端にボリュームのあるスカートに合わせて着用されていました 一時的にコルセットによる締め付けも軽減されたようで、ヴィクトリア朝にしては珍しく「着易い上着」だったろうと想像ができます このふんわりとしたボリューム感は、現代にも受け入れやすいでしょう
書留鞄に興味を持ってくださった皆さま、ありがとうございます @j_f_o_a の学長が書留鞄の縫い方をYoutubeにアップしてくださいました #半分解展をつくろう を付けてTweetしていただければ、私と学長が可能な限り質問等にお答えしますので、ご利用ください この機会に、自分でつくるワクワクを!
馬車は1910年ごろまでは生き延びます 鉄道も充分に発達した時代に、馬車文化を盛り上げた「女性コーチマンズ」がいました 自由な働き方をする女性たちの姿は、当時のマスコミの恰好の的となり多くの写真が残されています むしろ目立たなかった男性コーチマンより写真が見つかります
このような服に「袖」は不要でした 【か弱く、静かに佇むことが美徳】とされた貞操観念を、体現しているのです 女性は、高級な調度品のごとく存在することが求められ、同時に多くの上流階級もそれを望みました このような服は、着ると【一切、動けません】 周りに世話する人間が必要なのです
この美しいシルエットを安定させるために、裾には「シルクに包まれた鉛」が8個も縫い付けられています これが地味に重いんです ここまで美意識を徹底したヴィクトリアン時代の淑女には頭が下がります また、このアルスターを仕立てた職人にも、大きな拍手を送りたいです
地味な見た目により、問題が起きます 「誰が権力者か分からなくなった」のです 革命前は、偉い人が派手な服を着ていたので一目瞭然でした ところが革命後は「みんな同じ格好」になっていきます 舞踏会でいったい誰に挨拶をすれば良いのでしょうか この潮流は現代においても加速し続けています
2016年にアメリカのLACMA催された「Reigning Men」という展覧会は、紳士服の伝説的な展示でした ストリートビューで当時の展示風景が見れますので、私と一緒に少し覗いてみませんか? 半・分解展にも同様の衣裳が展示されていましたよね ストリートビューはこちら↓ google.com/maps/@34.06335…
詳細に視ていくと面白いのが、生地やデザインは違っても「仕立ては貴族の服と全く同じ」なのです これは18世紀の階級社会において、さまざまな分野で散見できる特徴です 18世紀すべての文化・芸術が完全なるトップダウンでした 当時、芸術の分野であったファッションも、上から下に降りてきます
【お得なセールも開催中です】 3年ぶりとなる福岡展の開催を記念して、ヴィクトリア朝の婦人服の型紙をお値引きしています この機会に挑戦してみてはいかがでしょうか 今年の冬服は、ご自身の手で縫ってみてください
もちろんユサールには欠かせない「胸の隠しポケット」や「腰のソードスリット」も設けています ただ単純にポケットをつくるのではなく、装飾のなかに上手く組み込んで、機能的に仕立てています 機能美と装飾美が一体となった1着です
生活必需品を腰にぶら下げることは、クリノリン期(1850年頃)から流行します クリノリンの特徴は、まさに「細く締め上げたウエスト」なんですね もちろん腰から下げることは利便性もありましたが、アッパークラスからは「装飾美」としての役割が求められました パンチ誌の風刺対象にもなっています
当時のファッションプレートをよく見れば、さまざまなデザインのヴィジットを羽織った女性が確認できます 本来はお尻を盛り上げて着用するので「わざと背中が跳ねる」構造なんですね ぜひ、もう一度最初の写真を見てください ピョンッと跳ねているのが分かります
フットマンの派手なコートと比べれば、同じ使用人でも求められるものが如何に異なるか一目瞭然です 装飾は一切なく、ただ背景に徹し、馬を操る 上司にあたるフットマンと共に黙々と主に仕えました 雨風から身を守るために、コーチマンの服だけには「裏地」に大きな特徴がありました
Instagramの【分解図鑑】を更新しました @kohar1nezu3 さんが製作した「ヴィジット」をアップしています ヴィジットを和装アレンジして、被布衿にデザインしています 分解図鑑では【半・分解展の型紙】を使い、皆さんがつくった作品をアーカイブしています ↓ instagram.com/demi.deconstru…
そして今回は、20世紀初頭から1945年頃までのドイツ/日本を中心に、軍服や勲章など軍事に関する服飾を研究するEduard von Arcoさんのご厚意により 明治時代の「大日本帝国 陸軍 将校の肋骨服」を特別に展示いたします こちらは13時~16時のみの展示となります ぜひ、この機会にご覧ください!
半・分解展では、1740年から1910年までの【婦人服の変遷】をじっくり、マニアックに愉しむことができます 展示品は撮影OK、触ってOK、何なら試着もOKです 7月末に福岡で展示しますので、ご興味あればお越しくださいませ HPはこちらです↓ sites.google.com/view/demi-deco…
これまでも私は、軍服風の婦人服を幾つか紹介してきました 写真1は、1890年バッスル期の婦人用「肋骨服」 写真2は、1820年ナポレオン戦争時に流行した「スペンサー」 どれも軍服のデザインを上手く取り入れて、その時代に合ったスタイルに組み合わせています 今回のクリノリンドレスも面白いですよ