151
⇨頼朝は建久元年(1190)に上洛して権大納言兼右近衛大将に任じられます。近衛大将は「京都にいる必要がある武官の最高職」。そこで頼朝は鎌倉に帰る時にこれを辞職。そして、同3年に征夷大将軍になることによって、「京都にいなくてもいい武官の最高職」となった。
152
⇨そして、平安末期には将軍の最高職は平泉の藤原秀衡も任じられた「鎮守府将軍」であり、源義仲の短期の「征東大将軍」を除くと「大将軍」はいなかった。頼朝の征夷大将軍任官は久々の「大将軍」復活だったのです。鎌倉殿頼朝にとって、この権威は大きい。
153
⇨「大将軍」については『律令』の「軍防令」に規定がある。「将軍」は一軍の長であるが、「大将軍」は三軍(この解釈は難しいので省略)の長。大将軍は部下を天皇の認可なしに処刑できるという圧倒的な権威を持つ。
154
#鎌倉殿の13人
「近年の学説では、頼朝は『征夷大将軍』を望んだわけではない」という説明は誤りではないが誤解を与えかねません。頼朝は以前より「大将軍」になることを熱望していた。そこで朝廷は複数の「大将軍またはそれに相当する職」を検討して「征夷大将軍」に決し、頼朝は喜んでそれを受けた。
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⇨「経済学等を学ぶために大学に来ている学生よりも大学卒の資格を得るために来ている学生が圧倒的でしょうし、保護者もそうでしょう」。
この発言は大学教授として失格。確かにそういう学生はいるでしょうが、それを基準にして大学教育を語るのは、真摯な学生への侮辱です。
news.yahoo.co.jp/articles/005fa…
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⇨「大学は存在目的が不明確」も不見識。大学は「学術の中心として、高い教養と専門的能力を培うとともに、深く真理を探究して新たな知見を創造し、これらの成果を広く社会に提供することにより、社会の発展に寄与する」(教育基本法)という存在目的を持っています。
news.yahoo.co.jp/articles/005fa…
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⇨例示されたことでも、バブル期の銀行の融資状況を調査し、当時の銀行員多数に聞き取りを行い、社会の経済感覚を調べ、さらに先行研究を博捜したなら、ちゃんとした論文を書くことは可能。それを「自分の体験ではこうだったのにそれを認めない大学は非常識」と断ずるからおかしなことになる。
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⇨「バブル期に銀行が無謀な不動産融資」の理由について、自分の銀行員としての体験を述べると「『証拠が無い』で片付けられてしまいます。・・まさに『大学の常識は、世間の非常識』・・(笑)」などと言っている。これも、学問ないし論文を甘く見ていますね。⇨
news.yahoo.co.jp/articles/005fa…
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なんか残念な記事。銀行を辞めて大学教員になったそうだが、やはり学問というものがぜんぜんわかっていなかったのだな、としかいえない。論文で「注と参考文献が極めて重要」であることを「『こんなに頑張っているのです』とアピール・・(笑)」としか捉えていないのは一例。
news.yahoo.co.jp/articles/005fa…
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⇨ただまあ、現在の歴史叙述は、歴史観があまりにも前面に出すぎてしまうと眉をひそめる人が多くなる、ということはありますよね。歴史観はあくまで建物の土台であって、建物そのものではない、と考えておくのがいいかと思います。
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⇨ただ、「歴史観」もまた、それぞれの時代なりの価値観に基礎を置くとともに、その時代に制約されます。21世紀前半に生きている我々は、ある程度は共通した価値観を持っているはずです(たとえば「人権尊重」など)。しかし、それは千年前の人々の価値観とはかなり異なっているでしょう。
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⇨つまり、過去の事実は無数にあります。それをすべて語ることは不可能です。歴史を語るとは、過去の無数の事実から、自分が重要だと思うものを選択し、組み合わせ、因果関係を解明し、画期がどこかを考え、体系的な流れとして再構成する。それは、「歴史観」がなくてはできないのです。
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よく誤解されるのですが、「淡々と歴史を解説(=客観的な歴史叙述)」というのは成立しない。歴史を語るには、必ず何らかの「思想=歴史観」が前提となる(史実を無視する歴史観はダメですが)。「淡々と」に近いものといえば年表でしょうが、実はその年表ですら歴史観から自由ではありません。 twitter.com/lequios_blue/s…
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#鎌倉殿の13人
「藤原秀衡は義経を擁して鎌倉との正面対決を計画したらしく、奇襲の天才である義経のこの動きは頼朝の背筋を凍らせるに充分であった。・・仮にこれが実行に移されて頼朝を屠ることに成功したとしても、奥州藤原氏と義経では鎌倉に替わる全国的な軍事体制を構築することは不可能⇨
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⇨コレ、航空写真でみるとどうみても前方後円墳。しかし実は、後円部のところに巨大な方墳が隠れており、前方部にみえるところにはほとんど盛土はない。明治時代に方墳の周りに前方後円墳形に柵をめぐらして陵墓にした。そのあと木が生い茂って今のような姿になりました。ケッタイな話です。
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昔の大学では、先生が「今日は天気がいいから外にでましょう」と言って、大学周辺を案内してくれたりした。しかし今はそんな気紛れは許されない。シラバスに書いていない校外授業はできないし、いざやろうとすると何週間も前から届け出なくてはならないし、学生への周知期間もいる。気づまりな時代です
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⇨ただ、教科書がよくできているということと、それをじっくりと教えることができる時間数が確保されているかどうかは、おのずから別問題です。そのあたりはなかなかうまくいっていないんでしょうね。
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自分の専門分野に関してだけいうと、高校の『日本史』『世界史』の教科書ってのは、もちろん欠点もないことはないですが、総じてよくできています。あれをじっくり学んでくれれば、大学の史学科で歴史学を学ぶための基礎は十分にできます。他の科目の教科書もおそらく同様のことがいえるんでしょうね。
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⇨大学では歴史をやれたらいいな、と漠然と思っている高校生のみなさん。古文・漢文・英語・数学は、ほんの基礎でもいいからやっておいたほうがいいですね。
◎日本史をやる⇨古文・漢文が必須。
◎考古学をやる⇨測量に三角関数がでてきます。
◎西洋史が面白そう⇨英語
◎やっぱり東洋史だね⇨漢文
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⇨でも、高校までに「基礎固め」をやっておくことが重要。英語だって古文漢文だって数学だって、若い時に基礎だけでもやっておけば、あとで必要になった時に伸ばすことが可能。基礎をぜんぜんやらなかった人が、大人になって必要になったから始める、ではハンパない労力がかかるのです。
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「高校では三角関数より金融経済を教えろ」と国会で発言したアホ議員が話題になっていますが、それに対して「三角関数の重要性がわかっていない」と非難するのはいいのですが、それに加えて「削減するなら古文漢文だ」と付け加える人が多いのは何でしょう。同じ穴のムジナになってしまうと思うのですが
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#鎌倉殿の13人
⇨守護・地頭の設置の勅許が鎌倉幕府にとって大きかったことはまちがいないし、学界でもこれをもって鎌倉幕府の成立とする説が有力なのも確かです。しかし、「幕府が全国を支配した」「朝廷は無力化し幕府の優位が確立した」「幕府が全国政権になった」と信じ込まれるのが困るのです。
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#鎌倉殿の13人
守護・地頭の設置と「畿内をはじめ西国諸国を我らが治め」るは、歴史学的にいうとぜんぜん違うんだけどな、とつぶやいてしまうと、また、学者は重箱の隅をほじくるな、創作は創作として楽しめ、フィクションに史実を持ち出すなんてヤボなことはするな、と非難されるんだろうな・・😰。