5年4ヶ月の「衛星人生」の最後に、東日本大震災の観測という大仕事をやり遂げた、地球観測衛星「だいち」。津波被災範囲の特定したり、巨大地震が東北地方全体を同心円状に移動させたことを明らかにするなど、多大な貢献をしました。 「だいち」シリーズは引き継がれていかなければなりません。
12年前、東日本大震災の被災者を救援するべく、寿命を超えて被災地を撮影し続けた地球観測衛星「だいち」。その年の5月に電源が故障し、使命を終えました。 光学センサーの後継機「だいち3号」はなかなか計画が認められず、先日H3ロケットでの打ち上げに失敗。 12年間、災害観測の支障が続いています。 twitter.com/ohnuki_tsuyosh…
地球観測衛星「だいち」は「土地が津波に覆われているか」といった状況を観測し、被災者がどこに何人いるか、救援をどこにどれだけ差し向けるべきか、といった計画指揮に役立ちました。 新型の「だいち3号」は性能向上で、「どの道が通行可能か」などの推定もできます。 twitter.com/ohnuki_tsuyosh…
このような災害観測に不可欠な地球観測衛星は、2011年5月に「だいち」が寿命を超過して機能停止した時点で後継機がなく、観測不可能な状態になりました。2014年に、「だいち」のレーダー観測機能を引き継いだ後継機「だいち2号」が打ち上げられましたが、光学観測機能の後継機は認められませんでした。
光学観測機能を引き継ぐ「だいち3号」は計画の遅れに加え、新規開発のH3ロケットで打ち上げることになったためロケット開発遅れでさらに2年遅れ、先日H3ロケット試験機打ち上げられましたが、打ち上げに失敗していましました。
東日本大震災の教訓から、性能向上して開発された「だいち3号」ですが、その重要性とは裏腹に計画は後回しにされ、打ち上げ失敗によって何年の空白期間ができるかすらわからない状況になっています。 地球観測衛星は切れ目なく運用するよう、計画的に整備するべきだと思います。
1枚目は「だいち」が撮影した、東日本大震災によって東北地方で同心円状に発生した地盤沈下のレーダー画像。 2枚目は、「だいち」の光学カメラが撮影した、津波浸水の震災前との比較画像。 後者の撮影ができる衛星は、2011年5月以降、日本にありません。 twitter.com/ohnuki_tsuyosh…
情報収集衛星があるではないか、と思う方もいると思いますが、情報収集衛星と「だいち3号」は目的に応じて最適化された性能になっており、災害時には「だいち3号」の方が役に立ちます。 また法制度上も、情報収集衛星は災害時には利用が困難です。 twitter.com/ohnuki_tsuyosh…
それに、大規模災害時には1機の衛星だけでなく、多数の衛星で迅速にくまなく撮影する必要があります。東日本大震災では世界各国から、衛星による観測支援を受けました。 日本で起きる次の災害に「だいち3号」が必要なのはもちろん、世界への恩返しもしなければなりません。
衛星としての寿命を超えた5年4ヶ月にわたって働いた「だいち」は、その最期に深く傷ついた母国の大地の撮影に力を使い果たし、今も静かに地球を回り続けています。 「だいちを継ぐ者」が宇宙に昇ってくるのを、12年間ずっと待っています。
H3ロケット、「だいち3号」などJAXAへの応援メッセージは、こちらのページの一番下の「JAXAお問い回せフォーム」から送れば、プロジェクトチームに届きます。 応援の言葉こそ、チームの皆さんの一番の励ましになるでしょう。また応援件数は、計画の後押しにもなります。 fanfun.jaxa.jp/navigator/
H3ロケットは試験機の打ち上げに失敗しましたが、2号機は既に種子島宇宙センターにあり、原因究明と改良が行われ次第、続々と打ち上げられる予定です。 しかし、「だいち3号」後継機の打ち上げ計画は2028年なので、この計画を繰り上げなければ、「だいち」後継衛星は17年間も途絶えてしまいます。
ぶっちゃけ、僕は衛星よりロケットにキャッキャするガキのような大人だが、だからこそH3ロケット打ち上げ失敗には「大変だけど頑張れ!」と前向きな応援の気持ちしかない。 心の底から悔しく、歯軋りする思いなのは、「だいち3号」が失われたことの方だ。
巨大な災害に見舞われて、「助けて」の声も上げられない、伝えられない人達を、宇宙から見つけ出すのが、地球観測衛星「だいち」シリーズの仕事。日本に絶対に必要な衛星です。
東日本大震災のような状況で、 「あなたの電話が通じなくても、あなたが苦しんでいることに気付いているよ。あなたが手を振れなくても、あなたを助けに行くよ」 という目になるのが、地球観測衛星「だいち」シリーズの仕事。 よみがえれ、だいち。
これが、「だいち3号」の予算が後回しになってきた理由です。 「光学衛星は晴れの日じゃないと撮れないから、衛星は要らないよね。あなたの家族が死んだときは晴れてたけど、しょうがないよね」 twitter.com/mayaqf/status/…
レーダーを搭載した「だいち2号」が優先されたのは、雲があっても観測できるため、災害発生直後に確実に被災状況を把握できるから。ただ、レーダーで見えることと、光学カメラで見えることは違うので、両方あった方がいい。
そこで、光学カメラを搭載した「だいち3号」に続いて、レーダーを搭載し「だいち2号」の後継となる「だいち4号」がH3ロケット2号機で打ち上げられる。3号と4号がセットで運用される計画だった。
「撮れない可能性も高い光学観測衛星は要らない」という判断を、現在の政府はしていない。「両方ある方がベター」と考えて予算を付けている。それをも否定するのかな。
以前に聞いた、宇宙で折られた折り鶴の話。 東日本大震災の直後、国際宇宙ステーション(ISS)を完成する世界各地の宇宙センターで、折り鶴が飾られた。その映像を見たISSの宇宙飛行士が、「自分達も折りたい」と言い出した。
かくして、ISSで折られた折り鶴は、偶然ISSに係留されていた日本の宇宙ステーション補給機「こうのとり」に搭載され、地球の大気へと消えて行った。
折り鶴を飾った、NASAとESAのコントロールセンター
飽和攻撃の意味を勘違いしてる… ×:甘い照準で大量に撃ち込む 〇:敵の迎撃能力を上回る数を撃ち込む twitter.com/japanesepatrio…
若田さん搭乗のドラゴン宇宙船、無事メインパラシュートが開きました。お帰りなさい!
H3ロケットの開発主体はJAXAで、H3ロケット試験機にALOS3を搭載する判断をしたのは文部科学省と宇宙開発戦略本部なので三菱重工の判断ではないし、ALOS3が失われても三菱重工の直接的な損失はない。MRJの件とは状況が全く違う。 twitter.com/masa_0083/stat…