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『三省堂現代新国語辞典』の小野正弘主幹がイベントで「『ばえる』は新聞の見出しにもなっている」と紹介。同席した私は「これは『はえる』かも」と思いましたが、毎日校閲が検証記事。恐れ入りました。|新語大賞の「映(ば)える」、新聞で使ってた? mainichi-kotoba.jp/blog-20181215 @mainichi_kotobaさんから
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「#午前0時の森」のトークでうれしかったのは、『三省堂国語辞典』第8版の「恋」の〈満たされない気持ち〉にうなずいていただけたこと。「飯間さんが書いたんですか」と聞かれましたが、文言は最終的に全員で判断します。個人の主観でなく、ことばの歴史的な変遷を踏まえた結果、こうなったのです。
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「四字熟語」というのは大量にあると思われていますが、実は日本語の中で使われるものは限られています。「四字熟語辞典」が分厚いのは、漢籍でしか使われない語などが大量に入っているからでしてね。私の『四字熟語を知る辞典』は、まさに知っておくと使える四字熟語だけを選んだところが売りです。
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同居婿の意味の「マスオさん」を『三省堂国語辞典』は載せています。すごいでしょう――と言いたいところですが、実は『大辞林』第3版(2006)のほうが早く載せていることは指摘しておきます。『三国』が載せたのは第6版(2008)から。後には『三省堂現代新国語辞典』にも載っています。
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高齢者を指す「シルバー」の語源はシルバーシートから、と言っても差し支えないとは思いますが、その前史も無視してはならないと、杉村さんの指摘を受け止めました。「国鉄で高齢者(関係のもの)を『シルバー』と呼ぶことが以前からあり、『シルバーシート』を機に普及した」と言えば正確でしょうか。
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先代林家三平ではありませんが、自分自身で小話のオチ解説をしたのと同じような具合になりました。やぼですみません。
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星野源「うちで踊ろう」の〈重なり合うよな〉〈嘲り合うよな〉の「よな」は古風なことばで、「ような」の意味です。「よな」については、昨年、坂本冬美「祝い酒」の〈吹けばとぶよな〉の例を呟きましたが、ポップスでも使われるんですね。たとえば、懐メロで前田亘輝「そばにいるよ」にもあります。
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『日本国語大辞典』では「押しも押されぬ」は「押しも押されもせぬ」と同義語扱いにしていて、特に誤りとはしていません。最近、脚本家の方に「ドラマで『押しも押されぬ』を使って、誤用との指摘を受けた」とのお話を伺ったばかりですが、「べつにいいのでは」という考えに傾いています。
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山手線新駅の件の記者会見にあたっては、会で文案を準備していますが、闘争色はないものになりそうです。私個人は「敵を作らない」「人々の好みを尊重しつつ、好みだけで議論しない」といった姿勢が大事だと考えます。多くの人が、「それは確かにそうだよね」と納得できる方向に行けば理想的です。
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パセリはそもそもセリ科で、「オランダ芹」の異名もあります。だから、「パ芹」「葉芹」と解釈するのも無理からぬところがあります。一方、ハゼリソウ科の「葉芹草」という植物もあってややこしい。葉芹草は、もちろんパセリとは別物で、食べることもないと思います。
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その後、菊池良さんが「了解は失礼」説が2011年からウェブ上で広まったと検証。髙橋・東泉・佐藤各氏が、2000年代のマナー本でOK説・NG説が拮抗、2011年にNG説が優位になったと考察しました。「了解は失礼」が最近広まったことが明らかになりました。liginc.co.jp/246919 pj.ninjal.ac.jp/corpus_center/…
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「三省堂 #今年の新語2020 」の候補語を募集します。今年あたりから広く使われだして、将来国語辞典に載るかもしれない語を選びたいのです。まずはどうぞ気楽に、最近よく見る、よく聞くことばをお教えください。公式のツイートにもあるように、今年はコロナ禍関連のことばが多いですね。〔続く〕
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平井大さん、インタビューに答えて〈愛するパートナーと一緒に生活する上で〉〈最愛のパートナーと生活する日常というのは〉。恋人、配偶者をひっくるめてごく自然に「パートナー」というのは普通になってきた感じがありますね。
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「批判と誹謗中傷の違いが『人格尊重の有無』とは、辞書にも書いていない」という趣旨の意見も。批判と誹謗中傷は、「寒い・暑い」のような対立概念ではないので、直接的な説明は辞書にないかも。それで、私は、学会の質疑応答の場合を典型例として、人格尊重の有無が両者を分けることを説明しました。
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新駅名の決定に際して、飯間らは当局に再考を求めましたが、もはや事実上不可能です。ただ、公共財である駅名は、今後とも利用者の支持が得られる決め方をすべきだという考えのもとに、ゆるいイベントを行っています。なお、駅名決定時の見解は以下の提言に詳しいです。cek.hatenablog.jp/entry/2019/03/…
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そうは言っても、べつに『広辞苑』は近現代語が手薄とか、『大辞林』は古典語が苦手とかいうのではありません。どちらも全般に詳しいのですが、『広辞苑』は古典語の変な単語まで異様に詳しく、『大辞林』は近現代の硬質な語を異常に好むようだ、ということです。あくまで私の印象批評です。
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「見くびっては困る」という表現を見た人から「見くびってもらっては困る」の誤りではないか、とのご質問。面白いですね。たしかに後者をよく聞きますが、固定した言い方ではなく、また、いったん固定しても、他の言い方が許されないわけではないので、「見くびっては困る」でもいいでしょう。〔続く〕
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「平成」「令和」の発表記者会見を見比べると、雰囲気が違って面白いですね。「平成」の時は、発表と同時に記者が騒然、資料を求めて立ったり座ったり。質問も、珍問も含めて続々出て、小渕長官も気さくに答える感じ。「令和」の時は、記者たちは行儀よく統率が取れ、型どおりの質問が2問だけでした。
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『三省堂国語辞典』第8版の「自分」の解説文、ほんとに作曲してくださった。ありがとうございます。なぜか勇気出てくる。タイトルはやっぱり「自分」ですかね。 twitter.com/cl6ck/status/1…
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夏目漱石がI love youを「月がきれいですね」と訳した説はガセ?出典をめぐる検証が興味深い togetter.com/li/1948142 #Togetter