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興奮する私につられて興味を持った彼女(妻)は「それで何と呼んでいるの?」と聞いてきた。「時間並進対称性の自発的破れだよ」と答えると,彼女は「そんなのダメよ」と返した。「時間結晶と呼びましょう」(F. ウィルチェック,日経サイエンス4月号より)
twitter.com/ayafuruta/stat…
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2月25日発売の日経サイエンス4月号の特集は「時間結晶」です。時間結晶って何でしょうか。時間が凍り付いたように止まった物体? そうではありません。
nikkei-science.com/202004_027.html
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グーグルの量子コンピュータが世界最速のスパコンを超えた「量子超越」,明日12月25日発売の日経サイエンス2月号で特集します。nikkei-science.com/202002_029.hml
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「IBMと東大が量子コンピュータの研究開発で提携」の件,記者会見に行ってきた。IBMは2020年,日本に量子コンピューターの実機2台を持ってくる。1台は東大の本郷に置いてハードの改良実験に,もう1台はIBMのサイトに置いて量子ソフトのRUNに使う。
nikkei.com/article/DGXMZO…
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これはまずいよ。本当にまずい。
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掛け算の順序強制は,小学生に掛け算の概念を教えるための一時的な方法だという段階を超えており,本当に「正しい順序がある」と信じている大人が少なからずいる。教えた通りでない順序にバツをつけ,間違っているとして点を引き続ければ,そうなるのが自然だと思う。
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藤井啓祐「驚異の量子コンピューター」(岩波書店),この分野を取材している記者に薦めたい。薄い,正確,数式がない,そして情報が新しい。この分野はここ数年の変化が速く,「今の」量子コンピュータの一般向け解説書は他にほとんどない。うちから出せなかったのが悔しい。
iwanami.co.jp/book/b482331.h…
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量子コンピュータの実験が始まって25年だが、日本の遅れが目立ち始めたのは「量子コンピュータは実現できない」って悲観論が台頭し国プロがいったん途切れた2014年以降のこと。この分野はそれほど甘くなく、まだゴールまで20~30年はかかるんで、間に合わないってことはない。
twitter.com/Historyoflife/…
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Googleの量子コンピュータがランダム量子回路計算でスパコン「サミット」を超えた件、ようやく論文が出た。
論文:nature.com/articles/s4158…
Googleの発表:ai.googleblog.com/2019/10/quantu…
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ただし有用性でスパコンに勝ったわけでは全然ない(そもそも有用な計算はしていない)。今後は、量子でスパコンに勝てる有用な問題を誰がいち早く探し出すかという競争になる。海外ではすでに始まっている。
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日経がしびれを切らしたか。グーグルの量子コンピュータが世界トップのスパコン超えを実証した件(量子スプレマシー)。査読中の論文が1か月前にネットに流出し、世界中で報じられた。日本のメディア大手はこれまで静観していた。
nikkei.com/article/DGXMZO…
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ノーベル生理学・医学賞の速報解説を書きました。
nikkei-science.com/?p=59820
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『アインシュタインの夢 ついえる:測っていない値は実在しない』を読んでもっと理解したいと思った人のための補足解説」第2版公開しました。「確率の解釈についての諸説」「量子論における確率の解釈」「波動関数のよりよい解釈を求めて」「負の確率の弱値解釈」の章を追加 nikkei-science.com/201902_064.html
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研究開発を削っても、「ITなどの新技術を使った」公共事業を増やせば、統計上は「科学技術予算が増えました」ってことになるわけか。悲惨だ。
mainichi.jp/articles/20190…
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内閣府は今年度から「公共事業などもITなどの新技術を使えば科学技術予算に含められるようにした」。来年度は「科学技術予算が初めて4兆円を超えた」が、集計方法の変更による「かさ上げ分は公表しない」。もはや科学技術予算の数字は、勤労統計並みに当てにならんなあ。
mainichi.jp/articles/20190…
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「花が集塊するブロッコリーは、長く冷蔵庫に入れておくと蕾が開花してしまい黄色くなったりするが、カリフラワーは白いまま。幹細胞なのだから、咲きようがないのだ」。おお、あれは幹細胞を食べてるのか。鳥居先生 @KeikoUTorii の植物エッセイ@webronza 面白い。
webronza.asahi.com/science/articl…
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「キャベツ、カリフラワー、ブロッコリーにロマネスコ。芽キャベツ、ケールにコールラビ 。実はこれらはすべてヤセイカンラン(野生甘藍)という学名の、アブラナ科の同一種である。 『姿も形も味も違う』と思うかもしれないが、種としては一つのものなのである」。へええ。
webronza.asahi.com/science/articl…
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70代になって、90代のお母様を介護をするようになってからも、どう見ても大変そうな毎日を「朗々介護」と呼び、エッセイに書いた。バイタリティの塊のようだった米沢先生は、80年の生涯を、最後まで走って終えたんだと思う。
nikkei.com/article/DGKDZO…
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先生に再びお会いしたのは四半世紀たった2015年、女性科学者に贈られる猿橋賞の授与式である。先生はけがをして杖をついておられたが、スピーチの冒頭、「人間は2本足ですが、3本になるとやはり安定いたします。物理的にもそうなんです」と話して会場を沸かせた。
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先生は「結婚しても、子供を産んでも仕事を諦めないで。きっと道はある」と懇々と話した。事情は人それぞれだ。だが育児をしない男性(でも非常に開明的な人だったらしい)と家庭を持ち、3人の子を育てつつ物理の教授となり、後進を指導してきた先生には、きっと口惜しくてならなかったのだと思う
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そのころ物理科の卒業生の一人の結婚が決まり、家庭に入ってほしいという夫君の希望で退職することになった。これを聞いた先生は、物理科にいた私たち10人足らずの女子学生をお茶に誘った。そんなことは初めてだった。
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学内でも特に目立っていたが、あれは先生の戦闘服だったのかもしれない。女性の中でも小柄な先生が、男性ばかりの物理学の世界で、背の高い欧米人にも伍して議論し、キャリアを築いていくための。
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米沢冨美子先生が亡くなった。大学時代は同じ物理科棟の1階上にいらして、髪をパーマで高く立ち上げ、いつもピッと背を伸ばし、かかとの高いハイヒールを履いてタッタッと速足で歩く姿を、よくお見かけした。