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生物実験に動物の殺生は避けられない。実際手を下している研究者たちこそ,それを重く受け止めていることを,STAP取材で初めて知った。使われたマウスの記録を熱心に調べた人,「意味の無い実験でマウスが犠牲になる」と検証実験に反対した人。動物実験の経験のない自分には見えていなかった部分。
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STAP問題で大臣が「論文が取り下げられてもSTAP細胞そのものの存在が否定されたことにはならない」とか「再現を検証するという意味では小保方さんなしでは年数がかかる。能力のある人に協力してもらって、ベストの状態で検証することが重要」とか発言したことは,科学にとってマイナスだと思う
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「論文は捏造だったがSTAPはあるかもしれない」というメッセージを大臣と理研が発信し続けたことは,すごくまずかった。研究者が新たに論文を出し直すのはもちろん自由だが,捏造論文は撤回でおしまいにするのが,研究機関の責任だと思う。
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本日、日経サイエンスに帰ってきました。前回書き込んだ日から732日目、ちょうど2年ぶりです。またよろしくお願いします。
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留守にしていた2年間の最大の科学ニュースは何かというと、重力波の観測でも、ノーベル賞の連続受賞でもなくて、米国にトランプ政権ができたことだと思います
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しばらく新聞の科学技術部でデスクをやっていましたが、日経サイエンスに戻ってくることが決まったとき、最初に思ったのは「トランプ政権下の科学について特集しないといけない」でした。
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私が知る米国は、ずっとダントツの科学大国でした。開かれた研究環境と厚遇で世界の頭脳を吸い上げ、ベンチャーを作り、バイオとIT産業を生み、軍事的な優位を保ってきた。それが米国の戦略だと思っていましたが、一夜にして変わってしまった。
twitter.com/ayafuruta/stat…
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科学を無視する人が権力を持つと、凄いことが始まる。気に入らないテーマの成果発表は禁じられ、気候変動に関する政府のページは削除され、環境保護局の広報はずっと留守電のままだという。
twitter.com/ayafuruta/stat…
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もしかしたら、政治と科学の関係が根本的に変わってしまうかもしれない。米国は国際共同研究の中心なので、米国が沈めば世界の科学が沈む。うちは科学オタク雑誌で、これまで政治ネタはやってきませんでしたが、今回は別だと思いました。
twitter.com/ayafuruta/stat…
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取材してわかったのは、米国の変貌はトランプ氏だけが起こしたのではないということです。「科学の進歩で国が豊かになる」という図式が、もう国民皆に共有されていない。その原因は科学自身がもたらした人と情報のグローバル化と、ネットの普及にある
twitter.com/ayafuruta/stat…
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私も含めて科学サイドにいる人間の99%は、科学の進歩によって知を積み重ねることは人類全体のためになると信じて疑わないと思う。でも、そう思っていない人は、おそらく私たちが想像するほど少なくない。
twitter.com/ayafuruta/stat…
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解決策は全然見えませんが、米国の科学にいま何が起きているのか、なんでこうなったのかを探ることに全力を挙げました。7月号「トランプvs科学」
nikkei-science.com/page/magazine/…
twitter.com/ayafuruta/stat…
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川合智之氏の現地報告、国際政治学者・鈴木一人氏/外務大臣科学技術顧問・岸輝雄氏/科学史研究者・塚原東吾氏へのインタビュー、物理学者ローレンス・クラウス氏の論考、滝順一氏の解説を掲載
nikkei-science.com/page/magazine/…
twitter.com/ayafuruta/stat…
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トランプ政権の誕生はネットの影響抜きには語れません。長倉克枝氏がSNSがもたらすコミュニケーションのタコツボ化を解説。関連でクアトロチョッキ氏によるネットが陰謀論を増幅する仕組みを併載
nikkei-science.com/201707_050.html
twitter.com/ayafuruta/stat…
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しかし、この特集のために夜中に黙々と作業してると、焦燥感と絶望感と信じられんという気持ちが混ぜこぜになった、何とも言えない寒気が襲ってくるのでした。科学特集を作っているときの高揚感+「物理ワカラネー」という焦りとは全然違って、ツイッターの雑談で紛らすこともできなかった・・・
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内閣府ImPACT山川プログラムが「XXで脳が若返る可能性」と発表した件。新聞の小さなコラムで最初に問題を指摘した遠藤智之記者に,取材の経緯と何が問題なのかをまとめてもらいました。
「科学にただ乗りする”イノベーション”創出」
nikkei-science.com/?p=53401
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トランプ政権の予算教書における科学研究予算,全米科学財団(NSF)は前年比11%減,米疾病対策センター(CDC)17%減,米環境保護局(EPA)31%減,国立衛生研究所(NIH)の18%減,米航空宇宙局(NASA)は横ばい。
nikkei.com/article/DGXLAS…
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トランプ氏は「私はパリでなくピッツバーグを代表するために選ばれた」と演説したが、ピッツバーグ市長はすぐさま「ピッツバーグの80%はクリントンに投票した。世界とともにパリ協定を遵守する」とツイート。twitter.com/billpeduto/sta…
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TLで話題になっている件,「免許制度というのは、すべて供給制限のためのギルドなのです」という主張に疑問を感じるなあ。医師,獣医師,弁護士,薬剤師などが免許制なのは,提供されるサービスの質を消費者が判断できないため普通の競争原理が働かず,その中で一定の質を確保するためだと思うんだが
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科学実験の論文で最も重要なのはデータが正しく記載されていることであって,論文全体の結論が正しいことではない。そもそも結論が正しいかどうかなんて,論文発表の時点では普通はわからない。
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再現しました!江戸時代の紺青。
化学者の山猫だぶ@fluor_doubletさんが当時の製法で豚のレバーから作り、画家の浅野信二@asano_shinji さんが描いてくれました。
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うーん、量子アニーリングマシンを量子コンピュータと呼ぶのは、そろそろやめたほうがいいような気がする。D-Waveは量子コンピュータと読んでるし、アニーリングマシンという言葉になじみがないので別種の量子コンピュータだと説明してきたけど、混乱が半端ない
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本日発売の日経サイエンス10月号の第2特集は「若冲の科学」です。若冲って,あの鶏の絵の若冲? 科学と何か関係あるの? と,私も思っていました。数カ月前までは。
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企画のきっかけは,美術ライターの橋本麻里さん @hashimoto_tokyo に素晴らしい博物画の写真を見せて頂いたことです。本物と見紛うばかりの鯛の図は,鱗の1枚1枚に雲母が貼ってあるといいます。これが江戸時代に,高松藩で作られていたというのです。
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若冲といえば数年前,『動植綵絵』の「群魚図」の隅に描かれたルリハタの絵に,当時日本に入ってきたばかりの人工顔料プルシアンブルーが使われていたと判明して話題になりました。それまで日本で絵画に使った最初の例は平賀源内だと思われていましたが,実は若冲の方が5年以上早かったらしい。