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どうして弱い人の気持ちが分からないのだろう。さまざまな事情があって、世帯主と連絡取れない、取りたくない人はたくさんいる。別居中の人、DVに苦しむ人、あるいは両親の不仲な人など、そうした人にこそ、この「10万円」は不可欠なのだ。すべての家族が良好な関係を持っているとは限らない。 twitter.com/kyodo_official…
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この若者が自治体の再生に選んだ選択肢が「文化」であることに並々ならぬ才能を感じる。この小さな村に「活気」だけでなく、よき意味での「誇り」すら生むだろう。 twitter.com/afpbbcom/statu…
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ちょっと怒っているので、もう一言だけ付け加えておく。今、10万円が本当に必要なのは、病や境遇など、さまざまな理由で申請ができない人たちであることさえも分からないのなら、もう今の仕事にたずさわるのはやめた方がよい。心の「痛覚」を人生のどこかで手放したのだろう。 twitter.com/yomutokaku/sta…
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朝日新聞の記事から、尾身会長の言葉。《「確かに1カ月未満に、ステージ3に近づけるということは簡単ではありません」と認めた上で、「しっかりと頑張れば、1カ月以内でもステージ3にいくことは可能だと思っています」と述べた。》もはや、科学の面影すらない。
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大坂なおみさんは、語るべきことを語るべき場所で語り、期待されている以上の実績を残した。正義はいつも、ある勇気を必要とすることを改めて教えられた。亡き者たちに護られているかのような姿でもあった。
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「調査に答えた学生の13人に1人が、大学を辞める検討を始めていると回答するなど、多くの学生が経済的に厳しい状況にあることが浮かんだ」⇒hokkaido-np.co.jp/article/414750
くどいようですが、状況は大学関係者が考えているよりもずっと深刻だと思います。対応を具体的に急いだほうがよいと思います。
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バイデンの大統領就任式で、若き詩人アマンダ・ゴーマンが自作を朗読した。本当に素晴らしかった。こうした場で詩が読まれるのは伝統的なことだが、この困難な時期に詩が、これほどのちからを持つことに改めて驚かされた。アメリカは困難も大きい。だが、それを潜り抜けてくる言葉もあるのだ。
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私たちは、自分が本当に「弱い」存在であることをもう一度噛みしめてよい。自分の力で生きてきた、そう思うときは、単に自分を支えてくれている働きが見えていないだけなのだ。人は、自分が知らない人によっても、むしろ、そうした人たちによって支えられている。弱くてよい。それが人間だからだ。
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誰かを驚かせるような文章は書かなくてもよい。だが、どんなに小さくても自分を驚かせる言葉をつむぐのがよい。自分を納得させる言葉ではなく。自分の書いた文章の、最初の、最も熱き読者は自分ではないか。私は、こんなことも大切に思っていたのかと、己れの眼を開く言葉を、密かに世に生むのがよい。
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何かを愛するとは、ある存在をそのままの姿で受容することだ。ある側面を「好む」ことではない。「好き嫌い」と「愛」との差はここにある。愛読するとは、その作品を高く評価することではない。評価と愛はまったく違う。自己評価などしなくてよい。己れは、真の意味でただ愛するほかない存在なのだ。
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私が書いた言葉を
あなたの胸の熱で
溶かして下さい
文字の姿が消えて
語り得ない
意味だけが残るように
私が語った言葉を
あなたの胸で
抱きしめてください
音の姿が消えて
耳には聞こえない
響きだけが残るように
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飛行機といい花火といい、ある歴史を知る者たちには、背筋が凍る現象だろう。こうした華々しい現象のあとに、歴史は、じつに耐えがたい日々を刻んできた。全体主義という呼ばれることになる体制が、一つの「武器」として用いる手段だからだ。この国にはまだ、こちらの「免疫」もできていない。
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今週、来週のNHK・Eテレの「こころの時代」は「問われる宗教と“カルト”」という問題をめぐって、私を含め6人の宗教者、信仰者、研究者が討論した内容が放映されます。ダイジェスト版も9分強が2本という異例の展開になっています。
1本目➾youtube.com/watch?v=sUO8lm…
2本目➾youtube.com/watch?v=0-WpT8…
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話にならないが、まずは正しいマスクの付け方からだな。⇒www3.nhk.or.jp/news/html/2020…
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どんな場所であれ、自分を評価してくれる人を探すのは、ほどほどにした方がよい。評価の眼はいずれ、違う人を見るようになる。「よい人材」が、数年後にはまったく顧みられなくなるのが現代ではないのか。人を愛し、仕事を愛せればそこに、評価とは別な、本当の価値と重み、そして意味を見出すだろう。
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高校生のとき、夏休みに中学生の家庭教師をして「バイト代」を稼いでいた。16歳から何かに強く動かされるように本を読み始めていたので書籍代などが必要だった。故郷にいるとき、どうしても上野の西洋近代美術館で行われている絵画展に行きたいと思った。赴けば稼いだものは消える。
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書物や芸術に多くふれながら、優劣を評価するのに忙しく、愛することを知らない日々が、どれほど貧しいかは、書物や芸術を「己れ」に置き換ればよく分かるだろう。評価の眼はいつも比較して見ているが、愛の眼はそのものを見る。評価の声は、いつも時代的で冷たいが、愛の言葉は古びることがない。
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こんなときですから、念のため書いておきます。悪が、私たちから奪おうとするのは「自由」「意味」「希望」「信頼」「美」「価値」(非貨幣的価値)などです。全ては保持できません。しかし、どれか一つでも、身に近く引き寄せることで人は生き続けられる。フランクルの『夜と霧』とはそういう話です。
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世界のリーダーたちが肉声をもって、広島と長崎の苦しみと痛みを語り、強い畏敬の念とともにその歴史に対峙しているのに対し、この国のリーダーは、準備された、それも酷似した言葉を読み上げるだけだったという。その言葉を死者たちが、どのような思いで聞いているのかなど考えたこともないのだろう。
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多く読むのもよい。しかし、深く読むのにも別の味わいがある。ひと月に10冊読むのもよいだろうが、ひと月を費やして一冊の本と向き合うことができれば、言葉との関係はまったく変わったものになるだろう。本から情報を得るだけではもったいない。私たちはそんな風に人とつきあったりしないではないか。
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本を熟読する理由が、作者の考えをよく理解するためだけだとしたら、実にもったいない。読むとは、書き手さえも気が付かない何かを発見することだからだ。そして、書くとは、意識だけでだけなく、今という時と、心の奥にあるもののはたらきに支えられながら言葉を生むことにほかならないからだ。
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「(ほんとうに自分がやりたいこと、なすべきことにささげようという)決心をするとき、人のこころには『もうよけいなことをしている暇はない。なるべく自分にとって本質的なことをやろう』いう思いが満ちあふれていることであろう。」神谷美恵子『こころの旅』にある一節だが、本当だと思った。
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何らかの成果を出さねば優れた人にも、すごい人にもなれないだろう。しかし人は、存在しているだけで貴く、また尊いのではないだろうか。現代社会は「とうとさ」を見失った。この実感を取り戻さないかぎり、人間の価値はいつも比較のなかでのみ決定されることになる。貴さとは唯一性の異名でもある。
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ある時期まで、数字は嘘をつかない、数字で話をしよう、という言葉が、まことしやかに語られていた。だが、少なくとも私の生涯で、今ほど数字を信用できない時代は、かつてなかった。数字は簡単に操作され、簡単に利用される。数字を悪用する人たちもいる。このことは忘れずにいたい。
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学ぶとは、自分に何かできるのかを発見していく道程だが、その道を歩くには「できない」と感じる日々を過ごさねばならない。別ないい方をすれば、真に「できない」と感じることができれば、人は、時のちからに助けられて「できる」ようになっていく。「できない」とは「できる」始まりなのである。