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「10万円」を辞退することが美徳であるかのような風潮が、改まっていくのを願わずにはいられない。国民である以上、もらって、その人から見て、最も行き届かない人たちのために働く人たちに黙って寄付すればよいではないか。百歩ゆずって辞退するのもよい。それなら黙ってすればよいではないか。
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福岡市が、とても大胆な決断をした。「県の要請や依頼を受けて休業する市内の中小、小規模事業者の店舗賃料の8割を支援する」というものだ。今、日本では地方行政がその意味を取り戻し、行政と国の関係が変わり始めているのだろう。友人たちも、少しだけ安堵したようだった。⇒nishinippon.co.jp/item/n/600364/
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今、全国民が、石牟礼道子さんの『苦海浄土』を読んだらいいと思う。苦しむ人はいるのに「患者数」は増えない理由も、因果関係がないという言い逃れも、少額のお金で「いのち」にケリをつけようとする態度も、そして、批判する人をおとしめる動きをつくることも、今と全く変わらないのに驚くだろう。
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どうしてこうした基本的な情報が、日本のメディアから流れてこないのか。そちらの方が心配になる。 twitter.com/bbcnewsjapan/s…
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いつからか、この国は「能力」を評価し、そこに意味と価値があると考えるようになった。それは仕事上だけでなく、教育の現場にまで巣食っている。私たちは、もう一度「存在」の意味と重みを学び直さねばならない。「存在」はつねに、評価の次元を超えて尊ばれなくてはならない。
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「休業に対して補償を行っている国は世界に例がなく、わが国の支援は世界で最も手厚い」と発言した人物がいるらしいが、多分、嘘をついているのではなく本当にそう思い込んでいるのだろう。そう報告されてもいるのだろう。すなわち、自分で考える事がもうできていないのだ。私は何よりそれが恐ろしい。
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若い頃、私は何かを成し遂げた人たちを羨望のまなざしで眺めていた。しかし今は、そうしたことにほとんど関心がない。今は、何かを真剣に愛し、そして、悲しみを経験した人たちの言葉を、言動を信頼している。人生は思うようにならない、という地平を生きる者たちに深い畏敬の念を抱いている。
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昨日、この動画を見てから言葉がない。今も語る言葉を見つけられない。ただ、この31歳の男性が語っている言葉は、「敗者」の言葉ではなく、賢者のそれであることは分かる。こうした言葉に遭遇した、この16歳の若者はもう、昨日までの彼ではいられないだろう。 twitter.com/avril24th/stat…
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コロナ危機になってからずっと怒っているような気がする。私憤に流されまいと、自分を鎮めてきたが、怒りを感じなかった日はなかった。真実とか誠意とか真摯という態度を、片っぱしから愚弄してきたこの国のありように、あるいはその手先になっていることに何の疑問も持たない人々にずっと怒っている。
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ある政治家の会見を見た。いたわりの言葉なく、痛みに寄り添う姿勢もない。ただ命令と指示だけがある。この国のあちこちで同質のことが起こっている。市井の人々が、どれだけの犠牲を払い、苦しみと不安を抱えて毎日を送っているのかを、こういう人たちは知らない。愛とまではいわない。想像力の欠如。
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どうして私たちは、こうした言葉を自国の政治家から、その人自身の声として聞けないのか。台湾は面積としては小さな国だが、その影響力はすでに甚大だ。真に自国を愛することと、真の国際性とは、けっして矛盾しない。蔡英文にはすでにアジアのリーダーといった風格がある。もっと学ばねばならない。 twitter.com/iingwen/status…
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人は、誰かが望む「人材」になるために学ぶのではない。その人自身になるために学ぶのだ。世にただ一人の「人間」になるために学ぶのだ。私は「人間」と「人材」を区別できない者を怖れる。よき「人材」の基準は時代状況によって決まるに過ぎない。若者よ、「人材」になってはならない。「人間」たれ。
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「AIは人間を超えるか」という論議を聞くと辟易するのは、それを語る人が、じつにAIの機能に詳しい一方で、人間とは何かの認識が、驚くほど浅薄なことが多いからだ。人間とは何か、これは哲学の歴史と同じくらい古く、そして今も謎である問題だ。私たちはこの現実をもう一度噛みしめてよい。
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仕事もせねばならないが、香港のことが心配でならない。ジミー・ライ氏も、アグネス・チョウ氏も。彼、彼女らは、自分たちの闘いが自国内に留まらない歴史的なものであることを熟知している。香港の闘士たちの姿には、ガンディーとその同士たちの姿が重なってくる。無事を祈らずにはいられない。
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言葉は、「正しい」ことを言ったり、批判するためだけにあるのではない。自分や誰かを、いたわり、ねぎらうためにもある。言葉は、なるべく丁寧に用いるのがよい。言葉こそ、もっとも「壊れやすい」ものでもあるからだ。言葉は、投げるように用いない方がよい。
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「雨ガッパとうがい薬」は、衆愚政治の比喩だと、辞書にのるかもしれないな。
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真面目であるよりも、真摯であることが大事なのかもしれない。「真面目」は、世の、あるいは誰かの基準に合わせて生活することのように思われるが、「真摯」は、自らの人生からの問いに、ちゃんと向き合うことだからだ。真摯は一生懸命とも違う。もっと静かで、かつ持続的な語感を、私は感じる。
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世の中で起こる全ての事にすぐ反応する必要はないのです。身を沈め、心を鎮め、力を蓄える日々があってよいのです。世の中を、様々な言葉が行き交うときでも、だまって、じっとしている日があってよいのです。世間がざわついているときでも静かな時を過ごしてよいのです。よい夜を。おやすみなさい。
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素晴らしい。本当に素晴らしい。 twitter.com/kokoro_odoru_1…
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「37.5℃」が誤解だったという話、まさか、このまま終わりはしないですよね。たぶん、メディアの皆さんは、これまでの言質(証拠)を固めているのだろうと思います。強くそうであることを信じたいと思います。もし、そうでないならこの国ではもう、言葉は信頼に値するものではなくなってしまいます。
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今からでも遅くない。欧米各国のように韓国にコロナウィルスへの対処法を教授してもらった方がよい。中国のような政治体制を持たない日本が学び、実践できるのは韓国のモデルだろう。もし今ここで、韓国に助力を願いでることができなければそのために多くの人命が危機に瀕するように思われてならない。
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このままであれば、今日の日を支えている、すべて亡き者たちと、これから生まれてくるすべての「いのち」を、はからずも愚弄することになる。私たちは、この世界を少しでもよい姿にして、後世に伝えていく義務がある。
#検察庁法改正案に抗議します
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感染者は236人。しかし検査数は1012件。この比率に関してどうしてコメントがないのか。そして、この検査数の少なさにどうして何も言及がないのか。NY州は昨日だけで67000件の検査をして感染者は488人。東京の現状がどうなっているか、この数字だけでもあきらかだろう。⇒
www3.nhk.or.jp/news/html/2020…
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美術館は、絵や彫刻を見るために行く場所には違いないが、もう少し、実感を精確に言葉にすると、絵や彫刻などを扉にして、見過ごしていた自分に出会う場のように感じる。稀有な作品だと思って出かけても、真に心動かされるとき人は、美に遭遇しているだけでなく、自己とも出会い直しているのだと思う。
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古典を読んでいて、ほとんど遭遇することがないのが、右肩上がりの「成長」を促す言葉、考え方だ。ただ、それを戒める言葉ならいくらでも出てくる。それに引き換え、現代の啓発書は、著しく「成長」を説く。古典を読んだ方がよい。古典はさまざまな人間の誤りの上に生まれるのである。