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競走馬あるある。乗っている時の危険サイン。頭を高くして一点をじっと見つめる。背中に力が入る。自分の左足にウマの心臓の拍動が伝わってくる。コレがあったら要注意。そして。完全にアウトなやつ。機関車の汽笛音が鼻から出た時。「ボーーッ!」。何が起こってもおかしくない。覚悟を決めて腹を括る
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お馬さんあるある。たしかに気性の悪い馬はいる。調教を拒んだり、馬房の前を通る人に襲いかかったり。けど人を騙そうととしたり、追いかけてまで傷付けようとする馬はいない。つまり性根が悪い馬なんていないのよ。馬は腹が立つ理由があるから怒っている。それだけ。シンプル。人間みたく面倒臭くない
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競走馬あるある。いよいよダービーウィーク。昨日、最終追い切りを終え今日は軽めの調整。表向きは静かな1日。脚元問題起きませんように。歩様に異常がありませんように。熱出ませんように。お腹痛くなりませんように。咳出ませんように。担当者は毎朝祈るような気持ちで馬房へ入っていくのだろうな。
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お馬さんあるある。凱旋門賞。良く聞かれるのがエルコンドルパサーの長期滞在。正解の方法なんて私は知らない。けど唯一分かるのは。このやり方が他の誰にもできないって事。かかる費用も日本での人的損失も半端でない。リスクデカ過ぎ。これを決断して周りの理解を得て実行した某調教師が凄いんだって
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お馬さんあるある。馬のいるところに遊びに行くんですけどお勧めの格好ってありますか?との質問。別に無いけど、逆にお勧めしない格好はある。フード付きのパーカー。馬にとって遊びやすい位置。何より咥えやすい。咥えたらブンブン振ってみたい。リアルてるてる坊主したい方はどうぞ。昇天できます。
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競馬界あるある。レース結果と調教師の嗜好が合うと特定の種馬の仔が集まりやすくなる。多く関わらせてもらったのが3頭。馬体が立派で好みだったのはリアルシャダイ。サクラバクシンオーは気性がひたすらに前向きで大好きだった。もう1頭はステイゴールド。ホントにこいつは、まったく、とことん・・・
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お馬さんあるある。引退が多く発表されるこの時期。どの馬も悲喜こもごも。いろんな想いがあるだろう。全ての馬にもお疲れ様って思う。これから事前に発表された引退レースを走る馬もいる。全ての馬に無事に帰ってきてと願う。心から願う。まだまだこれから。穏やかにセカンドキャリアへ進んで欲しい。
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お馬さんあるある。馬も犬や猫のように甘えてくる。顔を押し付けてきたり、もっと撫でてと顎で引き寄せてきたり。けど基本的マッスルが違いすぎる。結果として吹っ飛ばされたり血を見たりする事もある。勿論悪意がある場合もある。判断には経験が必要。私?某夫人が甘えてくるのでアザだらけですが何か
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競走馬乗りのお仕事あるある。圧倒的に男性社会。だって体力必要だし危険だし。平等って言うけど女性には抑え切れない馬が多いのも事実。もしそれが本当なら。まだまだ我々は馬との関係構築に問題があるのかも。欧州だと普通に乗り役の半分位は女性という話。向こうの女性がマッチョ説は受け付けません
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お馬さんあるある。春は移動。初めての長距離輸送に挑む若駒達。熱発程度で済めば良いけど、怖いのは輸送性肺炎。出発前に抗生物質を打つ事も多い。発症すれば長期休養。今までの努力が水の泡に。デビューするってそれだけでも簡単なことじゃない。で、やっぱりこの一言に尽きる。「まずは無事に」
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お馬さん伝説あるある。「馬房がちょっと狭いよね。」某調教師の一言。もちろん「そうですね」だけでは済まされない。翌日から昼休み返上。馬房の壁をぶち抜いて2馬房を繋げる工事を始めた。特別待遇スイートルームの作成。おフランスに行く事になったエルコンドルパサーという名前のお馬さんの話。
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お馬さんあるある。馬乗りの天敵キジ。春に♂は縄張り争い中。突然ケーンと鳴いて羽をハデに打ち鳴らす。コース脇の茂み、同じ場所に潜む。こっちも分かってる。「お願い鳴かないで」祈り毎回通過する。後方で鳴くとぶっ飛ぶだけだけど、目の前だと全馬180°ターン。今日もキジに負けて誰かが落ちる。
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お馬さんあるある。騎手。身体の成長期に食事制限という苦行を完遂。アブミ履かなくてもモンキーできる脚力。手綱切れてもキャンターできる体幹。でもモデルより足が細い。握手が痛い。酔うと腕相撲したがる。ご飯奢ってくれる。骨折多いが復帰も凄く早い。バランボールに立ってキャッチボールできる。
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お馬さんあるある。つい「してあげたのに」と不満を抱えやすい貴方。馬がお勧め。調教後に丁寧に隅々まで洗ってピカピカの馬体。馬房に戻したとたん目の当たりにする光景は?ゴロンゴロンと寝まくりやがるの。全身藁だらけでご満悦。相手に期待するのは違うってこと。自分が何をしたいのかに注力するの
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お馬さんあるある。私はほぼ競走馬しか語れないけど、馬場馬術とかも知って欲しい。前にぶっ飛ぶばかりが馬じゃない。とんでもない全筋力のエネルギーを内に溜めさせる。完璧なコントロールの下、一糸乱れぬ規則正しい動き。見ていて怖いくらいの躍動感がほとばしる。馬って凄いんだよ!見て!って世界
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お馬さんあるある。同時期入社の2人。超器用と激不器用。器用くんはみるみる上達。いつの間にか教えていない小手先の楽する乗り方も習得。成長もそこでストップした。不器用くんは叱られながらも愚直に基本的な乗り方を身に染み込ませた。今では馬を作れる乗り役として信頼厚い。つまりそういう事。
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お馬さんあるある。競走馬は見られるのも仕事。ゆえに調教師や馬主さんが来場するとなればキッチリピカピカに手入れする。ビロードのような肌触り。深みのある光沢。尻尾は滑らかな指通り。もちろん藁一本も付いていない。つまり言いたいことは一つ。だから先生、時間通りに来て。早く来て。あー寝ちゃ
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お馬さんの仕事あるある。装蹄師。馬のネイリスト。馬の蹄を刃物で切ったり、ヤスリで削ったり。蹄を自分の太腿で固定して作業するので結構危険。蹄鉄を釘で打ち付ける時は特に。釘先が自分に向くから。最中に馬が暴れるとシャレにならない。つまり装蹄師はこの世で一番ハエが嫌いな人達なの。わかる?
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お馬さんあるある。馬が好きだからこそ声を上げる人がいる。けど「怒り」を原動力にするのは危険。燃え上がると収まらない。もし解決してもその炎は消えない。正義感ゆえに別の攻撃対象を探すだろう。それはいつか自身を焦がすよ。「慈愛」を原動力にしよう。僧侶っぽいことをたまには言わせてという話
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お馬さんあるある。怖い「腹痛」。まずできることは「歩かす」こと。刺激で腸の働きを促す。便秘にはジョギングが効果てきめんなのと一緒。獣医の到着を待ちながらひたすら歩かせる。固唾を飲んで様子を見守る。「ビボッブビブビーー」で拍手喝采。こんなにも待ち望まれる放屁がある事を知って欲しい。
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お馬さんあるある。この馬の可愛さを少しでも伝えたい!って馬房の中で撮影したら、「何ナニ?だいしゅきー」って寄ってきちゃう。コラコラ寄り過ぎだゾぉって言いつつ、まんざらじゃない。で結局撮影できたのは毛。画面一杯にピンぼけの毛。けどイイねがつかないのは納得いかないの。だって可愛いのに
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お馬さんあるある。人を落とすというスキルが異常に高い馬がいる。重心をズラした瞬間に尻っ跳ね。空中で背中をクイっと丸めてダメ押しのプッシュ。綺麗に空へ弾き飛ばす。落とした後はその場に仁王立ち。また跨るまではジッと待ってる。そして再び奥義炸裂。そんな馬に上手い人が乗ると。何もしない。
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お馬さんあるある。春は抜け毛。手入れ中は抜けた冬毛がフワフワ漂う。マスク必須なくらい馬房が冬毛で充満する。空気乾燥して静電気もスゴい。服にビッチリとまとわり付く。冬毛にまみれ「全身毛だらけになっちゃった」と嘆く私。「惜しかったですね」とスタッフ。貴方の視線の先が気になるんですけど
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お馬さんあるある。馬との会話レベル。初級、話しかけるけど側に人が来ると止めてしまう。中級、悩み事を聞いてもらうようになる。上級、周りが全く気にならなくなる。達人、隣の馬房にいた人が勘違いして返事をしてきたら「(馬名)と話してんだよ!お前じゃねぇ!邪魔すんじゃねえよ!」とブチ切れる
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このツイートも多くの方の目に留まっているようで感謝いたします。
この機会に一頭の未出走馬のエピソードを紹介させてください。
読んでいただけると嬉しいです。
kashikoyama.blog.jp/archives/94744…