276
結婚できない男性に対しては「『オンナを捕まえて一人前』という植え付けられた価値観を脱せずに勝手に苦しんでいる情けない男性たち」という批判に使われる言葉が、「『子供を持って一人前』という植え付けられた価値観に苦しめられるつらい女性たち」という擁護に使われるのが実に対照的ではある。
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「子どものいない40代女性たちは、なぜこんなに苦しく、生きづらいのか」という記事だが、特に不妊症にフォーカスしたものではなく、あくまで子なしを自ら選択した人の迷いや葛藤に同情する記事だ。まさに「選択肢があるがゆえのつらさ」に寄り添っているのだな。
news.yahoo.co.jp/articles/2e7a9…
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「今の若者は道徳的倫理的に行動することで反抗している」というのは重層的な話だなあ。年寄りたちは自分らをガチガチに管理するくせに若い時の無法をチラチラとアピールしてくる。ならば告発によって殴ってやれ、「正論」を利用して締め上げてやれと思うよな。たとえ反抗でなくとも公正の実現として。
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「自分で自分の機嫌を取る」を学校で教えるようになったとは、正式にメンタルのケアは自己責任の範疇に含まれることになったということですよ。自分で機嫌を取れていない、不満を外に出す人間は能力的にも道徳的にも欠陥人間ということになり、その不満の訴えは欠陥人間の言うこととして低く扱われる。
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そりゃあ社員のQoLを上げるため、みたいなお為ごかしの建前はあるけれど、このあたり「ロボットを導入するより人間を働かせた方が安上がり」「人間は勝手に直るし勝手にメンテナンスされる点がロボットより優れている」みたいな、道具として機械と比較され品定めされている気配を感じるんだよなあ。
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実際、自分の職場でも半日ほどの「メンタルケア講習」みたいなやつを全員強制で受けさせられるから何かと思ったら、まさにこの「自分で自分の機嫌を取りましょう、自分の心は自分でケアしましょう」という内容で、「頑張って壊れない労働者になりましょうね」と言われている気がしてならなかった。
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確かに生きる上で広く役に立つスキルかも知れないが、明らかに「手間のかからない労働者」「安定して稼働する労働者」を生産するための施策なんだよなあ。確かに労働者のメンタルケアが叫ばれているけど、労働の強度を下げようという方には行かないのだもの。理想はメンテナンスフリーの労働者ですよ。
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「自分で自分の機嫌を取る」ことへの批判もあらかた出尽くしたけど、やはり「自分の機嫌を取る」ことが知る人ぞ知るコツであるうちはよくても、それを一律教育で教えよう、基本マナーにしよう、となると、これは圧倒的にストレスをかける側、人間を使役する側に有利な社会になってしまうのだよな。
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タワーマンションに住み別荘を持ちながら「みんなで貧しくなればいい」と語る老人の話、当人の情熱的かつ徹底的に自己中心的な世界観、それゆえか子供さえ持たなかった生き方を見るに、老いて死を前に苦しみのた打ち回っての「自分が死んだ後の社会など滅びればいい」という断末魔に見える。
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ただ「議員に学力テストを受けさせて足切りしろという発言がどういう意味・反応を呼び起こすか」を考えない/「正論」で押しきってしまえばいいと考えてしまう、というあたりがお勉強のできる人達の限界であり、恐ろしいところだよなあ。「本来そうなるべきところを我慢してやってるのに」感がまた…。
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まあ「足切りしろ」とは思わないが、受験させて点数を公開することは面白いかもしれないな。点数の低さでむしろ支持される議員も出てくるかも知れないが、「知的なイメージで売り出しているのに点数が低い」みたいな危険な議員が判明することには意味がありそうだ。
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日本の政治家の不甲斐なさにイライラしているところに、外国で「正しい側が勝つ」様子を見せられて、勇気凛々、意気が軒昂になりすぎてしまったのかも知れないな。自分たちの正しさをもっと叫んでいって良いのだ、そうすべきなのだ、と。
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フォローしていたリベラルなジャーナリストが「政治家に(かつての)共通一次試験を受けさせて800点で足切りしろ。多様性にも最低の基盤が必要」と、学力による公民権の制限をとなえ始めてしまった。さすがに1000点満点の方だとは思うが「最低」が800点とは…いや「必要条件」と言いたいのは分かるが…。
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既に複数の人が言ってるけど、トランプの悪魔化が進んでいる状況を見るに、「ナチズム」のように「意見がそれと少しでも重なっていてはならないもの」として「トランピズム」というものが整理されるのではないかという気がするな。少しでもトランピズムの気配をさせたものは追放される禁忌の思想だ。
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トランプ氏の弾劾追訴だとか艦船の名前に使用することを禁止しようだとか言うのは、もはや追い払うだけでなく、名誉を潰してやりたい、歴史からも抹消したい、存在そのものを消し去ってやりたいという、精神の次元の戦いになっているんだよな。世界観を守るため、心を守るための戦いになっている。
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36歳で突然漫画アニメにハマれなくなった話、以前話題になっていた「20代の体力は飲み会でオールするためではなく育児のためにあった」からの、耐用年数を過ぎて間欠的にしか噴かなくなったエンジンの最後の力を現実逃避のために吹かしてる感がすごい。ライフステージ・イベントを軽く見てはいけない。 twitter.com/ichibyo3/statu…
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陰謀論を「複雑な世界を理解できない人間が自分に理解できるもので強引に埋める行為」と賢い人間がバカを眺める目線で言うが、「個々の人間が土地や能力や環境の制限の中で働き生きること」を理解できずに「差別や努力や政治的信条」という理解できるもので強引に埋める行為も陰謀論と大差あるまいよ。
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しかし陰謀論をあざ笑っている側が「犬笛」という理屈を持ち出して「奴らはそうと明言しないが、奴らの間で通じる符丁で意思を通じている。私達にはそれが分かる」というのは、陰謀論に片足を突っ込んでいるというか、自分は陰謀論脳ではないというセルフイメージを守りたいだけの陰謀論脳でないのか。
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「やっとトランプを追放できた。これで安心できる」という人たちが次に考えることは「もうこんな思いをしなくて済むよう、トランプみたいな人間が出てこられない仕組みを作ろう」だよな。様々なところで「今までは許されていたがこれからは許されないもの・こと」のルールが作られていくことだろう。
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新成人や中高生は新型コロナウイルス感染症を恐れてはいないんだよな。彼らが外出や外食を控えるのはひとえに「犯人捜し」を恐れるのと、同時にそれが「社会貢献」なのだと思う生真面目さからで。この我慢や「貢献」に報いがなかったと彼らが感じたとき、社会不信が世代の記憶・性質になるのだろう。
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米国で議事堂の占拠に関わった人間が特定され飛行機の搭乗を拒否されるようになっているらしいのだが、どういう仕組みで特定しているのだろう。顔認識か、位置情報か、無線データか。中国とやってることは同じだけど、罰される線引きが違えばOKなのか。結局みんな監視社会が大好きなのだなあ。
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「80年前にファシズムの隆盛を許してしまったときとは異なり、今回は悪の伸張を未然に防ぐだけの分別を私たちは手にしている。私達と価値観を同じくする、正常な倫理観を持つ人々が技術社会の根本をしっかり押さえていることが頼もしい」と、無邪気に信頼を寄せていることだろう。
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しかしBigTechみたいな巨大企業が国家に代わってインフラ整備や徴税や公共事業みたいなことを肩代わりすることの問題点が非常に分かりやすく表れてきたが、企業の価値観に乗れている側の人間にとってはむしろ、国家にはできない「国民の選別・切り捨て」をやってくれるから痛快で仕方ないだろうな。
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「不寛容に不寛容でなければならない」というたったひとつの小さな穴から、ありとあらゆる汚泥が流れ込んで広がっている。「寛容」というお題目を掲げることが、そのお題目を掲げる人間の倫理性を何ら保証しなくなってしまっていることに、当のお題目を掲げている人間だけが気付いていない。
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だから陰謀は、たぶん無いのですよ。コツコツと積み上げられた「正義」の勝利なのですよ。もちろんトランプ支持者も同様のことを、チャンスがある限りやったでしょうが、「賢さ」「有能さ」「社会的地位」みたいな点で圧倒的に勝てなかった。そういう戦いだったのだと思いますね。