301
世の中の人、人の頭について「賢いか否か」って方向で評しがちだけど、それより「学ぶ人か否か」ってところに注目した方がいい。今時点で何かを分かってるかとか、人から賢く見られてるかどうかより、自分が何わかってないか認識して学び続ける人の方が素敵だし中長期的には何かを成し遂げられそう。
302
個人的に「自分の頭で考えましょう」というよくある言説は限界があって、やはり「自分の頭で調べて試して考えよう」までがセットであるべきだと思う。批判的思考含め調べられること、調べた結果の不十分なところを実際に試せることを抜きにして「考える」だけでは大した判断はできない。
303
「若いうちの苦労は買ってでもしろ」っていうことわざをもう少し正確に言うと「質の高い学習と訓練を可能な限り早い時期にこなせ」だと思う。人間の成長って年利○%で雪だるま式に効いてくることがあり、早くから何かに秀でれば秀でるほど、よりその成長を促してくれるような機会に恵まれやすい。
304
インターネットの普及によって「権限を持った大人」に気に入られなくても、「不特定多数の好みの合う人たち」に認められることでアイデアや作ったものが広まったり、ビジネスチャンスになるようになったのは地味に大きな変化だと思う。
305
日本のテック業界全般もっと先行研究を学んだ方がいい。疫学も知らずに「医療データを収集して病気の発症を予測します!」とか、リーダーシップ研究も知らずに「人事データを収集して優秀な管理職を探します!」みたいな、そういう車輪の再発明試みる人とそれらをつい評価しちゃう人が多すぎる。
306
それがどれだけ得な行動であれ人に新しい行動取らせるのたいへんって例として「毎年知人に薦めても花粉症の舌下免疫療法誰も受けねぇ」というものがある。自分はスギに関してはほぼ完治したし、保険適用でコストも大してかからず科学的根拠も揃ってる。それでもみんな毎年受けずに花粉症を愚痴るのだ。
307
おせちの縁起全般、ただのダジャレじゃねぇかということが昔から気になっていて、色んな人ん家の「ダジャレ好きな親戚のおじさん」の発言が長い年月かけて伝来したり集積したのがおせちの由来なのではないかという偏見と共に毎年新年を迎えている。
308
文系は数学の能力全く不問で卒業できて、理系は思想や歴史の知識全く不問で卒業できる大学の仕組みの大きな問題の一つに、その両方を土台にしないといけない「人間や社会を科学的に理解する」「人間や社会のためにテクノロジー活かす」という現代の主戦場に適した人が輩出されにくい点があると思う。
309
なぜかワクチン嫌いな人、謎のサプリとかよくわからない謎の独自治療とかは好きだったりするんですけど、ワクチンって言葉使わずに「免疫力をアップさせる特別な成分が配合された注射です」って言ったら接種してくれたりしないかなって思うし別にそれほど大きなウソはついてない気がする。
310
100万人中2.5人に強いアレルギー反応、というリスク解釈を元英国王立統計協会会長の本をもとに計算すると、
・1年間に不慮の死を遂げる確率の2.5倍
・107km散歩して死ぬ確率と同程度
・これがバイク運転だと28km分
・マラソンに出場して死ぬ確率の約1/3
である。
www3.nhk.or.jp/news/html/2021…
311
イノベーションこそが経済成長の源泉である、という考え方に基づくと、おそらく今はどこの国も「見たことのあるクマの色だけに捕らわれる人」よりも「見たことなくても北極のクマの色を考えられる」タイプの人を大事にしたり、予算や権限を与えてあげた方がいいんじゃないでしょうか。
312
逆に、成人の呼吸器不全に対するECMOの有用性が実証されたのは約10年前の話であり、(それ自体の効果はさておき)レムデシビルのエボラに対する臨床試験も数年前くらいの話だ。もっと悲惨だったかもしれない病気を近年の医療の進歩が「ギリギリ助かりうるタチ悪い病気」に押し留めてるとも考えられる。
313
日本人の時間意識の変化について書かれた『遅刻の誕生』て本によると「日本人が勤勉」ていうステレオタイプもかなり疑わしい。幕末に操船技術教えに来てくれたオランダ人が「日本人の悠長さに呆れる」て文章残してるし、江戸時代は前夜飲み過ぎたとか天気が良かったとかで欠勤するのもざらだったそう。
314
たぶんなんですけど、「人間は良い方向へ変化できる」って感覚を当たり前に持ってる人とそうでない人が世の中にはいるっぽくて、それが教育とか学習とかマネジメントとかの姿勢に影響してる気がする。そして自分自身が良い変化をした経験がない人にこの感覚を教えるのは難しいのかもしれない。
315
新しい一万円札に印刷されるという渋沢栄一さん、元が徳川慶喜に仕えた武士なのに銀行やら保険会社やらビール会社やら証券取引所やら、諸々合わせて500社以上の設立に関与した日本史上最強レベルのシリアルアントレプレナーなので、お札をきっかけに彼をロールモデルする日本人が増えたらいいな。
316
大学も、何なら大学院であっても、人間が勉強することに理由なんていらなくて、「なんとなく」でも全然問題ない。自分も今まで「なんとなく」という以外の理由で勉強しはじめたことなんてほとんどないけど、勉強した後はじめてその意味や使い道に気づくし、概ね世の中そういうもんだと思う。
317
世の中には母国語であっても長い文章の構造把握して理解するのが苦手で、単文とか単語とかの短い部分だけに反応して、自分の中にある偏見と結びつけ「勝手に相手がこの話をしてる」と決めつけたりする人もいるけど、さすがにその状態で報道に携わってる人はいるものなのだろうか。
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たまに「インターネットの黎明期は既得権なかったから若い起業家が活躍できたけど今は難しい」みたいな話する大人がいらっしゃるんですけど、いつの世も「若者が活躍できる新しい領域」とは「影響力ある大人から見えてないところ」にあるってだけの話じゃないかという気もする。
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若い頃にお金や恋人や権威を持たないが故の攻撃的な仕事してると、同じ鬱憤抱えた人たちから共感や喝采浴びて成功することもあるんですが、その成功によって色んなもの手に入れた後も若い頃と同じことやり続けてたらいつの間にかただのハラスメントになってしまうの、みんな気をつけた方が良さそう。
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最近「親ガチャ」って言葉がネットで話題なんですけど、その救済措置として機能してる「メンターセレクト」ってシステムにも意識向けて欲しい。親は選べなくても地元の大人や図書館に並ぶ本の著者、誰を師と思って学ぼうとするかは自由だし、生まれよりメンター選びが人生左右する社会であってほしい。
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昔ブルーノートに来日してた世界的ミュージシャンに同じような質問した時には「めちゃくちゃ練習すること。そしてそのプロセスを人生の一部として楽しむことだね」って教えてもらったので、それ以降音楽以外のどんなスキルを身に着ける際にもこの考え方を大事にして生きている。
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たまに経営者が社員に向かって「会社があなたに何をしてくれるのかではなく、あなたが会社に何をできるか考えてほしい」とか言ったって話聞きますけど、あれ経営者として絶対言わんようにしたい。自分たちのすべき仕事定義して、そこに必要な人確保して「これやって」ってお願いするのが経営の仕事だ。
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個人的には、物理的だったり心理的な安全性確保された状態で健全に話しあえる状態こそが本性というやつじゃないかと思ってて、高ストレス下で多少何かやらかしても「大変だったねー」って思うだけだし、自分が付き合う人に対しては極力「安全な状態の本性」を出し合える間柄でいたいと思う。
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ちょくちょく差別的なこと言う人見かねて「さすがに今時それは…」みたいに注意すると「そんなこと言われたら言いたいこと何も言えない!」みたいに逆ギレされることたまにあるんですけど、これそのまま受け取ると「差別発言以外に言いたいことはない!」っていう話で、話題の少なさ異常すぎないか。
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とすると、「これは正直不正確だったり何なら元発言から真逆の意図になることはわかってるが思想上この公人を貶めたいので誤解を生むように記事や見出しを作ろう」とか「その方が売れるので誤解を生むように記事や見出しを作ろう」って人が存在するんじゃないかって話なんだけど、それ邪悪すぎないか。