『燃ゆる女の肖像』のセリーヌ・シアマの作品です。こんな映画を撮れるなんて、彼女はきっと8歳の頃の世界の見え方を覚えているのでしょう。不思議なことがちっとも不思議ではなかった頃のことを。そしてまた、母もまた娘であると知る成熟も持ち合わせているのでしょう。他の人には撮れない映画です。
青い海を臨むイタリア別荘地にリッチなセレブ一家と代々漁師の労働者一家がやって来て、なんで二家族合同バカンスなんだろと思ったら裕福一家の遊び慣れたパパと漁師一家の親父さんが俺たち再婚しますと宣言してご両家ご親族の皆様におかれましては心よりテンヤワンヤの大騒ぎになる映画を上映します。
『RRR』ラーム・チャランの役者人生の転換点になった映画があると聞いて、居ても立ってもいられないので上映します。 毎日そこそこ楽しくて思考停止してたけど貧しい村は長いこと金貸しに支配されていて、ひとたびそれに気づけば捨て置けない。こうなったらヤるしかない。徹底的に選挙(ヤ)るしかない!
RRRを3/10から上映すると言いましたが、あれは嘘。待ちきれないので3/3から上映します。もちろん3/10からも上映します。 twitter.com/sarnathhall/st…
『逆転のトライアングル』今春上映予定。本作もまたカンヌ映画祭で最高賞パルムドールを受賞しています。"転覆後"が楽しみかもしれませんが、予告の通り、この監督の苦くてブラックで意地の悪いテイストはストーリー前半から存分または存分以上に味わえるはずです。
衣裳や武具は13世紀と同じ素材・方法で作られ、撮影は極寒の地で548日にもわたるロケ撮影。神々しく格調高く、にもかかわらず野蛮で粗雑でもある映像には目を見張ります。 『マルケータ・ラザロヴァー』今夏上映予定。観て、圧倒されるしかない。
高齢を理由に仕事を解雇されて(私もそろそろ…)と考える人、申請を受け付ける市役所の親切な青年、逝く日までを親身にサポートするコールセンターのスタッフ。誰もが「プラン75」という仕組みの中で物を考え、生きている。だけどほんとうは、彼らが扱っているのは自分の、他人の、命そのもの。
サールナートゥホール(ver.2)
『ミッドサマー』や『ハッチング―孵化―』や『LAMB/ラム』でさえ、予告編の字幕にこんなに不穏なフォントは使わなかった気がする。もうだめだ。 すべてが手遅れになっていく団地住み児童北欧夏休みサイキックスリラー『イノセンツ』は8/25(金)から上映します。もうだめだ。 twitter.com/innocents_movi…
ウォン・カーウァイ自身が4Kレストアを手がけて「焼き直しではなく生まれ変わった」と語る伝説的な5作品を特集上映します。ウォン・カーウァイの映画を観ることは理不尽な恋に落ちることのよう。当たり前の風景がネオンのようにきらめいて、映画が、恋が、終わった後も景色だけがずっと心に残ります。
ゲイという理由で母に捨てられ10年間ホームレスだった青年が、海兵隊に志願する映画を上映します。訓練は初日から地獄。だけど仲間と共に耐える。ここを"自分の場所"にするため、母に認められるため。過酷さはある種の救済。 だけどこの映画が本当に始まるのはここからです。 仲間に、ゲイだとばれた―
映画のタイトルは『秘密の森の、その向こう』。 もちろんヒットしてほしいけれど、本当はあなたにだけこっそりと教えたい、秘密の小さな映画です。10/14(金)から上映します。ひみつだよ。
ご存じない方のために念のためお知らせしますが来年は2024年なので犬が喋ります。で、第4次世界大戦で荒廃した世界で少年と相棒になってるわけですが、少年が地上では珍しい"女性"に惹かれて地下世界に行ってしまいます。むく犬を置いて。という、続きが気になりすぎる1975年の映画を緊急上映します。
この冬は、今のこの現実に、たった一つだけ大きな嘘をつけ加えるタイプのSFを幾つか上映します。たとえば明日のクリスマス当日に人類が滅亡すると知ってる人々の、今夜は楽しいクリスマスイブの映画。 twitter.com/Sarnathhall/st…
友達からバイトの代理頼まれて「いいよ~」って行ったらアダルトグッズ店で、実戦経験ゼロで店に立つことになる映画を上映します。モンゴル映画だけど草原、出てきません。でも大丈夫。レイティングは全年齢鑑賞可だし、シータに世間を教えるラピュタの海賊ドーラみたいにカッコいいおばさん、出ます。
カンヌ映画祭「ある視点」部門でカメラドール スペシャルメンションを受賞した『PLAN 75』12/23(fri)から上映です。主演の倍賞千恵子が、プラン75がなければ当然迷わず生き続けるだろうし、あれば迷って検討するであろう、ただの一市民をただそのままに、見事に演じています。
刑務所のワークショップ講師になった売れない役者が演技経験ゼロの囚人たちと演劇に挑むけど、選んだ演題が傑作とはいえ不条理すぎる筋の「ゴトーを待ちながら」でさあどうなる…というこの映画、想像通りとても感動するのだけど、その感動の種類が思ってたのとぜんっぜん違う感動で…最高に痺れます。
系統は違うけれど『her/世界でひとつの彼女』や『ガタカ』に比肩する映像美とMitskiが歌う『リリィ・シュシュのすべて』の名曲がこの作品の価値をさらに高めています。人と人ならざる者とのあわいを描くA24の新作『アフター・ヤン』、冬の戸口を叩く11月頃に上映します。
実際の裁判記録を基に、こう開廷する映画を上映します。 「あなたは生後15ヵ月の娘の殺害容疑で告訴されました。なぜ殺したんですか?」「わかりません。この裁判を通してそれを知りたいと思います」 そんな馬鹿な話があるかと思いますよね。だけど同じ意見でいられるでしょうか、この映画を観た後で。
ところで2016年の映画を2023年3月に上映するのはなぜか。一般中年女性におもむろにマルチバースの扉が開いちゃう大注目作『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』の監督コンビのデビュー作だからです。当館ではエブエブとスイスアーミーマン【両方】上映します。ご期待ください。
パリの夜に若い女が殺されて、寄る年波とこれまでの無茶で身体はガタガタ、だけど頭と捜査手腕は衰えていないメグレという名の警視が、彼女のイブニングドレスだけを手掛かりに2つの謎を追う映画を上映します。謎の1つはもちろん【誰が犯人なのか】。もう1つの謎は【誰なのか、この殺された女は】。
理想を求めて「上」ばかり見ていた彼女と、強制送還されるかもしれず「下」だけ見ていた少年たち。双方の人生のこれまでとこれからが厨房で結びついて、真っ白な皿の上に鮮やかに広がっていくわけですが、言うまでもなく危険なほどに食欲を刺激する映画です。鑑賞中にお腹が鳴らないように気をつけて。
望まれない娘として早くから1人で生きていたら両親が事故で亡くなって、面識のない、そして愛されて育ってきた6歳の弟と暮らすことになる映画を上映します。厄介なのは養子に出すのは反対するくせ引き取る気はない親戚たち、わがまま盛りの弟、そして何より、苛立ちながらも弟に情が湧いちゃう、自分。
ジャン・コクトーの戯曲を名匠ペドロ・アルモドバルが翻案した切れ味鋭い短編。アルモドバルは「狂気に至るまで愛しているが媚びるほど依存しきっていない」と表現する主人公をティルダ様が完璧に演じてくれたことについて「全ての映画監督がこういう気持ちになれることを願う」とご満悦。ですよね~。
ヨーロッパのキリスト教文化と異教文化とが溶けあったような映画『ノベンバー』は11/25(金)から上映です。まずもって、農具でこしらえたエストニア土着の使い魔【クラット】の造形や動きや生態だけで、この映画に心を持っていかれてしまうはず。予告15秒からです。