スタジオA24はホラーやSFといったジャンル映画を換骨奪胎して芸術領域へと展開させることに異常に長けていますが、この仄暗い中世ファンタジー『グリーン・ナイト』もジャンル映画を遥か逸脱した地点にやすやすと到達しています。最高です。ご期待ください。12/9(fri)より上映
当館では空気がぐっと冷えていく12月の9日から『ペルシャン・レッスン』を上映して、年が変わって大気が凍て尽くす時節に『ヒトラーのための虐殺会議』を上映します。覚悟を。 twitter.com/Sarnathhall/st…
そしてこのおじさん、演じてるのは『オールド・ボーイ』のチェ・ミンシク。『シュリ』以来22年ぶりとなる北朝鮮の方言を使いこなして過去持つ男に説得力を持たせています。円周率から作られたπソングの精緻な美しさも印象に残る『不思議の国の数学者』5/26(金)から上映です。
というわけで、生まれつき異能者である哀しみを背負ったイタリアの弱小サーカス団員たちが、人体実験で異能者を作ろうと目論む強大なベルリン・サーカス団の団長と相対することになる、問答無用の異能力サーカス戦争アクション映画『フリークスアウト』乞うご期待です。
昼にアクセサリー作家の活動をするために居酒屋の住み込みパートで夜間に働いていたらコロナで仕事と住む家と次の求人案件を全部失って、しかもファミレスとかも8時9時で閉まってて、ポツリと灯ったバス停の常夜灯の下で朝を待つ、そういうところから彼女の次の物語が始まっていく映画を上映します。
恋愛談議を聞かされたり親にお見合いをセッティングされたり…そういう"普通"という名の巨大惑星の引力圏で、自分だけの軌道をくるりと廻る小さくて確固とした星のような主役を演じるのは『ドライブ・マイ・カー』の三浦透子。今回も当然、良いです。『そばかす』お楽しみに。
それから75歳になったら死ぬ権利があるので、75歳過ぎても生きてると自分からも他人からも(なんでまだ生きてるの…)と思われる日本の映画。 twitter.com/Sarnathhall/st…
画像1枚目の廃棄鉄塔(地上600m)で、画像2枚目みたいなことしたら、画像3枚目になって、画像4枚目になる映画を上映します。笑っちゃうくらい自業自得だけど、続き、めっちゃくちゃ気になるでしょう。600mだって。
スウェーデンで一番の金庫破りが仲間のミスで捕まって99日の服役くらってやれやれと出所して次なるお宝「フィンランドの王冠」を狙おうとしたらたった99日で仲間みんな堅気になってて1人で挑むはめになる映画を上映します。監督はまさかの『ぼくのエリ 200歳の少女』『裏切りのサーカス』の人。
萩原朔太郎の妹との実らなかった恋は時を経ても詩人の三好達治の中で消えず、戦争賛美詩で国民詩人に押し上げられてのち、朔太郎の没後に家庭を捨てて彼女と暮らし始め、その頃には彼が抱く"それ"はもう、愛と呼ぶにはおぞましく、嫉妬と呼ぶには倒錯した"ナニカ"へと変質している映画を上映します。
ちなみにこの監督の前作は、超人的な力を得てしまったイタリアのチンピラマフィアがそんな自分を日本のアニメ「鋼鉄ジーグ」のキャラだと信じ込んだ少女のために同じく超人となってその力で人気YouTuberになろうと画策する巨悪(巨悪か?)と闘う『皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ』。作風、ブレてない。
世界が注目するインドの教育プログラム「スーパー30」の誕生を描いた映画『スーパー30 アーナンド先生の教室』は10/14(金)から上映です。泣いて笑って感動して…健康のためにもインド映画成分は定期的に摂取しましょう。
コードネームは【ティンカー/鋳掛屋】【テイラー/仕立屋】【ソルジャー/兵隊】【プアマン/貧者】。英国情報部【サーカス】で最高幹部4人の誰かが敵と内通、誰が内部捜査権を握っても事態悪化の可能性ありという最悪の状況で、唯一利害関係のない引退した老スパイに全てが託される映画を上映します。
パゾリーニがギリシャ悲劇の神話世界にオペラ史上最高の歌姫マリア・カラスをぶち込んで日本の地歌で味付けした闇鍋『王女メディア』も上映します。こちらも別軸で凄い作品。当時9年間の愛が破局した直後のマリア・カラスが演じる、裏切られた愛への復讐を誓う王女たるや… zaziefilms.com/ppp2022/
『マルケータ・ラザロヴァー』の予告編です。 この映像だけで心臓鷲掴みにされてしまいませんか?ドリーショットの動きとか構図とか明と暗の比率とか、凄いですよね…
引退した元刑事をクリスチャン・ベール、エドガー・アラン・ポーをハリー・メリングが演じる『ほの蒼き瞳』は1/6(fri)より上映です。お楽しみに。
原作者シュテファン・ツヴァイクはナチス支配を逃れ亡命し、この小説を書き上げた直後に自ら命を絶ったとのこと。めちゃ面白いけど"面白さ"以上のものが込められた作品です。『ナチスに仕掛けたチェスゲーム』8月上映。事前情報入れたくない方はこの予告も我慢して劇場へ。
歌と踊りと下ネタが大好きなゲイの水球チームがフランスからゲイゲームズ開催地の東京に向かったら乗り継ぎ失敗してゲイ差別が横行する異国の地で一晩過ごすことになって、案の定じっとしてられなくて危険な夜の街に繰り出して案の定大騒動になって案の定東京に全然たどり着けない映画を上映します。
アリ・アスターが一晩で何度も観たという触れ込みを(あの人特殊だから…)と思っていたのに2回。というのも、この"集団"は軍事政権下チリに実在したコミューンがモデル。脳内グッチャグチャになる初回に対して、おぼろげながらグチャグチャの中に"現実の溶け残り"が見えちゃう2回目は別種のヤバみが。
田舎の冬の畑で住所不定の若い女性の凍死体が発見されて、なぜ彼女がそこで生を終えたのか物語が時系列を遡って数週間の足跡を辿っていく中で観る者の心に様々な想いが去来することになる、本国フランスで最もヒットしてここ日本で最も過小評価されてきたアニエス・ヴァルダの1985年の映画を上映します
あとは「奥さまの名前はアリス。旦那さまの名前はジャック。二人はごく普通の町でごく普通の生活を送っていました。ただ一つ違っていたのは……奥さまを演じているのはフローレンス・ピューだったのです」 「じゃあ絶対に普通じゃない町ですね」な映画。 twitter.com/Sarnathhall/st…
美しき捕虜に魅入られて、捕らえた側の心が囚われていく映画を上映します。戦争という巨大装置の歯車と歯車の隙間で、条理と不条理、本音と建前、身を縛られた者と心を縛られた者の関係がすり潰されるように反転していく。演じたのはデヴィッド・ボウイと坂本龍一。もう二度と撮られることのない映画。
冬のベネディクト・カンバーバッチとネコの映画の前に、秋にニコラス・ケイジとブタの映画があります。 twitter.com/Sarnathhall/st…
アカデミー賞作品賞『スポットライト 世紀のスクープ』製作陣と主演マイケル・キートンという完璧な布陣で、完璧にはなり得ない不条理なこの世界の希望と光を描き出す『ワース 命の値段』は3/3(fri)から上映です。
体重272キロ。恋人の男性を亡くした喪失を埋めるように過食をくりかえしてきた結果、哀しみと272キロの脂肪に閉じ込められてもう歩くこともできない男が、無駄にしてしまった人生の最後の5日間で、死んだ恋人の妹の力を借りて、ずっとずっと前に関係を壊してしまった娘と向かい合う映画を上映します。