明るくて社交的でお節介焼きで何にでもアドバイスをくれるお母さんのことが、明るくて社交的でお節介焼きで何にでもアドバイスをくれるから、苦手。言語化できないそんな気持ちを抱えたままお母さんと同居することになる、無味無臭の薄めた毒を毎日舐め続けるみたいな映画を上映します。
宣伝です。静岡シネギャラリーではこの春『ドライブ・マイ・カー』濱口監督特集とか架空の英国将校つくってヒトラー釣る映画とか誘拐したゴヤの名画の身代金で公共放送を無料化させる映画とかベネディクト・カンバーバッチが有害な西部男になったアカデミー賞最有力映画を上映します。映画館で観てね~
意味わかんないと思うでしょうがちゃんとこっちも意味わかんないです。とにかくあなたはMCUより遥かにマルチバースなこの映画で呆れと感動と涙と笑いとドン引きと熱中を、あらゆる感情を、多元宇宙的に【同時に】抱くことになります。10の別ジャンルの映画を同時に脳に流し込まれるような体験をします
この不穏さ、展開の予測不能さに対する謎のワクワク感、そしてオフビートでダークなユーモア。そう、これは『スリー・ビルボード』マーティン・マクドナー監督の最新作。コリン・ファレルとブレンダン・グリーソン演じる両者の友情破綻は、アイルランド内戦の戦火が及ばぬ島の平穏に何をもたらすのか。
恋愛談議を聞かされたり親にお見合いをセッティングされたり…そういう"普通"という名の巨大惑星の引力圏で、自分だけの軌道をくるりと廻る小さくて確固とした星のような主役を演じるのは『ドライブ・マイ・カー』の三浦透子。今回も当然、良いです。『そばかす』お楽しみに。
沢山のことを考えさせ、感じさせてくれる映画です。団地という共同体が消えるとき人々が失うものって何だろう。猫かわいい。人が考える動物の幸せと実際の彼らの幸せは同じなのかな。猫かわいい。プロジェクトを進める時の意識共有やミッション設定って難しい。猫かわいい。それからええと、猫かわいい
萩原朔太郎の妹との実らなかった恋は時を経ても詩人の三好達治の中で消えず、戦争賛美詩で国民詩人に押し上げられてのち、朔太郎の没後に家庭を捨てて彼女と暮らし始め、その頃には彼が抱く"それ"はもう、愛と呼ぶにはおぞましく、嫉妬と呼ぶには倒錯した"ナニカ"へと変質している映画を上映します。
ストップと言うまでイクラを掛け続けてくれるタイプのイクラ丼で179分にわたって誰一人ストップと言わなかった感じの映画『RRR』は3/10(fri)より上映です。上映時間179分ですが、恐ろしいことにこの映画、180分後におかわりしたくなる。
ウォン・カーウァイ自身が4Kレストアを手がけて「焼き直しではなく生まれ変わった」と語る伝説的な5作品を特集上映します。ウォン・カーウァイの映画を観ることは理不尽な恋に落ちることのよう。当たり前の風景がネオンのようにきらめいて、映画が、恋が、終わった後も景色だけがずっと心に残ります。
パリの夜に若い女が殺されて、寄る年波とこれまでの無茶で身体はガタガタ、だけど頭と捜査手腕は衰えていないメグレという名の警視が、彼女のイブニングドレスだけを手掛かりに2つの謎を追う映画を上映します。謎の1つはもちろん【誰が犯人なのか】。もう1つの謎は【誰なのか、この殺された女は】。
謎のガスが地球を覆いつつあるらしく、他国は次々滅亡しているらしく、この国もついに明日らしい、と盛んに報道されているけれど、いまいちピンと来ない危機感。それが午前0時が近づくにつれ皆の心の中で徐々に【ピンと来はじめる】。イブはあるのに当日が来ない史上最悪のクリスマス映画の幕が開く。
ギレルモ・デル・トロ監督が撮ると静岡南郵便局も「何かが棲んでいる」気配に。 twitter.com/RealGDT/status…
言うまでもなくタイトル『チェチェンへようこそ』は反語的表現ですし、観る人がそう理解してくれると信じて、付けたのだと思います。 もう一本、私たちを信じてくれている映画を、同じく4/1(金)から上映します。『グレート・インディアン・キッチン』。予告ぜひご覧ください。 twitter.com/Sarnathhall/st…
明日BSで放送する『ジャズ大名』、海と崖に挟まれてめちゃくちゃ細長い静岡の薩埵峠を通らせろと圧かけてくる官軍と幕府軍の板挟みになった大名と藩士たちが、全部嫌になって映画の後半ずっと海岸に流れ着いた黒人楽師のジャズで踊り狂ってそのまま映画が終わるので全部嫌になった日に観るのお勧めです
この冬は、今のこの現実に、たった一つだけ大きな嘘をつけ加えるタイプのSFを幾つか上映します。たとえば明日のクリスマス当日に人類が滅亡すると知ってる人々の、今夜は楽しいクリスマスイブの映画。 twitter.com/Sarnathhall/st…
『落下の王国』好き必見の、この蠱惑の映画は『マッドマックス』ジョージ・ミラー監督からの贈り物。ホテル内で封印が解かれたので学者のティルダ・スウィントン様に加えてイドリス・エルバ魔人までバスローブ姿な『アラビアンナイト 三千年の願い』は3/31(金)から上映です。
厨房でホールでバックヤードで次々発生するピンチトラブルアクシデント。こんなに面白そうな『ボイリング・ポイント/沸騰』ですが飲食業界経験者の方だけは(観たいけど観たらメンタルどうなるか…)と思うかもしれません。 飲食業界経験者の方のメンタルは…観たらちゃんと爆発四散すると思います。
それから75歳になったら死ぬ権利があるので、75歳過ぎても生きてると自分からも他人からも(なんでまだ生きてるの…)と思われる日本の映画。 twitter.com/Sarnathhall/st…
『燃ゆる女の肖像』のセリーヌ・シアマの作品です。こんな映画を撮れるなんて、彼女はきっと8歳の頃の世界の見え方を覚えているのでしょう。不思議なことがちっとも不思議ではなかった頃のことを。そしてまた、母もまた娘であると知る成熟も持ち合わせているのでしょう。他の人には撮れない映画です。
歌と踊りと下ネタが大好きなゲイの水球チームがフランスからゲイゲームズ開催地の東京に向かったら乗り継ぎ失敗してゲイ差別が横行する異国の地で一晩過ごすことになって、案の定じっとしてられなくて危険な夜の街に繰り出して案の定大騒動になって案の定東京に全然たどり着けない映画を上映します。
この映画を撮ったのは、2000年代の映画ファンが心のキャビネットに大切に大切に保管しているであろう1本の映画、あの伝説の『子猫をお願い』の監督チョン・ジェウンです。『猫たちのアパートメント』来年1月上映予定。柔らかくて、かつ示唆に富む、こちらの予告ご覧ください。
友達からバイトの代理頼まれて「いいよ~」って行ったらアダルトグッズ店で、実戦経験ゼロで店に立つことになる映画を上映します。モンゴル映画だけど草原、出てきません。でも大丈夫。レイティングは全年齢鑑賞可だし、シータに世間を教えるラピュタの海賊ドーラみたいにカッコいいおばさん、出ます。
2人が(明日の朝に人生が一変する)と強く思った2つの晩、つまり人生でいちばん暖かく幸せだった【結婚前夜】と人生でいちばん冷え切って不幸せな【離婚前夜】、を交互に描くという、温度調節どうかしてるコンセプトのミュージカル映画を上映します。10年の歳月、テムズ川の流れだけが変わらなかった。
会社のトップが若い女性に、女性たちに、何かをしている。多分。明確な証拠はない。キャリアのためには勘違いかもと自分を納得させたほうがいい。させたほうが… というわけで『プラダを着た悪魔』みたいな映画ではありません。硬質でひんやりとした、小さな大理石の立方体のような映画。
美しき捕虜に魅入られて、捕らえた側の心が囚われていく映画を上映します。戦争という巨大装置の歯車と歯車の隙間で、条理と不条理、本音と建前、身を縛られた者と心を縛られた者の関係がすり潰されるように反転していく。演じたのはデヴィッド・ボウイと坂本龍一。もう二度と撮られることのない映画。