佐野亨 Toru Sano(@torusano1124)さんの人気ツイート(新しい順)

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李誠七とともに虐殺犠牲者の慰霊碑建立に尽力したのが元海軍大佐の村尾履吉だった。震災後、自宅のあった三ツ沢の空き地に犠牲者の遺体が放置されていることを見かねた村尾は、みずから穴を掘って遺体を埋葬し、さらに後年、自費を投じて三ツ沢墓地に朝鮮人無縁仏の納骨塔を建てた。
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虐殺犠牲者の法要を実現すべく鶴見の総持寺などに申し入れたが次々に断られ、伝手をたどってようやく南区堀ノ内の宝生寺で法要をとりおこない、境内に慰霊碑を建立した。ちなみに、宝生寺近くの堀割川では川が赤く染まるほど多くの犠牲者が出た事実が当時の新聞記事や数々の証言で明らかとなっている。
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関東大震災の日。拙著『ディープヨコハマをあるく』では、震災直後の朝鮮人虐殺にまつわる場所を訪ねあるいたが、取材の過程でその人物像に強く惹かれたのが李誠七だ。打越の横浜教会を拠点に救済組織・愛隣園を率いた李は、自身も命の危険に遭いながら、荷車をひいて犠牲者の遺体を集めてまわった。
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伊丹十三の、とくに『マルサの女2』以降顕著となった「テーマをセリフで語らせる演出」「絵解きのような画面」は無論、確信犯だろう。黒沢清の「(伊丹さんには)どこかに自分の映画を褒める人間はみんなバカだという軽蔑があ(った)」(『黒沢清の映画術』)という言がまさに言い当てているように。
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いまはCSがあるじゃないか、というひともいるだろうが、右も左もわからない子どもを否応なく未知の映画体験に引きずり込む、という「無選別」の凄みはやはりある時期までの地上波TVにしかなかったものだ。TVのあり方じたいが変わった現在では、編成を工夫しても同じような状況はつくりだせないと思う。
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かつて地上波TVでは、ハリウッドの娯楽映画やジブリ作品だけでなく、ヴィスコンティもフェリーニもブニュエルも真っ昼間やゴールデンタイムにふつうに放映されていた。タルコフスキー『惑星ソラリス』の90分吹替版とか、ベルトルッチ『1900年』の吹替版3夜連続放映とか、いまでは考えられない編成だ。
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こともあろうに物書きや弁護士をなりわいとする人間が言論統制を正当化するような発信をおこなっていることにおどろく。あたりまえだが、今回の事態を受けて政治や特定の政治家に対する批判を自粛する必要など一切ない。同時に卑劣な暴力行為やヘイトスピーチのたぐいを断じて許してはならない。
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前回の記事では、河瀨直美監督の過去の作品をふまえて『東京2020オリンピック SIDE:A』に対する所感を綴りましたが、『東京2020オリンピック SIDE:B』はその「まなざし」のあり方が非常に大きな問題をはらんでいると感じたため、今回はその点について集中的に書きました。 bunshun.jp/articles/-/554…
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「アフター6ジャンクション」のナンシー関特集を聴く。町山広美さんが語った「TVに映ったものについてのみ書く」という点がまさに彼女のコラムの最大の肝で、それは揶揄的に書かれた芸能人にたびたび会って話したい(反論したい)と持ちかけられてもきっぱり拒否していたという逸話からもわかる。
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記事のタイトルは編集部によるものですが、じぶんでは「『私』と『私たち』のあいだに」というタイトルをつけていて、以前『朝が来る』のパンフレットに寄稿した作品評「この世に生まれた誰もがたやすく承認されるわけではないということ」の続きのつもりで書きました。 bunshun.jp/articles/-/548…
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問題行動が明らかになった人物がかかわった映画の公開に際して、その人物の名前のクレジットをはずすことがなんらかの「責任」をはたすことになるのだろうか。
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園子温の性加害の件に石井隆の作品を絡めて意見する向きがあるようだが、両者の作品に共通性を見出すか否か(僕はまったく異なるものととらえている)や個人的な好悪の問題は措くとしても、アンモラルな題材を描くことと実際的な加害の問題を並列して語るのはひじょうに危険だと思う。
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TOHOシネマズが独禁法違反容疑で調査を受けていることが報道されました。こうした大手の動向とミニシアターの現状は一見無関係に思われますが、私的独占の問題とミニシアターの疲弊・労働問題は映画産業構造の根っこの部分でつながっています。以下の記事でも少し触れました。 bunshun.jp/articles/-/483…
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一度拡散されてしまったフェイクニュースは、その後に訂正がおこなわれたとしても、完全に消去することはできず、場合によっては悪意のある人間によって繰り返し利用されてしまう、ということはNHKもさんざん報道してきたはずではなかったか。
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「放送後、視聴者から複数の問い合わせが寄せられたため、NHKは今年1月に再び男性に取材」とあるが、つまり視聴者が問い合わせなければ、不確定な情報が放置・拡散され続けていたことになる。いや、追加情報を確認しないひとは今後も事実として受け止めたままになるだろう。 asahi.com/articles/ASQ19…
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この記事を読むかぎり、きわめて信憑性の薄い証言を仮にも公共放送で垂れ流したNHKの責任はもちろん重大だが、そもそもこの男性に取材をした島田角栄氏の手法にも問題がありはしないか。島田氏自身はこの人物の証言に信憑性を感じていないということならば、それをきちんと明言したほうがよいと思う。
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毎日新聞の記事によれば、「金銭の受け取り」について男性が証言したのは「別のデモ」であり、取材の時点では五輪反対デモには「参加する意向」があっただけで、事後の確認でも「男性は五輪反対デモに参加したかどうか記憶があいまいだった」とのこと。 mainichi.jp/articles/20220…
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「男性が五輪反対デモに参加していたかどうか、確認できていない」にもかかわらず、「実はお金をもらって動員されていると打ち明けた」という字幕をつけて世論誘導を図った点が問題なのであり、不確かな情報を流布した責任の重さは計り知れない。新たに検証番組を放送すべき。 nhk.or.jp/osaka/notice/i…
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私も同意見です。性暴力描写は断じてギミックとして伏せ置かれるような「ネタ」ではありません。このことは映画宣伝においてもっと周知・共有されるべきと思います。 twitter.com/tal0408mi/stat…
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「河瀨直美が見つめた東京五輪」遅ればせながら録画していたものを観る。この番組じたいは中間報告的な映画のメイキングで、河瀨作品のような作家性は感じられない。問題の箇所は、河瀨監督から「大会期間中の東京の人々にカメラを向けてほしい」と頼まれた島田角栄監督によるインタビュー部分。
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問題の本質に切り込んだ神保哲生さんの解説。あらためて事の重大さに震撼する。 youtube.com/watch?v=Bo-2EE…
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「言いたいことはわかるけれど、質問の仕方がわるかった」という意見もあるが、僕はそうも思わない。「殺してしまった」という表現が重要なのだ。 twitter.com/torusano1124/s…
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日々少なからず絶望しながら生きているつもりだが、櫻井翔さんを非難することばの数々に、とうとうここまできたかという気持ちになった。2021年にもなって「お国のため」という字面をこれほど目にしようとは。
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ただ作品を上映するのではなく、シンポジウム等まさに「考える」場の併設が必要不可欠であると思いますし、キム・ギドクの犯した罪がどのようなものであったのかに(上映情報の告知のタイミングで)言及しなければ、それこそキム・ギドクという作家の正当な評価を阻害することになりはしませんか。
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こうした状況下で、被害者の傷をさらに深めてしまうかもしれない危険を冒してまでも、保障されなければならない「自由な視座」とはいったい何でしょうか。また、「キム・ギドクとはいったい何者だったのか」を考える機会をつくりたい、という企画意図にはとくに異論はありませんが、であるならば、