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才谷氏の取材でまず耳を疑ったのは、記事中にもある「『退職に関する事項について、今後一切口外しないことを確認し、誹謗中傷にあたるような言動はしないこと』という主旨の合意書」にかんして、今回取材に応じてくださった元スタッフの方々が「約束をやぶった」と主張されたことです。
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横浜地裁の長岡熊雄判事は、被災した市民から「警察部長から鮮人と見れば殺害しても差支ないといふ通達が出て居る」と聞き、そんなことはありえないと反論したが聞き入れられず、「如何にも誠しやかに話すので聞く人は皆真実の事のやうに思つて居る」と書いている(『横浜地方裁判所震災略記』)。
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<誰何して答へない者を鮮人と認め、ヘンな姓名であると鮮人と認め、姓名は普通でも地方訛りがあると鮮人と認め、訛りが無くても骨相が変つて居ると鮮人と認め(略)手にビール瓶か箱を持つて居ると毒薬か爆弾を携帯する鮮人だらうとして糺問精査するなど一時は全く気狂沙汰>(宮武外骨『震災画報』)
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『横浜の関東大震災』を著した歴史学者の今井清一は、司法省の調査報告について、他の調査結果と照らし合わせると「隠そうにも隠せない事件だけを集めた」ものであると指摘し、一方で「殺されそうになった朝鮮人を保護したことは、かなりのページを割いて詳述」する姿勢を厳しく批判している。
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「差別という概念」がないということは、じぶんが差別的な言動をとったかどうかも判断できないということである。つまり、どんなに差別的なことを言っても、「私にそんなつもりはありません」と強弁すれば(発言した当人にとっては)それで済むという理屈になってしまう。
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このひとは自称歴史通で城マニアらしいですが、要するにじぶんの趣味のために政治を利用しているだけです。 twitter.com/matsuzawaoffic…
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ひじょうにつらく苦しい内容をふくめ、複数回にわたって詳細にお話しくださったユジク阿佐ヶ谷の元スタッフの方々に心から感謝いたします。元スタッフの方々の声は以下のアカウントを通じて発信されています。 @yjkstaff
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7月23日に開館するというこの映画館は事実上、ユジク阿佐ヶ谷の館名を掛け替えて運営される館です。先日のアップリンクのスタッフ募集の件もそうですが、ハラスメント問題について十分な発信がないまま、新たな人員を募集されていることに非常な違和感と危機感をおぼえます。 nettam.jp/career/detail.…
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西成を舞台にした映画『解放区』の大阪アジアン映画祭での上映を「地域への偏見」を理由に中止に追い込んだ大阪市は、一方で吉本興業との利権プロジェクトを次々に推し進め、数多の文化拠点を目先の金欲しさに売り渡している。「まちこわし」の真の主導者はだれか。 twitter.com/re_ndj/status/…
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震災後の惨状のなかで被災と虐殺の区別がついたのか、なぜ朝鮮人と特定できたのか、という愚かな疑問を呈する者もいる。当時、どの場所に朝鮮人の住居や仕事場が密集しているかは多くの日本人に周知されていた。実際、横浜では中村町周辺や神奈川の浅野造船所など朝鮮人の居住・労働区に犠牲者が多い。
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まずは元スタッフの方々の被害の実態を知っていただいたうえで、いま現在、ユジク阿佐ヶ谷(現Morc阿佐ヶ谷)の経営側はこうした訴えになんら誠実な対応を示しておらず、ゆえに問題の解決には程遠い状況がつづいていることを多くの方に認識していただきたいと思います。
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鈴木達治は先の文章で「(李君のような)人道主義の実践者が一般民衆の敬慕の的となる様な日が、一日でも早く来ることが望まれる」と書いているが、残念ながら李誠七の名は一般にほとんど知られておらず、それどころか虐殺否定論が流布され、それを支持する政治家も少なくないのが日本の現状である。
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このような状況下では、朝鮮人と間違われて殺された他の外国人や日本人も大勢いた。実際にリンチを受けている現場を目撃したという証言のほか、木や柱に縛られていたり、棍棒による打撲の痕、刃物による刺し傷などが見て取れたため、虐殺の犠牲となったことは明白だった。
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「放送後、視聴者から複数の問い合わせが寄せられたため、NHKは今年1月に再び男性に取材」とあるが、つまり視聴者が問い合わせなければ、不確定な情報が放置・拡散され続けていたことになる。いや、追加情報を確認しないひとは今後も事実として受け止めたままになるだろう。 asahi.com/articles/ASQ19…
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李誠七とともに虐殺犠牲者の慰霊碑建立に尽力したのが元海軍大佐の村尾履吉だった。震災後、自宅のあった三ツ沢の空き地に犠牲者の遺体が放置されていることを見かねた村尾は、みずから穴を掘って遺体を埋葬し、さらに後年、自費を投じて三ツ沢墓地に朝鮮人無縁仏の納骨塔を建てた。
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通販生活の意見広告は特定の政党への投票を呼びかける内容ではなく、原発や改憲について「公平」な議論、意思表示を可能とする仕組みをつくるべきと訴えている。それに対してファッション誌を利用した自民党の宣伝はどうか。一方は大手メディアから封殺され、一方は大出版社と広告代理店のお墨付きだ。
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『神奈川県警察史』も同様で、「関東戒厳司令官告諭、陸軍当局談、あるいは勅令等によって流言の拡大を防止しようとした」ものの、不安に駆られ「異常心理」に陥った民衆が自警団を組織して虐殺をおこない、警察はこれに対応すべく「(朝鮮人の)保護に努力をつくした」という記述になっている。
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どんどん出てきますね、こういうひと。 twitter.com/satonobuaki/st…
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あるいは、彼らはこれが差別的であることなど十分に承知のうえで、「これくらい煽らなきゃ反響がないからね」くらいに思っているのかもしれない。いずれにせよ、このような記事が平然と公開されてしまうことじたい、ヘイトクライムへとつながる恐るべき「空気」の存在を象徴している。
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同時にこうした場面では、境遇を同じくする者、いわば「じぶんと同じ他者」という視点からも時に反発が巻き起こるが、その主張もやはり突き詰めれば「同じ他者」のなかの「違い」に対する想像力を欠いていると言わざるをえない。 twitter.com/torusano1124/s…
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「河瀨直美が見つめた東京五輪」遅ればせながら録画していたものを観る。この番組じたいは中間報告的な映画のメイキングで、河瀨作品のような作家性は感じられない。問題の箇所は、河瀨監督から「大会期間中の東京の人々にカメラを向けてほしい」と頼まれた島田角栄監督によるインタビュー部分。
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<ライズィング・サン(シェル石油)社のビル・ブラッチは、三年前にいっしょに十日間の山登りをしたこともある私の若い友人であったが、鎌倉の村で、朝鮮人容疑者と間違えられて、一団の暴徒に襲われ、(略)棍棒でめった打ちにされて死んでいたのである>(O・M・プール『古き横浜の壊滅』)
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岩田氏が被害者の方に電話をしたのは「小誌・編集部が岩田からの謝罪文の送付を待っていたタイミングで、預かり知ることができませんでした」とありますが、被害者の方の電話番号を岩田氏に教えたのは「小誌・編集部」なのでしょうか、それとも双葉社の担当者なのでしょうか。 twitter.com/eigahiho/statu…