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こういうことを書くと、「それはあなたに言っているのではない。犯罪者に対して言っているのだ」と反論されるのだろうが、少なくとも僕は、どん底まで落ち込んでいるとき、じぶんは生きているだけで罪を犯しているに等しい人間だと思っていた。
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『十二人の怒れる男』の陪審員たちは、それぞれの立場から意見をぶつけ合うが、ある陪審員(映画でエド・ベグリーが演じる)がその本性を現して差別的なことばを吐いたとき、他の11人は議論を拒否し、「金輪際あなたの話は聞きたくない」と言う。ヘイトは思想ではないからだ。 asahi.com/articles/ASN36…
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ようやく吉本興業の話に戻った。そして、田村亮さんが吉本興業とTV局の癒着に言及。この点を徹底的に深めてほしい。
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草彅剛さんがYouTubeのご自分のチャンネルでアップされている、ジーンズについてただひたすら熱く語る動画を、空いている時間につい観てしまう。好きなものについて語りたい、語ろう、という原初的なよろこびに満ち満ちていて、とてもすがすがしい気分になる。
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「愛は勝つ」を「それが大事」と一緒にされてはひじょうに困るし、さらにKANの音楽的才能に敬意を抱く者の一人として言わせてもらうが、「愛は勝つ」のイメージが先行しすぎたためにKANのあまたある名曲の数々が本来聴かれるべきひとたちに聴かれていない状況は日本のポップシーン最大の不幸である。
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マスコミがもちいる「魔性の女」というフレーズ。さまざまな人生の変転、愛のかたちをことごとく単純化し、週刊誌的文脈のなかに一人の女性の人生を収斂させようとする想像力の貧しさを感じる。
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かつて地上波TVでは、ハリウッドの娯楽映画やジブリ作品だけでなく、ヴィスコンティもフェリーニもブニュエルも真っ昼間やゴールデンタイムにふつうに放映されていた。タルコフスキー『惑星ソラリス』の90分吹替版とか、ベルトルッチ『1900年』の吹替版3夜連続放映とか、いまでは考えられない編成だ。
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稲垣吾郎さんが文化放送の番組「編集長 稲垣吾郎」で文藝別冊『大杉漣 あるがままに』の話を。コロナウイルスで大変な時期にもかかわらず、漣さんのことならと取材を受けてくださった稲垣さん。「そのとき」をじっくりと思い起こしながら語る、一言一言に想いが宿っていた。
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報道番組での若一光司さんの激烈な批判(これは「キレた」のではなく、正当な「批判」である)。ある特定の場において、時に「空気を読まない」ことがいかに重要であるかを端的にあらわした事例ではなかろうか。
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志らくさんも貞本さんも、あとからあれこれ理屈を付け加えているけれど、差別やヘイト発言を繰り返すひとたちをまんまと勢いづかせていることは自覚されたほうがよいと思う。「俺が思ったことを発信するのは自由だろう」で済む問題ではない。
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『Fukushima 50』。最大の疑問はキネ旬の星取評に書いたとおり。いまこの題材を映画にするならば、まず表現の主体がどこにあるのかが問われるはずだが、海外メディアによって付された呼称をそのままタイトルに冠したこの映画は、能動的主体をもたず、あるいは意図的に伏せて「事実」を描写していく。
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紙媒体の記者はそれでも多少は踏み込んでいるが、TVレポーターの質問はこのかんワイドショーでさんざん取り上げられた闇営業をめぐる認識と仲間に対する思い云々といった浪花節に終始。いまそこで明らかにされている事実をつかまえることもできず、いったいなにを「レポート」するというのだろう。
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日々少なからず絶望しながら生きているつもりだが、櫻井翔さんを非難することばの数々に、とうとうここまできたかという気持ちになった。2021年にもなって「お国のため」という字面をこれほど目にしようとは。
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「法要ですべての震災犠牲者を追悼している」などという詭弁を弄する政治家がいるが、虐殺の犠牲者は震災を生き延びたにもかかわらず、その後に人間の手で殺されたのである。自然災害の犠牲者と同一に語ることはすなわち虐殺を否定することにほかならない。 tokyo-np.co.jp/article/128203
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文春オンラインで取材記事が公開されました。2部構成となっており、第2回は近日公開予定です。 bunshun.jp/articles/-/481…
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私も同意見です。性暴力描写は断じてギミックとして伏せ置かれるような「ネタ」ではありません。このことは映画宣伝においてもっと周知・共有されるべきと思います。 twitter.com/tal0408mi/stat…
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田村亮さんの腹のくくり方、すごい。
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だからあのとき、「一人で死ね」ということばが聞こえてきたら、それは確実にじぶんに向けられていると感じただろう。
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立花氏はNHKで経理の仕事をしていたそうだから、制作と編成の決定を受けて入出金の処理くらいはしたのかもしれない(それでも予算を充てるかどうかの決定権はもっと上の部署にある)。どう解釈したところで、それを「買い付けてきた」とはふつう言わないだろう。
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私は「犯罪者の烙印を押されたものは社会から抹殺されるべき」とは考えておらず、「(作品を)どう評価するかは見た人に委ねられる」という点にも同意します。ただし、映画を「見せる」立場にいる者は、「観る」立場にいる者とは決定的に異なる責任を負っているはずです。 twitter.com/kkd_jouei/stat…
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子どもの頃からマジメな話をするのが好きなので、「そんなマジメな話はやめて、もっとたのしい話しようよ」と言われることに違和感がある。マジメな話がたのしいんだよ。
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松井大阪市長の性差別発言を指摘した記者はえらい、というかこれがあたりまえの姿勢になってくれなければ困る。たとえば麻生太郎のように他人を侮辱することで悦に入っている人間の話をハイハイと頷いて聞いていてはいけない。
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くまざわ書店が置かないようにしているのは「保守書籍」ではなく「ヘイト本」です。 twitter.com/seirindo_book/…
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キネマ旬報誌上での『Fukushima 50』の評価について、産経新聞に取材を受けました。「めったに見られない最低評価」とありますが、実はこの少しまえにも、僕を含む3人の評者が全員★1つをつけた映画はあります。 special.sankei.com/a/entertainmen…