初版道(@signbonbon)さんの人気ツイート(リツイート順)

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太宰治と同じ三鷹の山本有三は「太宰治様とは年代もちがいますし残念なことに何の交渉もございませんでしたのでなんの資料も持ち合わせておりません」と。しかし娘の玲子さんは『人間失格』執筆中の太宰と熱海で会い、夫(後の新潮社社長)と相合傘を勧められ「イヨーッ!。ご両人!」と言われています。
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芥川龍之介が『奉教人の死』で触れたキリシタン版の書物を、多くの人が実在すると思い込んだのは有名な話ですが、谷崎潤一郎によれば『春琴抄』でも、春琴と佐助の墓がどこにあるのか、読者から問い合わせの手紙がかなり来たそうです。意図しなくても、それだけ芥川と谷崎の筆は冴えていたのでしょう。
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太宰治の第一小説集『晩年』の献呈署名識語入り初版本です。処女単行本を「唯一の遺著になるだらう」と考え『晩年』と名付けた太宰は、多くの献呈本に毒を含んだ言葉を添えて寄贈。先輩でも遠慮はありませんでした。どの言葉も太宰らしく、何冊でも欲しくなります。ちなみに新居宛はアンカット本です。
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今日は中島敦の誕生日です。谷崎潤一郎や芥川龍之介に負けず、敦の学校の成績は抜群でした。京城中学校(現ソウル)では開校以来の秀才と言われたそうで、今の東大より遥かに難関の旧制一高にも飛び入学しています。小学校での2回の転校や父母(義母2人)との不和も敦の天分を損なうことはなかったのです。
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三島由紀夫は梶井基次郎について「氏は日本文学に、感覚的なものと知的なものとを総合する稀れな詩人的文体を創始したのであります」と書いています。梶井文学をこれほど適切に表現した言葉を他に知りません。
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谷崎潤一郎は署名本に印を捺すことが多く、しかも色々な印を用いた数少ない作家です。家蔵の署名本だけで8つの印が使われており、近代作家では突出しています。いくつ読めるでしょうか?