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今日2月17日は、梶井基次郎の誕生を祝うもよし、命日の坂口安吾を偲ぶのもよいでしょう。しかし文豪森鷗外の誕生日(新暦)であることも、どうぞお忘れなく。
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今、目の前に調査の依頼を受けた太宰治直筆の新出資料があります。80年以上前に書かれ、もちろん全集未掲載です。お酒を飲むよりもサウナに行くよりも、こういう物を見ている方が一日の疲れが飛んでいくのはおかしいでしょうか。いやきっと、このアカウントをご覧の皆様はわかってくださると思います。
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谷崎は食べるのが速いので、よく煮たもの以外箸をつけない鏡花は鍋の中に仕切りを置き「君、これは僕が喰べるんだからそのつもりで」と。しかし谷崎は忘れ、鏡花が「あツ君それは」と言っても間に合わず。その時の鏡花の情けない顔つきが可笑しくて、谷崎はわざと食べてしまったことも。悪い奴ですね。
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芥川龍之介(の文学)が好きな人の中には、太宰治(の文学)は嫌いという人も結構いますが、太宰は好きで芥川は嫌いという人は少ない気がします。太宰は芥川が好きだったけれど、芥川は太宰を知らなかった(だから好きも嫌いもない)ことが影響しているのでしょうか。ちなみに二人とも好きです。
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明治時代に書かれた泉鏡花の新出の俳句が、令和になって大量に見つかるのだから、くどいようですが日本近代文学は眠れるお宝がまだまだ山のようにあります。発掘するのは皆さんかもしれません。
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萩原朔太郎は堀辰雄に「自分は怪談と云ふものを好まない。ちつとも怖いと思つたことがない。しかし、さう云ふ怪談にエロチツクな要素が這入つてくると、それが妙に怖くなり出す」と語り、『牡丹燈籠』を好みました。朔太郎が江戸川乱歩の作品を愛したのも「エロチツクな要素」が一要因かもしれません。
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芥川龍之介は室生犀星について、「僕を僕とも思はずして、『ほら、芥川龍之介、もう好い加減に猿股をはきかへなさい』とか、『そのステツキはよしなさい』とか、入らざる世話を焼く男」だが、「僕には室生の苦手なる議論を吹つかける妙計あり」と書いています。「僕を僕とも思はずして」がいいですね。
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芥川龍之介「僕の佐藤春夫評は当てにならん、概して佐藤の書いたものを悪かつたと思つたことは稀だからな。」田山花袋「そんなに好いですか。」芥川「ちよつと気持ちが贔屓なのですね、だから公平な判断は外の人から聞いた方が好いかも知れない。」これを読んだ春夫は、さぞかし嬉しかったでしょうね。
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「だまされる人よりも、だます人のはうが、数十倍くるしいさ。地獄におちるのだからね。」(by太宰治)
太宰の言う「地獄」は来世のそれではなく、「生き地獄」のことなのかもしれませんね。
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芥川龍之介の死を悼む名言はたくさん残されていますが、個人的には菊池寛の弔辞や泉鏡花のコメントと並んで、広津和郎の言葉が胸を打ちます。「芥川は、死ぬ時、兜のなかに香を入れておくやうな心がけの男であつたなあ・・・やつぱり、芥川は、ういやつであつたなあ・・・」
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かつて芥川也寸志さんと会った時「お父さんもこの声に近かったのかな」と思いました。龍之介は「低く静かな、それでいて力強く、たくましいとさえ言ってよい声」「名鐘の余韻に近いような声」だったという証言があります。個人的には、漱石芥川賢治中也太宰が、肉声を聴きたかった近代作家五人衆です。
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太宰治の初版本に関する嬉しい新発見のお知らせをいただきました。間違いなく、この情報で日本一興奮するのは自分なのですが、太宰ファンであれば誰でも喜んでくださるでしょう。今月中に発表があると思います。どうぞお楽しみに!
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中学生の時、作文で一生と生涯の両方を使ったら「同じ意味の言葉は一つにしなさい」と先生に言われました。そこで「三島由紀夫は2.3行ごとに同じ言葉が出てこないように注意して「病気」と書いたら次に「やまひ」と書こうとしたそうです」と話したら「お前は三島ではないだろ」と。残念な先生でした。
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大学生の時、読書家だった友人が急に本から離れたので理由を尋ねたら、「1日1冊読破という目標を達成しようとするあまり、本を読むのが楽しくないを通り越して、苦痛にさえなってしまった」と。何事も目標がノルマに変わってはいけないということでしょう。
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室生犀星は早くに太宰治を評価していた作家の一人でした。『虚構の春』について「人を莫迦にした作品だといふ人もゐたが」「萩原朔太郎氏の初期の詩も北原白秋氏の『邪宗門』もともに当時にあつて変梃子な風変わりなものであつた」と。昭和11年になっても朔太郎と白秋を例に挙げるところが犀星ですね。