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今日は芥川龍之介の命日「河童忌」です。昭和2年7月は連日猛暑で、今年も東京は真夏日でした。「僕は一番暑い日に死んで、みんなを困らしてやるんだ」と言っていた芥川は、天国で微笑んでいるでしょう。ちなみに内田百閒は「あんまり暑いので、腹を立てて死んだのだろうと私は考えた」と語っています。
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草野心平語録
①「若い文学の友よ。どうか白秋を読んでくれ。その厖大さに遠慮なく驚いてくれ。」
②「現在の日本詩壇に天才がゐるとしたなら、私はその名誉ある「天才」は宮沢賢治だと言ひたい。」
➂「中原よ。地球は冬で寒くて暗い。ぢや。さやうなら。」
心平も間違いなく天才詩人だと思います。
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夏目漱石の全集未掲載の文章を発見しました。内容も非常に興味深いです。「日本の古本屋」で近代文学専門店ではない古本屋から購入。ネットは誰もが公平に資料を入手できるチャンスがあります。
漱石が語る文学観 作家は「如何に世の中を解釈するか」:朝日新聞デジタル asahi.com/articles/ASM5Y…
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室生犀星は毎年早春になると、泉鏡花に軽井沢のウドとワラビを送っていましたが、必ず電報でお礼状が来て、翌日には虎屋の羊羹が届いたそうです。いかにも鏡花らしい律義さに、同郷の後輩である犀星は恐縮したとか。それにしても、昔も今も虎屋は大したものであります。
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今日は武者小路実篤の誕生日です。実篤を始め志賀直哉・谷崎潤一郎などは、
当時の平均寿命を遥かに超えて生き、近代文学史に大きな足跡を残しました。いつの時代も、芥川龍之介・中原中也・太宰治など若くして亡くなった作家に人気は集まりがちですが、天寿を全うした誠にあっぱれな人生であります。
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川端康成の「坂口安吾氏の文学は、坂口氏があってつくられ、坂口氏がなくて語れない」という弔辞は有名だし名言に違いないけれど、個人的には「安吾はよく書き、よく褒めた。褒めるのは自分の書いたものにきまっている」という石川淳の言葉の方が好きです。
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次に紙幣の人物が変わる時は与謝野晶子を入れてほしいです。『みだれ髪』で短歌の革新を成し遂げ、源氏物語を現代語訳し、11人の子どもを育て、教育と女性の地位向上に尽力した晶子。「君死にたまふことなかれ」が紙幣登用の逆風になってはいけないと思います。令和に相応しい平和を願う歌なのだから。
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泉鏡花は小説を書くことについて「何よりも楽しい、嬉しい、懐しいものだと思つて居る」と語っています。「小説を書くのが実につらい」とこぼしていた芥川龍之介が聞いたら卒倒しそうです。
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三島由紀夫は大蔵省勤務時代に大臣の演説の草稿を書き、課長に文章が下手だと言われ、上司が根本的に直した文章は「感情や個性的なものから離れ、心の琴線に触れるやうな言葉は注意深く削除され」ていたそうです。三島が早くに大蔵省を辞めたことは、日本の近代文学にとって誠に幸運だったと思います。
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芥川比呂志は昭和21年、「新ハムレット」上演許可のため青森県金木町の太宰治を訪問。津島家の女性たちは「芥川さんのご令息が!」と驚き、女中の一人は「いい男だな」と。太宰はすぐに許可を与え、そしてひっきりなしに話し、笑ったそうです。初対面の比呂志に父龍之介の面影を重ねたのでしょうね。
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「梶井基次郎、中島敦、太宰治の三人のことを、いまの文学青年の「三種の神器」と称するそうである」と安岡章太郎が書いたのは昭和39年です。それから55年。平成から令和になろうとしている今日でも、この「三種の神器」は変わっていないのかもしれませんね。
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新元号の出典が「万葉集」だったので、天国の太宰治も喜んでいるでしょう。彼のペンネームの由来については諸説入り乱れているけれど、本人は妻美知子と女優関千恵子に「万葉集」と明言していますから。ちなみに、金子みすゞの「みすゞ」は「万葉集」の枕詞(の誤読)に由来するそうです。
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坂口安吾は「芥川は太宰よりも、もつと大人のやうな、利巧のやうな顔をして、そして、秀才で、おとなしくて、ウブらしかつたが、実際は、同じ不良少年であつた」「芥川も、太宰も、不良少年の自殺であつた」と書いています。太宰はともかくとして、芥川を不良呼ばわりできる安吾は凄いです。
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芥川龍之介にロシヤ煙草を買い占めたと抗議された上山草人は、ほぼ全部を贈呈しましたが、芥川はそれを返送。送り状には「こんなに戴いては申しわけがない」「御好意に背かないために一本だけ頂戴する」と。他人への心遣いは命を縮める一因になったけれど、そんな彼を周囲の誰もが愛したのです。
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「だまされる人よりも、だます人のはうが、数十倍くるしいさ。地獄におちるのだからね。」(by太宰治)
太宰の言う「地獄」は来世のそれではなく、「生き地獄」のことなのかもしれませんね。
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