たられば(@tarareba722)さんの人気ツイート(古い順)

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まずプーチンにとって「(国家)主権」とは、「同盟関係に頼らずとも軍事的独立を確保できる状態」を指しており(彼にとってそれに適合するのは中国やインドなどごく少数の核保有国)、ウクライナはそもそも主権が存在していないと考えている節がある(ドイツですら「主権なし」という発言があった)。
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この発想は今回のウクライナ侵攻の初期戦術(のグダグダさ)にも影響していて、ウクライナは「ロシアと共に生きる」か「西側(アメリカ)と共に生きる」かの2択でしか主権は存在しない(しつこいが「プーチンにとっては」)わけで、だからゼレンスキー大統領を含むごく一部の政権幹部を取り除けば、
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「ウクライナはロシアと共に生きる…となるはず」、と考えていたのでは。加えてこの思想が根底にあるならば、いまのプーチンの大きな苛立ちもわかる。ウクライナ軍は大変善戦しているし、戦術と装備が嚙み合ったことも大きいが、ロシアのこの思い違いが現在の状況に大きく関係していると考えられる。
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ただ、ロシアの今後の手段として、ウクライナの狙い(負けない状態を引き延ばし停戦や西側の本格介入を狙う)を挫くとしたら、無差別攻撃くらいしかなくなる。ロシアはチェチェンでもシリアでもそれをやった。やらない理由はプーチン自身も語る「ウクライナは兄弟民族」という思い込みくらいしかない。
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これを止める手段のひとつとして、西側による「飛行禁止区域の設定」がある。ただ現時点ではアメリカもNATOも「そこまではやらない」と言っている。とはいえ先週くらいから空気が変わってきていて、今後、市街戦や無差別爆撃が増え、凄惨な映像がSNSなどを通じて流れた場合、どうなるかわからない。
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では「空気」が変わって、実際に西側が飛行禁止区域を設定、あるいはポーランドなどが本格的にウクライナへ戦闘機を供与した場合、どうなるか。 ロシアの軍事思想では、それは「西側による参戦」と捉えるだろう。 そしてそうなった場合、一気にNATOとロシアの戦争になるか。
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常識的に考えると、現在、ロシア軍はウクライナ軍単体に対して相当程度苦戦しているわけで、そうした状況ではNATOとはとても戦えない(「戦わない」ではなく「戦えない」)。そうなると、限定的に、デモンストレーションとして「核(もしくはそれに準ずる兵器)を使う」という発想が出てくる。
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ロシア軍部は、戦闘において自分たちが劣勢になった段階、あるいは「第三勢力」が参戦すると劣勢に陥ることが目に見えてる時点でどうすればその参戦を止められるか、加えてどうすればその停める手法が第三次世界大戦にまではならず、核を使えるか…ということを、25年くらいの間ずっと研究してきた。
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この「エスカレーション型の限定核使用」は、いまの状況と非常に似ているわけで、「やらない」と考える理由がない。ただ、今後次第だが、正直なところここまで進むのか、どう進むかはわからない(なお「核兵器でない抑止戦力(非核戦略抑止戦力≒巡航ミサイルなどを指す)使用の可能性もあるそう)。
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(中国やトルコが仲介役として名前が出ていることに関して)前回(2014年のクリミア)は、独仏が仲介に入ってミンスク合意が結ばれたわけだが、今回それが破られた。もう一度西側諸国のどこかが仲介に入るのは難しいだろう。ただ中国の場合、一度や二度、交渉のホスト役を務めることはできるだろうが、
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ロシアとウクライナ、もしくはロシアと西側諸国の間にしっかり立って、両者に言い分を呑ませる役を担うのは、(中国では)能力としても動機としても疑問が残る。トルコの場合はNATO加盟国でありながら、シリアという交渉カードを持っていることもあり、また露宇両国との関係もあるので、可能性はある。
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(日本として何ができるのかという質問に対して)まず今回、米国でさえ事態を動かしあぐねているなかで、簡単に「何かができる」と思わないほうがいい。ただ大きな流れのなかで日本なりの役割を果たすことはできるだろう。現在の状況とポジションを考えると、現時点ではかなり頑張っていると思う。
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(これはウクライナへの経済支援だとか、自衛隊からの非殺傷装備の提供だとか、西側諸国と連携した官民そろってのロシアへの経済制裁への参加、民間による支援金なども含まれるのでしょうね…とメモっていたら、それに加えて、と、以下)。
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特に今回、防衛省自身が積極的に情報を出しているし、防衛研究所(防衛省の主要な調査研究機関)もメディアにたくさんの研究員を積極的に出しており、視聴者へ広く丁寧に説明している。日本としては、「安全保障の一環としての世論形成の取り組み」を、初めてしっかりやった例、と言えるのではないか。
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以上、大変興味深い講演でした。かなり長いですが(質疑応答合わせてみっちり1時間50分あります)、やはり専門家による専門分野レクは長く語らせてこそ本領を発揮するものだし、今こそ聴く価値のある講演だと思いますので、ぜひ皆さまご視聴を。 youtu.be/r0a3s5Y50yo
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【書き漏らしたメモ】「どの国にも極右的な思想の持ち主や、それを公言する政治家はいる。極左的な政治家もいる。けど大国ではさまざまな障壁があって、極端な思想は実践されない。なぜ今回はそれが、しかもこれまで老獪と言われていたプーチンによって実行されてしまったのかを考える必要がある。」
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【メモ2】「20年前からプーチンは(世界は経済的軍事的に)米国の一極支配でなく多極化が必要だと言っていた。それに関してプーチンは、ある種【欧米もその多極化を歓迎する】という期待があった。欧米各国への尊敬もあった。その期待や尊敬が20年かけてなくなり、我慢の限界を迎えたのではないか。」
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【メモ3】(今後ウクライナの「街単位での降伏(武装解除)」はあり得るか、また降伏すれば住民は安全か)「わからない。各市長の判断でいま街を守るウクライナ軍に退去や武装解除を呼びかけることは出来るだろうが、その先で住民に何が起こるかは、ロシア軍各司令官の判断と占領部隊の規律次第。」
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英国議会でシェイクスピアを引用してみせ並み居る議員の心にくさびを打ち込み、期せずして世界中の「古典を学んでなんになるのか論」にまで一例を刻んだゼレンスキー大統領。(でも、身につけた教養をこんなところで使いたくはなかっただろうな、、、ともすこし思うなど)
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気の利いたことを言おうと思わなくていいんですよ。祈りも黙祷も、第一義的にはいまを生きている人のためのものであって、心の傷も記憶も、過去との付き合い方は変わってゆくのが当たり前であって。
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なお、3/8の英国下院議会でのゼレンスキー演説における『ハムレット』の引用、あれって単に「生きるべきか、死ぬべきか」というフレーズが有名だったから…というだけでなく、前後の文脈もしっかり踏まえているんですよね。というのも、原文「To be, or not to be, that is the question」の続きは、
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「Whether 'tis nobler in the mind to suffer The slings and arrows of outrageous fortune, Or to take Arms against a Sea of troubles.」 私訳/どちらが雄々しい態度だろうか…。不法な運命の矢弾に耐え忍ぶ道か、武器をとり困難の海に向け抗う道か。 …と続くわけです。
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この「a Sea of troubles(困難の海)」が、さらにこのあとのチャーチルの元演説を引用した「海で空で、われわれは最後まで戦う。いかなる犠牲を払おうとも、われわれの土地を守るために戦い続ける」まで繋がるわけですね。実に計算された演説だと思います。
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少なくとも英国下院議会でこの演説を聞いた議員たちには、『ハムレット』のこの一文からチャーチルの演説にまで繋がるフレーズを脳内で結び付けただろうし、その繋がりでさらなる万雷の拍手に至ったのだと思います。なんというか、すごいものを見ているな…という気がします。 twitter.com/ReutersJapan/s…
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BS日テレ『深層NEWS』佐藤正久議員「(ロシアがマリウポリの産科や小児科病院を爆撃した報道について)今回は無誘導弾が病院に当たった可能性もあるが、ロシアはシリアでわざと病院を狙ったことがある。住民の心を挫き兵士の回復を阻むためだ。ウクライナでやらないとは言えない。」 外道が過ぎる。