草木のこと(@herecomethewar1)さんの人気ツイート(リツイート順)

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Trachelospermum asiaticum 平安の末期、後白河天皇の皇女であり歌人の式子内親王を愛した藤原定家が死後も彼女のことを忘れることが出来ず、生まれ変わってこのテイカカズラとなり彼女の墓に絡みついたという。ジャスミンに似た香りを持つが有毒植物。葉や茎を切ると流れる乳液には触れないこと。
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Coprinus plicatilis ヒメヒガサヒトヨタケ、漢字で書くと「姫日傘一夜茸」柴田錬三郎か山田風太郎の妖しい忍者小説にありそうな名前。図鑑で調べると食用価値なしとあっさりと切り捨てられてしまった。朝に開き午前中には萎んでしまう傘。儚い女忍者。
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Corydalis ambigua エゾエンゴサク、漢字で書くと蝦夷延胡索。漢字の書き取りが苦手だった自分としては敬遠したい気持ちになる野草。北海道から東北日本海側に自生。毒性はなく、地上部は加熱調理して食べることが出来る。塊根はアイヌ語でトマと呼ばれ保存食として利用されるらしい。
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雪に埋れた庭、立ち枯れた一年草、葉を落とした木々。冬には春や夏にはない美しさがある。冬は「殖ゆ」に通じる。咲き乱れる花々だけが、生命ではない。そして、そのことを解る人たちと僕は通じたいと思う。
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11月11日は英国でポピー・デイと呼ばれる第一次世界大戦の犠牲者を追悼する日。写真のポピーは、パディ・ハートレイによる保存処理された羊の心臓組織を素材とした作品。キュー・ガーデンでも現在展示中らしい。何処と無く静かな狂気を孕む作品。
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Cichorium intybus チコリー、キク科の多年草。和名は菊苦菜。サラダに入ったチコリーからこんな綺麗な青い花を思い浮かべることが出来るだろうか?サラダに入ったチコリーは肥培した株から出させた芽を遮光栽培したもの、花をつけることを禁じられた存在。だから僕らは花のことを忘れて貪るのか?
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Phyllanthus urinaria コミカンソウ、別名狐の茶袋、コミカンソウ科の一年草。葉は夜間就眠運動をする。名前の由来は、果実の見かけが小さな蜜柑を思わせることから。また国によってはハーブとして利用する文化もあり、葉を煎じる。抗酸化作用があり、薬効もあると言う。
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Osmanthus fragrans var. aurantiacus キンモクセイ、中国南部原産で日本には江戸時代に渡来。雌雄異株だが日本には雄株しか入っていないので結実しない。桂花陳酒や桂花茶に使われることなどから中国名を桂花と思うが、実は丹桂が正しい中国名。モンシロチョウなどはこな花の香りを嫌う。
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Viscum album ヤドリギ、漢字で書くと宿り木もしくは寄生木。光合成は出来るので半寄生植物に分類される。ケルト信仰では神聖な植物とされ、特にオークに寄生したヤドリギは殊の外珍重されたという。そのためクリスマスにヤドリギを飾ったりした。冬の木立ちにヤドリギを見つけると何となく気分イイ。
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Protea cynaroides キング・プロテア、南アフリカ原産ヤマモガシ科の常緑低木。キングの名に相応しくプロテアの中では最大級の花を誇る。実際にはどうなのか分からないけれど、恐竜のいた時代から咲いていたような、そんな花。
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tonic water、カクテルなどに使われるトニックウォーター。炭酸水と何が違うのか、よく分からず使っている人もいるかもしれない。トニックとは何種類かの植物性もしくは動物性の物質をアルコールで抽出した強壮剤を意味する。トニックウォーターは炭酸水に香草類や柑橘類のエキスと糖分を加えたもの。
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natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/19/0… テルアビブ大学の研究者リラク・ハダニーの発表によると、植物には音を感知する能力がある。研究対象となったマツヨイグサは花をパラボラアンテナのように機能させ、ミツバチの羽音を感知しその蜜の糖度を3分以内に上昇させたと言う。詳しくはリンク先の記事でどうぞ。
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マクドナルドのフレンチ・フライに使用されているのはラッセル・バーバンクという種類のポテト。日本で良く流通しているジャガイモに比べて長いのが特徴。このポテトを作ったのはルーサー・バーバンクという育種家。この人がいなければ現在の農業も園芸も違ったものになっていたかも知れない程の人。
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Laurus nobilis 月桂樹、アポロンの求愛から逃れるため月桂樹に姿を変えたダフネ。それでもダフネを忘れることの出来ないアポロンは月桂樹の葉を冠にして身につける。葉には強いアルコール吸収抑制活性が認められるという事なので失恋に自棄酒するアポロン達にはお勧めすべきかもしれない。
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Taxus cuspidata イチイもしくはアララギ、中部地方以北では庭木や生垣にもよく使われるため馴染みのある木だと思う。この果実も甘く食べることが出来る。ただし種子にはタキシンという有毒成分が含まれるため注意が必要。数粒も飲み込んでしまうと中毒症状から麻痺を起こし呼吸困難に陥り死に至る。
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hyper- accumulator ハイパー・アキュムレータ(重金属蓄積性植物)、動物と異なり植物の栄養源はすべて無機物である。そして中には栄養源以外の重金属まで体内に取り込んでしまうものもあり、土壌汚染された土地などの浄化を期待したりもする。人の手で汚しておいて何期待してんだって話だけど。
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lycoperdon perlatum ホコリタケ、「悪魔の嗅ぎタバコ入れ」とか「パフ・ボール・マッシュルーム」なんて英語圏では呼ばれている。とても口に出来ないような外見だが、食べることが出来、ハンペンのような食感とのこと。漢方では「馬勃」と呼ばれ咽頭炎、扁桃腺炎、咳などに効果があるとされる。
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thisiscolossal.com/2016/11/incred… 森のキノコたちの成長を低速度撮影したもの。不思議な美しさがあり、ずっと見ていたい想いにかられる。キノコの魅力的な姿と時間と云う僕たちの理解を超えたものが重なり、本当に幻想的で魅了的な映像を作る。
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かつてイギリスはインドで栽培したケシから阿片を精製し中国に売った。その利益で茶葉を買い、中国は茶葉を売った利益でまた阿片を買った。イギリスに持ち込まれた茶葉は輸入税と販売税になり、英国に富をもたらした。その財力によって産業革命が推進された。2つの植物によって作られた人類の歴史。
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ドングリを採取して暮らした縄文人、米の水耕栽培をはじめた弥生人。ドングリを採取するために木を栽培することも縄文時代に行われていたらしいが、米の水耕栽培には協働が必要になってくる。どちらも植物の種ではあるがそれを利用しようとする人の暮らし方には大きな違いが出てくる。
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造り酒屋の軒先に吊るされた杉玉。酒林とも呼ばれ、新酒の搾りが始まったことを知らせる。はじめは蒼々とした杉玉が徐々に枯れて行く様が新酒の熟成を伝える。また吉野杉は日本酒の樽として最高と云われ、昔はすべての酒が杉樽の中で育てられた。
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植物が互いに地中の菌類を介してコミュニケーションを取っているらしいという最近の研究を少し前に紹介したけれど、bbc.com/earth/story/20…このBBCの記事を読むと、どうやら植物の世界にも我々と同様、ネットワークを悪用して利鞘を稼ごうとするヤツらが存在するらしい。
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Monotropastrum humile 日本で見られる腐生植物としては、たぶん最も知られているツツジ科多年草のギンリョウソウ。ユウレイタケなどとも呼ばれるが、中国ではその透き通るような白さを水晶に例え水晶蘭と呼ばれる。生薬としても利用され、強壮作用、強精作用、鎮咳作用などがあるとされる。
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myrmephytum arfakianum ミルメフィタム・アルファキアナム、アカネ科のアリ植物。自らの塊茎内を蟻に巣として提供し、その排泄物を養分として成長する。インドネシアの雲霧林に着生する種だが、あぶれて地生するものもある。数あるアリ植物の中でも花が美しい種。
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僅か数十年の時間を追い立てられるように動き生きる僕たちから見ると、何も考えることもなく数百年も同じ場所に生きている樹木たちは、ある者は風に自らの分身を乗せ動き、そのためのデザインを自ら行う。地球の上に流れる時間は一つだけじゃなく、人の時間と植物の時間はまったく違ったものだと思う。