西洋魔術博物館(@MuseeMagica)さんの人気ツイート(リツイート順)

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#猫の日 英国では猫集会と魔女集会を同一視する時代も長かったのであります。普通猫と魔女猫の見分け方は「見かけよりずっと重い猫は魔女が化けたもの」「見た目通り重いネコはふとりたおした猫」。妖魔猫には「マーチンが来るまで待て」と囁くと「わかった」と人語で返事をするとの伝承あり。
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さてイースター近し。英国ではこの日の定番のプレゼントとして手袋が流行った時期があります。理由は「愛があるから」 G"love"s とのこと。この種の文字遊びはどこで顔を出すかわからないので注意が必要です。なお金貨を入れておくとさらに歓迎されるのは常識。図は18世紀末の逸品。
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#宝石言葉 関連でゾディアックストーンも出しておきましょう。以前紹介したパヴィット『タリスマンの書』(1922)から。  もうすぐカニ乗りおやじの巨蟹宮が到来しますので、対応宝石であるムーンストーンやキャッツアイが力を帯びるのであります。誕生石とは少し発想が異なるところが面白いのです。
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暦。複数の祝日童話集において「しっぺい太郎」がハロウィンものとされておるのです。ハロウィンには魔女猫集会の伝承があり、「しっぺい太郎」の英訳版ではサムライとタロウが化け猫集会に潜入しますので、両者が連結されたようです。ともあれ化け猫ダンサーズの描写が面白や。絵はミュラー版から。
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雑。実写版『アラジン』の放映があるそうで。以前も触れましたが、あれの舞台が北京でアラジン少年が中国人であるという部分は意外に抜け落ちているようです。図はランサムが1920年頃に出した韻文版『アラジンと魔法のランプ』から、ブレイクリー・マッケンジーの挿絵。悪い魔法使いは国籍不明。
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雑。希少例でしょうが、魔物が魔物に追われて人間に助けてもらう話を発見。夜道を歩いていたおばあさんの懐に突然ノウサギが飛び込んで身を隠します。すると首無し騎士と魔犬の一団が出現して、しかし丁寧な口調でノウサギを見かけませんでしたか、とおばあさんに尋ねるのですーー
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雑。元来エルフは働き者の小妖精で、雇用主を選びません。魔法の矢の場合、鏃はエルフが作り、仕上げは悪魔が行うとされていて、クルックシャンクが絵にするとこの通り。出来上がりを待つ魔女たちの無言の圧も恐ろしや。悪魔とて締め切りの恐怖からは逃れられないのであります。猫はマイペース。
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暦。11月29日夜、ルーマニアでは吸血鬼同士が頭に棺桶を載せて十字路で大乱闘するという話は以前も紹介しました。  どうやらこれは引っ越しにまつわる狂騒のようです。新年度を迎えて新たな環境に移りたい吸血鬼たちが良好な物件をめぐってバトルを展開しておるのでしょう。世知辛い話であります。
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「クリスマスの夜、少女が悪魔の名前を唱えながら亜麻糸を紡ぐ。その糸をもってチョッキの右胸部に帽子をかぶった顎髭の男の頭部を、左胸部に戴冠したベルゼブブの姿を刺繍する。チョッキの両脇に十字を刺繍する」 これで銀の弾丸やドイツ系の魔弾も防げるとのこと。魔法の防弾チョッキです。
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雑。"There is no good mother-in-law but she that wears a green gown" という言い回しがありまして。「善良なる義理の母親は緑のガウンを着る者のみ」。緑のガウンとは「芝生」のことなんだそうで、結構な婉曲表現であります。
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ハッシュタグを作って集めてみてもいいかもしれません。 見てるとしあわせになれるのです(一部の人が)。 #ふとりたおした猫
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猫。商業逸話事典 (1868) によれば、難破船や幽霊船に猫だけが生き残っている例がいくつも報告されているとのこと。英国の習慣法では「生命の痕跡が見られない遺棄船舶」は国王の所有物になるとされていて、猫が発見されたことで船主の権利が守られるわけです。猫を乗せるのはネズミ対策のみにあらず。
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雑。日頃、黒猫やフクロウに変身している魔女たちがハロウィンの夜だけ人間の姿に戻り、魔法の料理を作るといいます。その料理を食すと魔力が一年分更新されるという発想でしょう。黒猫エプロンが妙にかわいいのであります。作者不詳、カナダ第三読本から。
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月の女神は月食に乗じて地上に降り、しばしの息抜きを行うのだとか。なおそのまま地上にとどまり森の女神と化す者あり、とグレアム・ロバートソンが書いておりました。そのときは天上にて次の月の女神が選定されるとのこと。結構もめそうです。
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#コロナばっかりで気が滅入るから本テロしようぜ 19世紀末、金箔押し装丁の傑作、イエイツの『秘密の薔薇』。
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雑。「帰るの?」「帰りたいの?」「帰れると思ってるの?」でおなじみのフェアリーリングダンス。崖に追いつめるパターンもあるようです。そこで目が覚めて人間界に戻るわけですが、実は完全には戻っておらず、心のどこかは妖精たちと踊り続けているのであります。ええもう、いつまでも。
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猫魔術。猫の国へ通じるゲートは「猫の丘」にあるというのです。年に数回、霧や雲に包まれた丘が眠った猫に見えるとき、そっとそれを撫でにいくとよいとのこと。そこから先の話は伝わっていないのです。投げっぱなしがキャットロアの特徴と申せましょうか。
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特報:英国外務省ネズミ捕獲主任のパーマストン、引退を発表。 twitter.com/DiploMog/statu…
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雑。邪眼 evil eye の持ち主を jettator と称しますが、真逆の属性の「福眼」good eye を持つ人物が本来のマスコット mascotte 。その視線を浴びると幸運に恵まれるのです。やがてそれを眺めるとラッキーなものもマスコットとされ、動物や物品にまで応用されていきます。写真は軍楽隊のマスコット犬。
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クリスマスイブの伝承 ・24日午後11時から12時にかけて水がワインに変わる ・この時間帯に十字路で耳をすますと不思議な声が未来を教えてくれる ・この晩にニワトコの枝を燃やすと近隣の魔女や魔法使いが発作を起こす ・家にいる動物たちがなにやら不穏な会議を開く 不思議の時刻なのであります。
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ハロウィンで亡者どもが「お菓子をくれなきゃいたずらする」とわめいておるのは、救済用のソウルケーキを求めているわけです。現代ではそのあたりの事情が失伝していて、どんなお菓子でもOKとなっているそうです。ソウルケーキが地方によって成分も製法も異なっていたことも失伝の一因かと。
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雑。19世紀末の英国ではコスプレ大会が大流行してしまい、ネタもとも神話から時事まで多種多様。専門ショップが完成図と型紙を販売しておりました。図はショップのカタログから「フランス革命時にマラーを暗殺して断頭台の露と消えたシャルロット・コルデー」。なぜこれを、とは後世の感想でしょうか。
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季節。お皿に干しブドウなどを並べてブランデー等を注ぎ、火をつけます。そして素早く拾って食べるゲーム「スナップドラゴン」。クリスマスの遊びとされていますがハロウィンにも行われますし、シンボリズム的には万霊節こそふさわしい。食べた干しブドウの数が救われた魂の数であります。
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雑。妖精さんのずぼらな金銭感覚に関する記述を発見。ようするに太陽が生み出す利子だけで暮らしているようなもので、ある程度貯まったら無くなるまで使う。使いきったら貯まるまで待つ。その指標が月の満ち欠けなんだそうです。すなわち満月になるとお買い物に繰り出すのであります。
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さて節分。英語圏では 豆投げ祭り Bean Throwing Festival と表記されることが多く、エクソシストがデビルズアウト!ハピネスイン!と叫びつつビーンスローするとされています。討伐対象のオニデビルとして大津絵の鬼念仏が紹介される例も。全体、春を呼ぶ楽しい行事という扱いであります。