西洋魔術博物館(@MuseeMagica)さんの人気ツイート(リツイート順)

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先の角飾りで思い出したのがアゾレス諸島のカポーテ、いわゆる「アゾレアンフード」。こちらの紹介記事によると「古今東西、女性が着用した頭部用スーパーストラクチャーでこれを超えるものはない」。実際に見るとものすごく可愛いんだそうです。『グッドワーズ』誌1889年から。
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雑。この時期、英国辺境の夜空を「ガブリエルの猟犬」が走り回り、その咆哮が不吉の予兆とされておるわけです。実際は雁の類が渡りを行っているだけなのだそうです。そろそろ具体的な録音も欲しいところ。絵は広重。
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雑。呪詛の形式なんでしょうが、偉い人や権力者をあえてふざけた造形で再現しておちょくるという発想。図はオランダ方面で作られたビヤジョッキ。おひげの人は宗教改革に対抗して送り込まれた枢機卿だったそうで、ビールで膨れた腹がリアル。英国ではグレイベアードという名前で人気が出たとのこと。
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雑。ワインはフランスの悪習なり、と警告を発する戯詩。目にも舌にも心地よく、しかしこれにはまれば昼に書を読めず夜も眠れず、空と池の区別もつかず、と言いたい放題であります。英国人ならビールを飲めというところでしょうか。たいがいの悪は目に見えないスピリットの仕業とされるのであります。
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季節。英語の daffodil は全体黄色のラッパスイセンを指しますが、白&黄色のスイセンも包括する模様。春の使者にはまた冥界の案内人の役目もあるようで、スイセンにお辞儀されるとお迎えが近いという伝承もございます。デイジー、ダフォディル、ダンディライオンと春先はDの競演なり、と。
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ーーさらに他家のお茶会で件の紳士と再会し、知らん顔して苦笑されるのもお約束というか、ユニヴァーサルなイントロというか。クリノリン引っ掛け女子もほぼ同様の展開となっています。この種の元気のよい女子に自転車が加わると19世紀の都会風景が一変していくのであります。
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暦。4月16日は蝋人形師マリー・タッソー (1761-1850) の命日です。蝋人形は意外なほど呪術性を感じさせないのであります。実在の人物、実際の歴史を再現するとき、想像力が変容して機能する余地がないからでしょうか。タッソー自身の人生はまさしく波乱万丈で非常に興味深いものがあります。
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雑。魔法の乗り物を入手するストーリー群は、20世紀に入ると魔法の自動車を現出させるのであります。もてないカエルもフロッグモービルに乗って彼女を誘うと「イエス!」と応じるという、アメリカ神話の新たな形でありましょう。デヴィッド・コーリーの『ジャンブル・ブック』(1920)から。
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暦。11月17日は「エリザベス女王の日」。エリザベス一世の即位を記念する祝日だったのですが、1666年のロンドン大火以降は反カトリックの火祭りと化しました。ローマ教皇の人形を燃やして騒ぐ日となり、その狂騒は18世紀初頭まで続いたそうです。この頃はなにかあれば人形を処刑していた雰囲気です。
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雑。「松山鏡」は海外の日本童話集によく収録されています。しかし馴染みのある落語版ではなく、亡き母を慕って鏡を覗きこむ娘が継母から呪詛を疑われれるというストーリー。こちらは能のほうにある展開ですが、いずれにせよ微妙な挿絵がつくので面白いのであります。絵はシルベスター全集から。
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雑。1909年に刊行されたラッカム挿画版グリム童話集から「七羽の大鴉」。どうみても杯の7であります。ライダー版タロットの刊行年にこの絵が登場するのはもちろん偶然なのですが、なんらかの意味を見出すのもこちらの自由といえましょう。
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暦。4月25日は聖マルコの祝祭日。幽霊目撃の特異日ともされていますが、(ああ、いるなあ)で済ませてしまう英国ではあまり意味がないようです。深夜に教会の玄関に座っていると近日中に亡くなる人の生霊に会うといった系統の話も多いです。図はハムレットの幽霊。
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雑。18世紀のロンドンでは、ミルクメイドたちがメイデイから一週間ほど街に繰り出してはページェントを繰り広げ、道行く人々の目を楽しませていたそうです。19世紀に入ると産業革命の余波で乳業も機械化し、ミルクメイドたちは数を減じてほぼ消滅したとのこと。図はホーンの暦本から。
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ーー結局、警察や教会関係者が出動して騒ぎを鎮圧するはめになりました。この件はタイムズなどでも報道され、いまだ蒙昧の輩の多いことよと有識者の嘆くことしきり。なお19世紀半ばともなれば水泳は婦女子も嗜むべしとして、婦女子読本でも奨励されています。図も同書から。
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イースターカードのデザインも、新奇をてらうあまり製作者の意図から外れてSFかホラーに近づいたものも。卵生人類の誕生であります。
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猫たちのパーティーに関して再掲。青いドレスのお嬢様猫がフランス帰り、大胆にも青年猫を自分からダンスに誘うのであります。 twitter.com/MuseeMagica/st…
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雑。「怠惰なカエル」という教訓話では、ただ口を開けてなにかエサが飛び込んでこないかと期待してる無精なカエルのもとに百舌鳥が出現し、図のような有様に。英名 shrike というかの鳥は串刺し公なみの魔性として児童向け書物ではあまり見かけません。モラン第二読本(1905)のこの絵はその意味で貴重。
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このTWはクリスマス向けなので再掲。 twitter.com/MuseeMagica/st…
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雑。埋葬関連で調べますと、面白い呪詛(?)の類も見つかります。墓穴に棺を安置して、最後のお別れをする場面。花束を投げ入れるあたりが普通なのですが、なかには「硫黄」を投じて故人の赴く先を暗示したりする例もあったそうです。酒瓶とかは思いやりのある方でしょう。
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暦。#ペンの日 とのこと。  さればとペン関係の伝承を探そうとするも意外に見つからないのであります。金属ペンは比較的近世の製品ですし、羽ペンは消耗品ですので魔力保持器には今一つ。重要なのは文章の内容と美しい筆跡でありましょう。写真は当館所蔵の19世紀の矢立と羽ペン。
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出典はこちらから。 archive.org/details/stnich… 小節内に絵が入り込んだのはこれと後半にもう一本あります。
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メイデイにつき再掲。とある映画とコロナ禍のせいでこの行事がまた廃れたとの声も聞こえてまいりました。 twitter.com/MuseeMagica/st…
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雑。19世紀に入ると大仰な四柱式寝台はやはり少数派となり、図版クラスの品が増えてくるようです。もちろん四方系のおまじないは健在ですし、正しい側から降りないと一日中アンラッキーだったり。見えないところに護符を貼ったり、ピアスを片方だけ捨てたりするのもお約束。寝台まわりは怖いです。
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ナーサリーマジック。ベストン『ファイアライト童話集』の一篇「雲の羊飼い」。空に浮かぶ雲は実は巨大な羊で、それを統べる羊飼いがいるという物語。その仕組みに巻き込まれた青年のお話ですが、清冽な空気と大空の爽快感の描写が秀逸。天候のメカニズムを想像するのは重要な作業であります。
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雑。庭園日時計のシンボリズムは追求していて楽しい分野です。天文占星の基礎となり、メメントモリのきっかけとなり。密会の目印となり、おまじないの舞台となり。夜の日時計の使い道はほとんど魔法の領域であります。面白や、と。