西洋魔術博物館(@MuseeMagica)さんの人気ツイート(リツイート順)

1551
ーーミットフォードは『佐賀怪猫伝』をもとに記しているため、龍造寺の因縁はカット。吸血猫が側室に化けて殿様を襲うのですが、正体を見破られるとハルバードを手にして戦います。いきなりファンタジー度がアップ。イサハヤ・ブゼンといった人名も漢字で読むよりかっこいいのであります。
1552
お宝。つけぼくろ容器 patch box 。50x40x8mm、38g。19世紀半ばの銀板プレスに塗金。パッチボックスは蓋を開けると鏡があるのが特徴。角のあいだに十字架を持つ鹿が描かれていて、聖ユベールの加護が付与されています。つけぼくろは貴婦人のお洒落として一時期大流行したのでありますーー
1553
お宝。サクレクール聖心のバナー。19世紀中頃の品で深紅のビロードに金糸銀糸の刺繍。光条部には薄い金属円盤を縫い込んで煌めかせる仕様。横53㎝、縦寸中央で83㎝。行進の先頭や重要なミサの際に飾られた豪華な逸品です。重厚感はさすがなり、と。新品ではなかなか出せない味と申せましょう。
1554
「長靴猫」はさまざまな画家に愛されてきた物語。死んだふり図はヒース・ロビンソン。「カラバス侯爵溺死寸前図」は1860年『お気に入り童話集』から。ずいぶんと気合の入った溺れかたであります。
1555
ーー告解の火曜日のパンケーキ、聖金曜日のホットクロスバン、ハロウィンのソウルケーキなど、この種の祝祭食物には無病息災などの効能を認める向きが多く、いわば「食べるタリスマン」と言えましょうか。タリス饅頭なども考えてよいと思います。
1556
雑。魔法使いの衣装という題目で服飾史の書物を渉猟するも東方の三博士くらいしか見当たらず。かわりにタロットの参考にできそうな図版がずらずらと。書物を持つのはアングロサクソンの王妃。かたや東ローマ帝国のエイレーネ皇后。美麗なり、と。ともにハーバート・ノリスの服飾本から。
1557
雑。19世紀前半、巡礼という建前を捨てた純粋な観光旅行が台頭すると、危機感を覚えた教皇庁がさまざまな特典をつけたローマ参詣キャンペーンを展開して不発に終わったとのこと。英国サイドの記述ですので割り引いて読まなければなりませんが、鉄道網の拡充がもたらす信仰の変化は面白いテーマです。
1558
#スズランの日 タロットでスズランといえばライダー版の魔術師の足元にあるわけですが、これがヴァージョンによってえらく差があるのです。モノクロ画はもっとも原画に近いとされる1909年のOR版。一方、1942年頃に製作されたパメラBは複写士がいまひとつ線の意味を理解していないのであります。
1559
続・つけぼくろ。人体を小宇宙と見なす発想は普遍でありますが、顔面ホロスコープという分野もあって、ほくろ占いのベースとなるわけです。つけぼくろは人為的に星を操作して運や力を呼び込む魔術作業とも考えられますので興味深い領域なり、と。図は1657年の観相術大全から。
1560
暦。8月16日は病者の守護聖人である聖ロクスの祝祭日。疾病に罹患して森のなかで苦しんでいたとき、犬に食物を恵んでもらって命をつなぐ話が有名です。その姿を刻んだ安価な木版画が護符として大量に出回り、マルセイユ系タロットの愚者像に影響を与えたとするのが当館の持論のひとつであります。
1561
雑。イースター・ボネットをかぶってパレードする習俗の由来はいまひとつ不明。コーンウォールにそれらしき伝承あり。頭上に奇抜な農場を作り出すのが要訣のようです。そこらにある材料から一番面白いイースターボネットを作るコンテストもあった模様。呪術的な意図も感じられるのであります。
1562
天井ワニの資料として再掲。 twitter.com/MuseeMagica/st…
1563
敵役のネコも普通サイズで描かれることが多く、ちょっと迫力に欠けるというか。サムライの出番すらろくにない感じであります。
1564
暦。3月18日は英国のエドワード殉教王(962-978)の命日。異母弟を擁立する継王妃の策略によって暗殺されたとされる悲運の少年王であります。渡された杯を飲もうとしたときに後ろから刺されたとされ、以来英国では「飲酒の誓い」pledging in drinking という独特の習わしが生まれたとかーー
1565
雑。妖精集会や魔女集会で閉会時に宣言される一節 "Merry have we met --" もとはライムの"Merry are the bells" すなわちクリスマスパーティーの歌の一部だったものがいつ頃から儀式に組み込まれるようになったのか。いろいろ調べるウイスキーの宣伝に用いられた例も浮上し、面白うございます。
1566
雑。今回届いたお宝群には微妙なものも含まれていました。セルロイド製とおぼしき蝉ブローチ。全長30㎜ほどでかなりリアルに寄せています。調べてみるとアールヌーボーの一種で20世紀初頭にフランスで流行ったとのこと。注目してもらいたい箇所にとまらせておくという使い方でしょうか。
1567
補足。願い骨 wishbone 。鶏の叉骨。鶏料理の際に皿上に残るこの骨を二人で引き合い、長いほうを得た人の望みがかなうという遊び。引く前に願いを声に出すのがしきたり。
1568
故事。11月14日は英国史上最長寿者トマス・パー(1483?-1635)の命日です。その152年の生涯は80歳で初婚、102歳で不倫、120歳で再婚となかなかのスロースターター。エリクサーを所持していたとの噂も絶えません。パー翁の名を冠するウィスキーがあるのもむべなるかな。
1569
船上でのウサギの禁忌に関して再掲。 twitter.com/MuseeMagica/st…
1570
養蜂はガーデニングの一部門として良家の子女の趣味となり、また蜂社会の神秘性が多くの魔術的伝承を育てていったのであります。ラストメッセージをミツバチに託す人情話もあります。窓辺に現れるミツバチはまさに「虫のしらせ」ということで。
1571
雑。1720年の南海バブルの狂騒では、とにかく会社を興して株式を発行すればそれが飛ぶように売れ、さらに倍々ゲームと化していくため、とんでもない業種のインチキ会社が乱立したとのこと。オカルト風のものも多く、永久機関開発、飛行機開発、金鉱発見、占星術学校etc 。図は子供銀行の株券。
1572
で、白秋の「まざあ・ぐうす」で読みますと 「だァれがころした、こまどりのおすを」 「そォれはわたしよ」すずめがこういった となりますので、かの「音頭」の冒頭部を想起せざるを得ないのであります。
1573
ーー棒の部分が笛になっていて、簡易バグパイプとして機能するものもあったようです。それは奇怪な音を出し、こちらでも笑いを取れるわけです。一発芸で人を笑わせるのは魔法のうちです。場の雰囲気を変えるのは重要なスペルブレイクでありましょう。
1574
ーー当館もいろいろ絵を収集してみましたが、先に掲げたチェンバース暦本収録のそれが一番好評であります。スペンサーの詩の一節が生んだ擬人化はなんだかんだ人気があるのであります。こちらは1850年代のアルマナックから。
1575
雑。暦本によれば、英国では伝統的に3月17日をノアが方舟に乗り込んだ日と決めているそうです(下船は4月29日)。追加設定として、ノアが方舟を作ると決めた日から夫婦仲がおかしくなり、口喧嘩が絶えなかったとか。お告げを真に受けて裏庭で船を作りはじめる夫に不満たらたら。絵はPCS描くノア夫妻。