西洋魔術博物館(@MuseeMagica)さんの人気ツイート(リツイート順)

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--悪魔は神父を見て激高し、そのまま遁走してしまいました。かくして悪魔の布とスーツがこの世に残ってしまい、いろいろと不思議な話が始まるのであります。ある種の聖遺物の口上か、あるいは魔法の服の伝来話か。ちなみに悪魔の服は派手なストライプが多いとされています。根拠は不明。
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雑。修道院跡地はいろいろな不可思議の舞台となります。ウェールズのストラタフロリダ修道院は16世紀初頭に英国国教会成立の余波を受けて破壊され、石材は他の建造物に利用され、ゲートだけが残ったのであります。おかげで見るからに異世界への入口となってしまいました。雰囲気あります。
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ーーたまにペットで持ち込まれた個体が逃げて見つかったりすると教会まで巻き込んで黙示録的騒動になったとのこと。ガマガエルも同じく棲息していないのですが、こちらは持ち込まれた外来種が繁殖しつつあって問題視されています。
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雑。とある英国海軍艦長が1795年4月に「海戦における臆病行為」の容疑で軍事法廷で有罪とされた事件がありまして。その艦長の行動が実は「呪い」によるものとの説が流布したのであります。いわく艦長が一方的に婚約を破棄して別の婚約者に乗り換えた際、前の女性から呪われたのだとーー
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さて9月29日のミクルマス当日。  この日の特定食物されるガチョウ。その由来は1588年の9月29日にエリザベス一世がガチョウを召し上がっている際に無敵艦隊撃滅の一報が届き、縁起がよいとされたとのこと。もっともミクルマス用のガチョウを注文する記録がそれ以前から残っていますからーー
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チェンバースによれば、昔はイースターでも「トリックオアトリート」を行っていて、ハロウィンのそれよりもずっと荒っぽかったそうです。ワルガキどもが「お金をくれなきゃ靴をもらう」と通行人を取り囲み、6ペンスばかし要求します。断ると靴を持っていかれます。19世紀前半には廃れたそうです。
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お宝に混ざっていた金属製の魚。胸びれ部分が開いていてしっかり自立できます。材質不明、全長48mm、重量24g。用途がわからんのです。魚はキリストの象徴のひとつですのでその方面かとも思いますが、なんというか荘厳性に欠けるというか。たい焼きみたいですし。ともあれ不思議なアイテムなり、と。
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この短編が掲載されていたのは『ウィー・ウィズダム』誌1925年3月号。日本の少女がワシントンに向かうという設定は日米人形交換交流事業を思わせますが、こちらが始まるのは1927年。むしろこの種の物語が人形交換のヒントになったのでは、と。
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雑。ハンカチの魔法使い、と称されるパーラーゲーム。それ風の魔法の名前があって、頼まれると占いをしたり呪いをかけたりします。日頃は口にできない本音をかたることもあれば、とんでもない嘘をつくことも。由緒正しい魔法であります。ベルー『遊戯大全』(1866)から。
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ーーお屋敷に出没する修道女の幽霊といった伝承には十分に裏付けがあったとのこと。場所の記憶なのか、そのまま亡くなった人の「残念」か。英国におけるカトリック弾圧は17世紀になっても収まらず、19世紀前半まで尾を引いたそうです。
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雑。チェンバースによれば、宗教改革後に教会牧師のお説教が異様に長くなったため、規制を入れるべく説教壇の横に砂時計を設置するようになったそうです。会衆の多くは牧師に気づかれずに退出するわざを、あるいは目を開けたまま寝る術を会得したとのこと。説教壇脇の砂時計はデザイン的には素敵です。
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しゃっくりに関する伝承 ・領主さまのお顔を拝見するとしゃっくりがおさまる ・親指を下唇に、人差し指を顎にあてて「親指に移れ」と9回唱える ・人形にお菓子を与えるとおさまる ・最愛の人のことを一生懸命考えるとおさまる なにかに「うつす」という発想はユニヴァーサルであります。
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さてミクルマス。天使が登場するフェアリーテイルは多いのですが、アンデルセンからはこの一本。「赤い靴」のカレンは天使に拒絶され、剣を突きつけられるのであります。絵は1912年の『少女のための50の物語』から。ここまで挑発的に踊るカレンはなかなか珍しい。というか魅力的。
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前掲書では世界最初の子守歌は楽園追放後のイヴがカインを抱いて歌ったものとされています。 「眠りなさい、カイン。あなたの父は額に汗して働きます。母はかつて歩んだ楽園を夢に見ます。二度とあの甘い実は食べません。眠りなさい、カイン」 なかなか不安を感じさせるのであります。
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続。チェンバースの暦本によれば、昔からラットすなわちドブネズミの駆除は職業として成立していたとのこと。また猫の首に鈴をつけるのはネズミを追い払うために人間が率先して行う習慣だったそうです。図は17世紀のラットキャッチャー、別名をラットチャーマー。魔法の気配が漂うのであります。
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雑。明治日本には今では見かけなくなった大道芸あるいは占術パターンがあった模様。足元の仕掛けを操って酒呑童子人形に鉦を打たせ、自分も鉦を打つ「おみくじ囃子」とでもいうのか。軽妙なリズムで人を寄せ、おみくじを売ってその場で解釈するとのこと。1884年の日本訪問記から。
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わたしが病気で寝ていると 妖精たちがやってきて 頭のまわりで踊ってあそぶ ほかの人には見えません ーーローズ・ファイルマン(1877-1957) 幽霊や妖精を体調不良がもたらす幻覚とする発想は、しかし特定の疾病の原因を特定の妖魔に求めるという旧来の思考と大差ないのかもしれません。
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雑。そろそろ「雲見」によい季節であります。変化する自然現象を「神々からの呼びかけ」と見なすメンタリティー、それが重要な時期もございます。そしてすべての人為は「神々への呼びかけ」になるわけで、返事のあるなしはまた別の問題ということで。
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雑。「13クラブの年次食事会」。梯子の下で塩をこぼす13人の黒服男たち。このあと鏡を割ったりするのでしょう。実際、縁起の悪いことをわざと行う集いはあったそうです。マイナスにマイナスをぶつけるという発想は意外にユニヴァーサルで、魔除けに魔物像を置いたりするのであります。
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暦。さてメイクイーンの選出法。19世紀以降は事実上の美少女コンテストと化していますが、それ以前は「銀貨を一枚入れて焼いたケーキを切り分けて」と例のパターンだったようです。当たった娘は銀貨を貰えてメイデイ中はちやほやされるわけです。なぜか黒いケーキにするそうです。図は適当な娘さん図。
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雑。「妖精と靴屋さん」のお話。小僧エルフがせっせと作業する場合もあれば図のようなフェアリーお姉さんが登場するものも。人が思う「妖精」の姿は千差万別。大量印刷の時代になるとそこそこ規範というか指針というかが登場する感じです。
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雑。lectern いいまして、巨大書物を閲覧する際に必要なファニチャーであります。伝統ある教会や図書館ではいまだ現役。さまざまな想念の特異点として魔法発動のきっかけに使えそうです。また隠し収納等の細工にも。図はデュリンが描く「書見するオズバルガ王妃」。
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パンジーの花占い。花弁にある筋の数で占うのです。 4本 願いがかなう 5本 恐怖と希望 6本 驚き 7本 恒久 8本 変心 9本以上 変化と富裕 写真の例でいうと、中央から伸びている比較的長めの黒い部分を数えます。9本くらいでしょうか。人から贈られた花でひそかに行うのがよしとされています。
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さらに『世界不思議図鑑』(1768)。カナダのビーバーは樹木をかじって倒し、川をせきとめてダムを造るというトピックがあり、文章で読む分にはおおむね正確なのですが、挿絵がつくと「なんかすごい」。ほとんど土木事務所の作業であります。これも「神が与えたもうた恩寵のなせるわざ」とのこと。
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雑。イモージェン・ギニーの『ブラウニーとボーグル』(1888)によれば、日本のブラウニーは子供たちを見張っていて、買い食いや立ち話に興じていると顔面に「悪」の字を浮かべて懲らしめにかかるとのこと。どうも善玉悪玉のお話が妙な伝わり方をしたらしいのですが、まあこれはこれで面白いので。