西洋魔術博物館(@MuseeMagica)さんの人気ツイート(リツイート順)

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人生。 「都会の喧騒は性に合わぬ 広い庭に小さな家、数名の友人と 無数の良書好著に囲まれて、 気の利いたミストレスがいればよい」 などと贅沢を望んでいるのが詩人エイブラハム・カウリー(1618-67)。 もっともそれを絵にするブリックデールはニャンコを推しておるようです。賢者なり、と。
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雑。『セントニコラス』誌には結構皮肉っぽい作品も掲載されています。「子猫の一年」というイラストポエムでは、「毛玉ふわふわ可愛いこねこ、一年たてばはいこのとおり、不細工おとなねこ」。子供になにを教えたかったのか。もちろん自分はふとりたおした不細工ねこも可愛いと思っております。
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雑。パトラッシュはテキスト通りに描くと意外にかわいくないのであります。1927年のフラー版をごらんください。この犬が失意の少年に寄り添うから感動するのか微妙なところ。なおアメリカの教科書に採用される省略版は途中で無理やりハッピーエンドにする乱暴な代物。ルーベンスの出番なしーー
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チェンバースの暦本にいわく、彗星が出現すると― ・ワインの出来がよくなる ・双子の出産が増える ・蜂と蠅が減る ・疫病が流行る ・教会に隕石が落ちる ・著名人が多数他界する 天文学者ハレーが彗星の周期的出現を計算予測するまでこの種の話が絶えなかったそうです。図は1066年の彗星出現図。
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雑。子供の日にちなんで、というわけでもないのですが、児童書で時折見かけるモチーフ「巨大幼児」が気になったのであります。図ではとある島に冒険者が上陸し、靴のサイズが5フィートというジャイアントベイビーに遭遇しております。どのあたりの需要なのか。1880年のセントニコラス誌から。
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さて八月。八月は豪奢な黄金のガウンをまとう壮年として描かれます。エスコートされているのはおとめ座のおとめ。かつて地上に豊穣をもたらしていた女神様ですが、人間の放埓さにあきれて天界に避難されたとか(諸説あり)。八月おやじがしっかり手を握っているのも事案であります。
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ーーこのグランドピアノは通常の白鍵黒鍵に加えて青鍵と赤鍵を持ち、小鳥のさえずりや小川のせせらぎ、子供の笑い声も出せるというスーパーマシン。ただしメンタル面が弱く、風車にふられると川に身投げしてしまいます。打ち上げられてぼろぼろになったところを蒸気機関車に助けてもらう図がこちら。
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あれではないですか、黙示録の13章。 and his number is six hundred threescore and six 貴様の正体は悪魔だ、と。 twitter.com/dankanemitsu/s…
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chant の定義は to celebrate by song とありますので、enchantment は「歌によって人や物品に祝福を施し、力を与えること」でよいかと。これが incantation になると若干方向性がずれて目的が祝福に限定されなくなる感じです。
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雑。寒波は北から到来するのが普通ですので、北欧のルーン文字を使って呼ぶという発想があります。氷結と吹雪の魔法というわけで、エディス・メイいわく「私の部屋の窓を揺らす神韻を組む北風は/古代ルーンを吟遊する詩人」とのこと。絵はマクドナルドの「北風」by ヒューズ。
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#メリーさんの羊の日 学校にいろいろ連れてきてはいけないのは万国共通。この「いろいろ」に霊的存在を含めるとき、ファンタジーなりホラーなりが生まれるのでしょう。面白や、と。
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雑。食虫植物。タロットに登場するそれで一番わかりやすいのが「太陽」の子供の髪の毛。これはモウセンゴケ、英名 sun dew であります。「太陽のしずく」という美しい名前ゆえの採用でしょう。やーい、あたまハエトリグサなどとからかってはいけません。絵は当館所蔵のパメラDより。
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雑。聖職者の杖にも治癒や解呪などの不思議な力が宿るわけですが、聖職杖の本体はヘッド部分とのこと。木製の柄は傷んだら取り換えます。保管する際はヘッド部分のみ。神通力を有する聖〇〇の杖のなかには独自のタイトルを持つものもあって、興味深いのであります。
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雑。就寝時刻に各家庭を巡回して覗いてまわるウィリー・ウィンキー。やはりブギーマンの仲間と見なすべきなのでしょう。夜更かししている悪い子は早く寝ろとおどかします。それでも寝ない子はウィンキーの仲間入りをしてしまう可能性大。寝入りばなの妖かしは怖いのであります。
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暦。12月30日は幽霊艦が英国に帰還した日です。1854年5月に北極海にて氷結のため遺棄された英軍艦レゾリュートが、解氷とともに無人のまま漂流し、翌年9月に米国の捕鯨船に発見されました。米国政府はレゾリュートを買い上げ、これを修理して1856年に英国に返還。米英修好に大いに寄与したとのこと。
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ご恵投たまわりましたシーゲル著ゴールドワイン画『ディズニーヴィランズタロット』鏡リュウジ監訳・上杉亜隼人訳・河出書房新社(2022)。悪役と取り巻きでアルカナを構成するというアイデアの勝利でしょう。ヒーローヒロインでは多様性に欠けるのであります。紙質も上等、さらに良い香りがしますーー
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雑。こちらは Alice Ercle Hunt が描くハンプティーダンプティー。かわいいのか不気味なのか、ともかくもいい味を出しておる、と自分などは思うのであります。こんなのが高所からダイブしてくるのですからマザーグース世界は怖いと申せましょうか。
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卵に関する伝承 ・割った卵の殻はきちんと潰さないとアンラッキー ・夜に卵をとりこむとアンラッキー ・新婚の夫に義母がオムレツを作ってやると夫婦仲がうまくいく ・悪魔がくれるメンドリは黄金の卵を産む 卵の殻は悪しき手に渡ると呪術の材料にされるとのこと。義母のオムレツはロシアの伝承です。
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雑。オーブリーによれば、英国では特定聖人に献納する教会を建立するとき、その聖人の祝祭日前夜から宮大工たちが予定地で徹夜をして夜明けを迎える習慣があったとのこと。そして太陽が昇るポイントを真東と定めてから作業にとりかかったそうですーー
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雑。メモ。狼男を退治するには銀の弾丸を使うとされているが、「聖ユベール教会で祝福された弾丸」という設定も存在。聖ユベールが狩猟の守護聖人であるためか。なお英国では中世後期に狼が絶滅していて、ゆえに狼男もほとんどいないとのこと。
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なるほど「牛が月を飛び越える」のは具体的なお話だったのであります。 twitter.com/yusai00/status…
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爪に関する伝承 ・爪の白斑点の数だけ恋人ができる ・赤子の爪を切ってトネリコの樹の根元に埋めるとその子は歌手になる ・九週間連続で日曜日に爪を切ると将来の結婚相手と食事をすることになる ・爪を噛む子は背が伸びない ・日曜日に爪を切ると一週間悪魔につきまとわれる 妙なのが多いです。
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雑。ハロウィンに行われるさまざまな占い系は特に test と呼ばれていて、フォーチュンテリングとは一線を画します。  教会の庭の土を一塊持ってきて、パーティー参加者がそれぞれ自分の名前を書いたロウソクを立てていく。最後まで燃えたらラッキー、なのですがなかに数本途中で消えるよう細工がーー
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雑。チェンバースによれば英国の医師業は18世紀までは結構な荒っぽさで、屈強な弟子を何十人も従える暴力医者も多かったとのこと。あるいは対立する貴族のお抱え医師同士が決闘沙汰を起こしたりするわけです。その際に相手を「まじない師」「妖術使い」と罵倒するため話が複雑化するのであります。
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家族年金持ちの独身紳士は学者になって金にならない研究に打ち込むのがベストというか王道というか。次によいのが軍人あるいは聖職者。爵位と領地は長男に任せて気ままな人生を送るというパターンでしたが、二次大戦を境に難しくなったようです。