西洋魔術博物館(@MuseeMagica)さんの人気ツイート(リツイート順)

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雑。Dunce's stool 。かつて英米の学校では劣等生に三角帽をかぶせて特別の椅子に座らせる懲罰があり、女子には醜いお面をかぶせていたとのこと。1950年代に廃れたそうですが、さぞ怨念がこもった備品であろうと推測するのであります。学校の怪談向けに。
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暦。12月10日はライダー版タロット発売記念日。1909年のこの日、ロンドンに登場した英語圏初の The Tarot 。幾多のトラブルに見舞われつつも世界のスタンダードに成長する様子はイェンセン著『ウェイト=スミス・タロット物語』に詳しく描かれています。
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雑。「〇曜日は〇〇の日」の19世紀版。 日曜はだじゃれの日 月曜は借金の日 火曜は知らせの日 水曜は友人の日 木曜は呪われた日 金曜は乾いた日 土曜は後日の日 「今日はチューズデイだから知らせがくるぞ、ニューズデイだけに」といった人の気力を奪う語呂合わせ系だったようです。
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天。8月10日はグリニッジ天文台の創立記念日です。1675年の同天文台の創立は、チェンバースによれば「ろくなことはしなかったチャールズ二世の数少ない善行のひとつ」だそうです。写真は19世紀末のもの。ここが近代世界と時間の基準なのであります。
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図のおっさん人魚がどことなくピューリタン風なのは「節制を謳いつつも放埓をきわめる偽善者」の寓意なのだとか。fishy という形容詞が「いかがわしい、うさんくさい」の意で用いられるのも覚えておきたいところ。
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雑。深夜の玩具たちの行動は古来より探求テーマであります。お金持ちの家にいるおもちゃたちがこっそり外出し、貧しい家の子供たちの夢のなかに入って一緒に遊んであげるという説もございます。素直に楽しんでよいのか、微妙な感じもいたします。絵はエセルドレーダ・グレイ。
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ーーさすがに危険を感じた旅人は「マーチンによろしく」と叫んで逃げていきます。お話はここまで。マーチンが何者なのかは判明しません。これも結末があるようなないようなキャットストーリーの一例であります。
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#槇えびし #魔女をまもる 『魔女をまもる。』。アグリッパがこれだけ生き生きと描かれた例が過去にあったかどうか。喧嘩上等の人は嫌いじゃないです。おすすめです。  古人いわく善意が力を持つとき地獄が広がるとのこと。food for thought のたねは尽きないのであります。
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暦。花いちもんめにそっくりの英国伝統ゲーム「バウズインメイ」。春の子を冬と夏が奪い合う形になり、最後は全体で引っ張り合い。季節の進行を象徴する遊戯もまた魔術性が高いのであります。夏と冬が秋を奪い合うとなれば、グリムリーパーの登場となるでしょう。子供らよ、畏れよ、と。
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――黒魔術校では卒検の内容を事前に知ることが一番大事なのだそうで、悪魔教授を出し抜く話がいろいろ伝わっています。スコットランドの名門子弟がグランドツアーの折にイタリアの魔術学校に短期留学する話もありました。面白や、と。
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とりあえず伝統的なおまじないを。 twitter.com/MuseeMagica/st…
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謹賀新年。西洋魔術博物館、本年もよろしくお願い申し上げます。デューラーのノウサギは定番であります。
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蒸気機関による大量印刷、大量製本の時代が到来しても、魔術的発想はさまざまな形で書物のなかに入り込むのでしょう。「銀の活字」もそのひとつかと。金箔押しの美麗な装丁もまた新時代の魔術的舞台のひとつとなったのであります。
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雑。ピクシーやブラウニーのなかには通いで家事手伝いをする者たちもいて、かれらのための小さな通用門を設置するコテージがあるとディッチフィールドが書いております。サマセットなどのカントリーサイドに多いとのこと。どうもそれなりの様式があるらしく、猫ゲートとは違うようです。
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季節。灰色の冬が終わり、森に潜んでいた「青」が空に戻ります。大地から「赤」が開花します、とグレアム・ロバートソンが「願いの井戸」(1907)で描いています。もちろん美少女でキャスティングせよとご覧のようなイラストまで付けて。児童劇に分類される作品ですが、実際は神秘儀式であります。
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雑。教訓説話にもサイコホラーが紛れ込みます。ラウントリー・スミス『そうしてみたい物語』(1920)では、鏡のなかにしか友人がいない孤独な少女が登場。やがて会話が始まり、鏡の世界へ逍遥。「しかめっ面はだめ、ほほえんで」という教訓なのですが、かなり怖いのであります。絵はケイト・ディール。
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暦。ミクルマス近し、ということで恒例のネリー・ベンソンの絵を。デイジーは天使たちを歓迎し、ブラックベリーは悪魔を寄せつけません。後者は天然の鉄条網、物理的魔除けとして戦術的ガーデニングに用いられるのであります。
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雑。教会の木製ベンチ pew 。地方の古い教会だと最前列右は〇〇家、ニ列目はXX家の座席とだいたい決まっているとのこと。ゆえにわざとロウソクを垂らすとか花束が置いてあるといった呪詛まがいの嫌がらせも発生。いろいろと鞘当ての舞台となった模様。こうなるとニチアサの礼拝も戦場であります。
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雑。聖職者の幽霊はどこかとぼけた方が多く、妙に人間くさいのが特徴のようです。1530年7月、コーンウォールかどっかの港町に幽霊僧侶の一団が現れ、漁船を乗っ取ってバーゼル公会議(1431)に向かったという記録があるのです。100年ずれるあたりが面白やと。図は飲んだくれの幽霊修道士たち。
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再掲。アラジンの住む都を北京としている英語作品が多い印象。辮髪もよく見かけます。 twitter.com/MuseeMagica/st…
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雑。妙なものを見つけて読みふけってしまうのは悪い癖。コンウェイの短編「球根とケラ」(1880)では、春先に花咲くことを夢見て土中で眠る球根のもとにおケラの牧師がやってきて、逆さに植えられたら芽は地獄に伸びていく、悔い改めよと示唆。そして根っこを齧るのです。挿絵もなかなかの雰囲気。
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虹折りに関する伝承 ・地面上に藁くずを二本、十字状に置くと虹が折れる ダラム迷信集にある子供たちの儀式みたいもので、意図が不明とのこと。折れた虹は地上に落ちてくるのでしょう。実に興味深いのであります。
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雑。わかりにくい寓意画も面白いものです。ちゃらちゃら飛び回る蝶々はワルガキのターゲットにされる一方、地道にはい回る虫たちのほうが安全ということらしいです。もっとも少年を主体に考察すれば、派手なお姉さんに騙されるなという教訓になりましょうか。ギルモア読本から。
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暦。フール考察。愚者の持ち物として、タロットで描かれることは少ないのですが「けん玉」があります。「愚行が世界を支配する」との文言が入った道化の図はマッケンジー訳『アウルグラスの冒険』にあったもので、かなり重要な資料といえましょう。
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雑。ミツバチを招き入れる「ビー・ミュージック」という伝承。フライパンと鍵で一定のリズムを刻むらしいのですが詳細は不明。分蜂の際に演奏されるという記述多し。ただしミツバチは聴覚が発達しておらず、昆虫学的には無意味との指摘もあります。いずれにせよ興味深いのであります。