西洋魔術博物館(@MuseeMagica)さんの人気ツイート(リツイート順)

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雑。英国の習慣法によりますと、「地上」にて発見されたお宝は発見者のものとなる一方、「地中」から発掘されたそれは発見者と土地所有者あるいは王家で山分けにする決まりだとか。洞窟のお宝は前者に分類されるそうで、ゴブリンたちが守っておるのです。地中の金脈はノームの担当になるのでしょう。
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雑。読書の際は光源を左後方に配置せよ、とアメリカの小学生向け健康読本 (1934) から。目に光が入らないようにし、また小さい活字を凝視しないように。姿勢正しく、本との適切な距離を保つべし、と。ここを基本に各人が守破離していくのでしょうが、ベイシックは頭の片隅に置いておいてもよいような。
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――チェリーブロッサムと名乗る少女はワシントン駐在の日本大使の姪で、蛾の姿で伯父に会いにいく途中でペギー・アンの不届きな台詞を聞きつけたとのこと。ともあれアメリカの少女に日本の着物や雛祭りについて知識を与えてから旅を再開します。ディアリング・ムーア「ペギー・アンの冒険」から。
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#キジ猫祭り2023 額のMの字は「マリアのしるし」。聖母の加護を持つネコの伝説も面白や、と。
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雑。教会の鐘は鐘楼に取り付けるまえに儀式を行い、特定の聖人や天使に奉献することで機能性を持たせるのであります。写真の鐘には悪魔を倒すミカエルのプレートが嵌め込まれていて、悪霊退散を意図していると推測されます。冠婚葬祭、さまざまな場面で聖なる響きをもって場を清めます。
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雑感。昨夜の月食観測。自分としては月食よりも天王星の撮影ができたことにより、かの惑星が急に身近に感じられるようになった点が大きいのであります。あれは肉眼ではまず見えないわけで、アグリッパもジョン・ディーもウィリアム・リリーも認識していなかった薄い青色の夢と申しましょうかーー
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術式。「秘蹟のシリング銀貨」sacramental shilling 。 十二人の清らかな乙女から1ペニーずつ恵んでもらい、それを教会の献金日にシリング銀貨に両替してもらう。この銀貨を上着に縫い込んでおくと悪霊が退散する。 この種のおまじないを嫌う牧師様もいて、両替をめぐって諍いもあったそうです。
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聖遺物。チェンバースによれば359年にコンスタンチヌス帝が使徒たちの遺骨を集めて合祀しようと企画し、結果として一大発掘ブームが発生。さまざまな使徒の遺骨と称するものが大金で取引されるようなったとのこと。この時点で聖ヨハネの頭蓋骨が複数登場したそうです。聖遺物業界は歴史があるのです。
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雑。「ホワイトクリスマスは墓地が寂れる」という言い伝え。寒い時期は素直に寒いほうがなにかと好都合という意味でしょう。ちなみにホワイトクリスマスの反意語はブラッククリスマスではなくてグリーン。「グリーンクリスマスは墓地が賑わう」という対句もあります。
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雑。ハロウィンの重要な脇役が「かかし」scarecrow であります。調べても意外に伝承が少ないのが特徴。 ・朝方に悲鳴をあげる ・ブギーマンの原型のひとつ ともあれハロウィンの肝試しには不可欠な存在であって、カラス脅しならぬ人間脅しなり、と。
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雑。マザーグース世界では猫はひどい目に遭うことが多く、井戸に放り込まれたり戸棚に閉じ込められたり。ただし生死は不明なわけで、観測されないかぎり未来は不確定というあれはその表現においてマザーグースなのではと考えたりもするのであります。
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ミクルマスが近づくので天使関連の話題。  昭和初期になると南蛮文化へのロマンチシズムが一般化するのか、学術文献を集めた書物の装丁もおしゃれになります。昭和三年発行の長沼賢海編『南蛮文集』はその代表格か。庭園の聖母とケルビムに注目。
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#最近覚えた覚えなくていい英単語 outmiracle  (vt) (より上位の奇跡によって)奇跡を無効化する 地方の聖人が行うささやかな奇跡などを大聖人が制圧したりする際に用います。転じて、小さな発明を大発明で潰す場合などにも使用。覚えなくてもいいとまではいいませんがーー
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雑。ウォルシュの『奇習』(1897) によれば、現行形式のクリスマスカードは1862年に登場したとのこと。それまでは歳末助け合い寄付の返礼として渡されていた手書きのお礼状が、郵便制度の発達とともに進化してヒイラギやロビンの絵が入った印刷物になったのだそうです。その後は百花繚乱。
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Vデーの伝承 ・この日に背の高い人に出会うと作物がよく育つ ・鶏小屋の扉の鍵穴からなかを覗いて鶏が見えたらラッキー ・黄色いクロッカスを身に着けるとラッキー ・この日の午前中にキスしてもらえなかった人は「ほこりをかぶっている」ので手帚で両肩のほこりを落として午後の進展に期待
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犬。スレッドを改めて一枚。奥に見える妙な円筒状物体は19世紀末のドイツ製陶製暖房器具。現在はなかに電気ストーブを仕込んでいるとのこと。絨毯はもちろんペルシャ。ピアノは年代物のエラール(いまだ現役)。演奏が始まるとワンコはピアノの下で寝っ転がるそうです。全体、優雅であります。
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トレンドにホラー画像とやらが。 そういうものは持ち合わせないので、かわりにハッピー画像を。ワシントン・アーヴィングの『ブレイスリッジホール』から、コールデコット画「農家の庭先にて」。
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雑。夏至の前後に開かれる「蝶の舞踏会」「孔雀の在宅日」に対抗し、ペガサスが「馬の謁見式あるいはペガサスの宮廷」を企画するという1808年のチャップブック。児童に星座と動物の知識を与えることを目的としていたのですが、添えられた挿絵が予想以上に上質。おうし座の向きが逆なのも意図的か。
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弓。この時期のヴィクトリア朝英国。快適なトワイライトの過ごし方としていいとこのお嬢様方によるアーチェリー大会が開催されます。銃砲の普及によって弓術が上流階級の趣味に昇華した結果とのこと。有力貴族や王族を名誉会長に据える弓術クラブも登場。左は芳紀二十歳のヴィクトリア女王。
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雑。1884年の日本訪問記にある「狐の影絵」。長崎で流行った遊びらしく、全身と手ぬぐいを使って狐を現出させるのであります。稲荷神社との関連があったはずなのですが、今となってはわからないのが残念なり、と。
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雑。森に住む老婆を「魔女め、箒で飛んでみろ」とからかった少年二人。ほんとに魔女だったため地獄に連れていかれております。とりあえず馬ほどあるスズメバチに刺されて激痛に苦しみ、さらにいろいろと。ブギーマン系のお話は寸止めが多いなか、これは珍しいパターン。フィージ『現代童話』(1914)。
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雑。グローワームといえば発光系幼虫の総称で、イングランドの光るムシといえばだいたいこれ。大量発生して暗い地面を無数の小さな光点がうごめくさまは星雲の如しという記述も。グローワームの光は他に燃え移らない uneffectual fire と呼ばれ、この光でないと姿が見えない妖精さんもいるそうです。
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雑。ピーター・ラビットに代表されるウサギさんの擬人化もの。かれらは常にキツネや人間といった天敵を抱えていて、しかし食物を求めて農園に侵入をはかります。得意技は知恵と繁殖というあたり、なかなかのグノーシス思想といえましょうか。図はラウントリー・スミス『コトンテイル物語』から。
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聖土曜日。冥府に降って過去の義人を地獄より救い出すキリストの図。伝承によりますとこのときキリストは地獄の扉を蹴破ったそうで、救世主のキックが披露された唯一の例かと。なお扉はその後修復され、新たな錠が取り付けられておるようです。以後、地獄の鍵もキリストの持ち物に。
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雑。花暦ならぬ鳥暦によれば、三月下旬はフクロウの類が夜に騒ぐ季節とのこと。とりわけ人家の周囲ではけたたましいそうで、"who, who, who are you?" と例の誰何を連発し、不吉の到来を告げるのであります。いずれにせよ天候不順の季節ですので注意するにこしたことなし、と。絵はグールド。