西洋魔術博物館(@MuseeMagica)さんの人気ツイート(リツイート順)

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暦。5月19日は英国の聖ダンスタンの祝祭日。毎年書いておりますが、この器用な聖人は鍛冶仕事もレパートリーに入っていて、修行の邪魔をする悪魔のひづめに蹄鉄を打ちつけて降参させるエピソードが有名。以来、蹄鉄は悪魔除けとして重宝されたのであります。戸口に飾ると悪しき妖魔が退散するの図。
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時事。さて戴冠式に用いられる宝飾類はロンドン塔にて厳重に保管されているのですが、それでも1671年に一度盗まれたことがあるとか(その後回収)。ともあれ大鴉や幽霊たちが警戒の任にあたっているはず。図は1896年の戴冠宝飾の展示状況。当時の評価価格300万ポンド(換算600億円?)とか。
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暦。9月2日は1666年のロンドン大火の日。その前々年に巨大な彗星が夜空に出現しておりまして、翌年のロンドン大疫病、翌々年の大火を予兆していた、と後出しジャンケンも猛威を振るいました。コスモスを乱すコメットや流星雨を凶兆と見なす心理は普遍なり、と。絵はずいぶんと後代のトゥルーベロから。
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伝統的なVデイイベントではクジ引きが主流だったそうです。適齢期の男女が10人20人と集まり、それぞれ紙切れに意中の異性の名前を書いて箱に入れる。しかしその箱には他にも村の老婆の名前とかスミスさんの雌牛といった「ネタ」「はずれ」が入っていて、それを皆で引いて盛り上がったとのこと。
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暦。チェンバースによれば、英国では1月14日を一年でもっとも寒い日と位置付けていて、また実際この前後にテムズ川が氷結することが多かったとのこと。凍ったテムズ上では露店が立ち並び、いわゆるフロストフェアが開かれるのであります。この自然発生的な祝祭も1810年代を最後に終幕ーー
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魔弾の作り方に関して再掲。七発六中というのは『魔弾の射手』内の設定のようです。 twitter.com/MuseeMagica/st…
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雑。ティーカップの底に残った茶葉、空の雲や枝にかかる蜘蛛の巣の模様などから意味を読み取る占術。ランダムシェイプ系とでも称しましょうか。これからの季節は雪の上に残る足跡もリーディング対象となるのであります。猪とか熊とかの足跡は危険信号ということで。絵はウォルター・ボベット。
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追加。男児に女児服を着せて育てる例。ポーズをとっているのはウォルター・クレイン。母親と一緒なのがロバート・ルイス・スチーブンスン。どちらもオフショルダーなのが興味深いところ。この格好で育てるのは4,5歳までで、以降は男児服。11歳からは豆紳士風になるんだそうです。
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雑。古いハロウィンのおまじないに「干し草の山のまわりを走って三周する」というのがあります。なにが起きるのかが伝わっていないから困りものというか面白いというか。おそらく時計回り、逆時計回りで結果が違うのでしょう。その場でなにも起きずとも、帰宅して就寝すればいろいろとーー
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犬。貴族の愛犬もまた使い魔と見なされることがあります。イングランド内戦の際にカンバーランド公ルパートはボーイという名の大型プードルを連れて参戦。このワンコが伏兵を予知した、主を狙った弾丸を空中でキャッチしたとされ、最後は議会軍側の魔術の心得がある狙撃兵が銀の弾丸で倒したとかーー
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続・パンケーキ。準備も調理も簡単なパンケーキは、それゆえにぎりぎりまで食べていられるイメージがあります。パンケーキを焼きながら教会に走るレースあり、通勤前にあと二枚欲しがるビジネスマンあり。日本で発生した食パン女子の遠祖なのかもしれません。図は1927年のパンケーキの素の広告。
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雑。以前ハロウィンパーティーの変種で「黒猫パーティー」を紹介しました。今回は亜種といえるかどうか「魔女猫パーティー」を発見。主催者が魔女、参加者が猫に扮して集合し、いくつかのクイズやゲームを行って魔女猫ナンバーワンを決めるという趣向。会場はそれらしく飾るのであります。
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雑。影から派生する影魔法があるはずなのですが、いまひとつ追跡がむずかしい。  無邪気な子供にも影はつきまとうのであります。自分の影を好きになる子は変わり者なのかもしれませんが、きっと将来大物になると根拠なく思います。
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火に関する伝承 ・タマネギの皮を燃やすとお金が入る ・借家に初めて入るときは完全に火を落とした状態で入らないとバッドラック ・見知らぬ人に火を貸すとバッドラック ・焚火がはぜると誰かがやってくる 最後のは迎え火の際の心得ということで
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雑。「ねこちゃん、どこに行ってたの」はよく紹介しておりますが、だいたい子猫かお嬢様風の猫が描かれていて、紳士風は希少であります。クイーンに拝謁となれば正装は当然かと。トップハット姿はいわゆる韻律属性になりますので、魅了力は倍増なり、と。ラング童謡集から、絵はレスリー・ブルック。
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雑。トマス・タッサによれば男子の一生は猿、獅子、狐にしてロバとのこと。  21歳までは猿の如く遊び  40歳までの獅子の如き日々はすぐに終わり  63歳までは狐の如く狡猾に過ごし  その後は驢馬の如く老いる 四種類の動物が描かれている寓意画は複数のレイヤーを有しておるようです。
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雑。セントニコラス誌を点検中に発見。マーク・トウェインが飼っていた猫たち。他の記述によりますと、この猫たちはゾロアスターとかベルゼブブとか、それは素敵なお名前だったようです。お猫さまと暮らすと、インヴィテーションとインヴェイジョンの区別がつかなくなるのであります。正しい人生なり。
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研究によりますとこの飾りは「馬の耳」と呼ばれていて、佐賀から長崎、大分付近に見られるとのこと。化け猫云々はわが父の与太話だった可能性高し(そういう人でした)。 「佐賀県有明海側の草葺き習俗」 petit.lib.yamaguchi-u.ac.jp/21575
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なにやら「さるかに合戦」と今時のコンプライアンスが話題になっているような。  明治時代に英訳された「猿蟹合戦」が面白いのであります。一匹の猿と一匹の蟹の諍いが臼や蜂といった他家を巻き込む「合戦」となり、形勢不利となったカニ側が偽りの和平を提案ーー
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暦。1月8日はガリレオ・ガリレイ (1564-1642) の命日です。当館的にはミルトンのガリレオ訪問(1640)が最大の関心事。すでに視力を失っていた老学者が若き詩人に望遠鏡を通して木星の衛星を見せてやったというエピソードがありまして、かの詩人の宇宙的描写の原体験とされています。
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家のなかで起きる事故はすべて「猫のせい」。なら猫がここまでやるんかいという戯画がこちら。クルックシャンクの筆の冴えること冴えること。
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雑。ティンカーベル等の小妖精に人気が出たためか、妖精といえばあのサイズと思われがちですが、伝承には大小いろいろな大きさの妖精さんが登場します。名前持ちはだいたい大きめの傾向。図はアリス・ブラウン『片足妖精』(1911)から「少年と妖精ドローラ」。
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妖精郷への迷い込み方はいろいろあれど。 夏。キノコと小鳥の巣を見つけて、魚が泳ぐ小川に足を浸したあと、白い雲を追って丘を駆けていくとフェアリーランドに行ける、とパジェット・フレデリクスが書いている(ような気がします)。牧神の笛の音が聞こえます。『緑の笛』(1929)から。
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雑。「真夜中、ろうそくの灯りだけで屋根裏部屋にある古い聖書をとってくる」というのが定番の肝試しであります。その家に幽霊がいる場合は出会えるチャンスなのですが、選択権は向こうにあります。デラメアが描くそれは舞踏会に憧れる古風な少女。英国幽霊譚は典雅でよいです。
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雑。先般紹介した魔法の毛糸玉。あの毛糸であやとりをして「はしご」を作り、形を崩さないように外して窓から垂らす。すると妖精さんがせっせと上ってくるという伝承。ハロウィンの夜に行うと「将来の夫の生霊」が、と例のパターンもあります。毛糸の魔法は面白うございます。