西洋魔術博物館(@MuseeMagica)さんの人気ツイート(リツイート順)

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人魂に関して。用語的には soul が肉体を離れると ghost になるわけです。神様の soul が holy ghost 聖霊と呼ばれる所以であります。ghost は火の玉に近い形状として認識されることが多く、ペンテコステの際もこんな感じ。行き先がわからない ghost が地上を彷徨うとウィロウィスプになる次第。
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昨夜は雷雨が凄かったので関連伝承を。 ・結婚式中の雷雨は不吉 ・雷雨中に楽器を演奏するのは危険 ・猫は稲妻を呼ぶ ・落雷に遭った樹木を焚き木にしてはいけない ・羽根布団で寝ているときは落雷に遭わない ・落雷に遭った教会尖塔十字架はとんでもないラッキーアイテム
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雑。久々「天井ワニ」を発見。1896年のカッセルマガジンから。この不可思議な物品は、以前は魔法使いの部屋によく飾られていたのですが最近はとんと見かけなくなりました。黒猫、鏡、髑髏、砂時計などはいまでも現役。ともあれ時代考証の手がかりにはなりそうです。
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#小さいころ勘違いしてたこと選手権 成仏とはフランス人になることだと思っておりました。
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雑。**-led といいまして、「** に導かれる者」の意。一番有名なのが star-led で「星に導かれる」「東方の三博士」の意。  さて五月前の今頃、pixie-led が多発するので気をつけよと伝承本にあります。妖精に誑かされて魂が浮遊したり森に吸い込まれたりするのです。絵はいつものWGRから。
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さて2月。この季節を代表する花はもちろんスノウドロップ、別名を「二月の美しき乙女」。その清楚な姿はマリア様の象徴とされ、修道院では大掃除の際にマリア像を動かすときは身代わりに一輪挿しのスノウドロップを置いておくことがしきたりだったそうです。優雅なり、と。絵はいつものベンソン。
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犬。魔法資料を求めて児童文学方面を彷徨いますと、よく「フランダースの犬」に遭遇するのであります。そしてパトラッシュがわれわれが知る姿とはかなり異なっているため、報告しておく次第。ミフリン刊『名犬全集』(1924)の挿画、グスタフ・テングレン作。なかなか強面のパトラッシューー
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季節。土地によっては四月になってもジャック・フロストが居残っていて、春の妖精「エイプリル・シャワー」にぼこぼこに打擲されて消え失せるという物語。イースターラビットに付き添われた少年が世界の仕組みを観測しています。説明系の神秘体験の典型といえましょうかーー
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刃物を貰う際は銅貨の一枚でも渡して購入した形式にするとのこと。借りたナイフを返す際のジョークは「隣の空き地にーー」レベルでよいそうです。ゆりかごの底の部分にナイフを取り付けて妖精よけにする話もあります。
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雑。17世紀初頭の英国宮廷ではつけぼくろは涙の表象として弔意を表すものだったそうですが、おしゃれとして流行するうちに星や月の形となり、太陽はパエトンの馬車として額を横切る始末。ここにお化粧が加わった結果「化粧にあらず、塗装なり」との警句も登場ーーシンボリズム的には面白いのですがーー
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ハロウィンゲーム「針浮かべ」。参加者が水を張ったお皿に縫い針を浮かべていきます。すぐ沈むやつ、他の人の針にくっつくやつ、挙動不審なやつといろいろあって笑いをとります。必ず沈む針、磁力を帯びた針、うっすらバターを塗って浮力を強くした針などを準備しておくのがコツとのこと。
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ケンタウロスで思い出しました。テッサリアにケンタウロス少年たちのための寄宿学校があるという奇妙な物語が1880年の『セントニコラス』誌に。運動神経抜群のかれらも木登りはダメで、人間の子に負けて反省するというストーリー。挿絵がぎりぎりを狙っているように思えるのは気のせいでしょうか。
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暦。節分は冬と春の分岐点ですので、この日にデビルズアウト儀式を行うのは当然というか、大晦日に鐘を鳴らしたり花火をあげるのと一緒であります。個人的には豆をまく際の音が春雷と雨を模倣するのではと考えています。やがて雷神さまの景気のよいドラムが聞こえてくるわけです。
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雑。ゴブリンという言葉が具体的な種族を表すようになるのは比較的近年で、以前は「お化け」程度の意味で使われておったようです。このゴブリンポニーは夜に外出する子供を片端から乗せては海や川に飛び込み溺死させるというブギーマン系。満月の晩に薬草を摘もうとすると出現するとのこと。
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ゆえにーー 貴婦人「きっとあなたには緑のガウンが似合いましてよ」 といったセリフもかなり怖いのであります。白では露骨すぎるわけです。面白や、と。
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イースター。19世紀中頃まで、航海中にイースターを迎えてしまった船では船員たちがジャガイモ袋その他でイスカリオテのユダの人形(副長に似ていたりする)を作ってマストからぶらさげ、ナイフを投げたり銃で撃ったりして楽しんだとのこと。ストレスの多い船旅では重要な行事だったようです。
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暦。10月9日はフランスの守護聖人聖ドニの祝祭日。殉教の際に落とされた首を拾い上げて2マイル歩いたという伝説の持ち主。首を女性に届けたとか、首にキスしたといった話が英語文献に見られます。信仰の勝利を素直に祝う気分がないようで、面白うございます。
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暦。例の「3月29日、30日、31日の三日間はマーチがエイプリルから借りた日」という伝承。この三日間、マーチくんが三匹の羊を雨、風、雪で追い回すのですが、結局は捕獲できずに春になるのであります。三匹の子豚のお話もこれのヴァリエーションなのかもしれません。
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雑の雑。クリスマス・ストーリーといえば『フランダースの犬』。各種挿絵に見るパトラッシュはなかなか戦闘力が高そうです。ネロも「やんのか、ああ?」と目つきが悪い(印象)。ペアで召喚すればそこそこ戦ってくれるかもです。
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雑。イースター絵葉書のなかには意図がわかりにくいものもあり、調べるのが楽しゅうございます。われわれが日頃目にする鶏卵は白や赤系が多いのですが、現場では薄緑や薄紫のものもあって、さらに黄色以外のヒヨコも生まれるとのこと。どうもこのカードは「変人にも神の祝福がありますように」とーー
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伝承。夜、ろうそくをともして姿見の前に立ち、祖母や曾祖母たちが遺した古いドレスをまとってひとり舞い踊る少女の図。ある種の魔女になる儀式とおぼしきものでしょう。デラメアの詩集から、絵はブロムフォード。
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雑。「七番目の息子、さらにその七番目の息子」に魔力が宿るという話は結構ポピュラーだと思うのですが、調べてみるとこの「七男」はあいだに女子を挟まずに七男なんだそうで、実際にはかなり少なかった模様。ヒーラーとして卓越した存在になるとのこと。図は聖フェリシテと七人の息子たち。
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雑。「梯子の下を通るとアンラッキー」は広く伝わっているフォークロア。常識的に考えれば上からなにか落ちてくるから気をつけろということなのでしょうが、問題は落ちてくるものの素性であります。悪霊、堕天使といったモノが多いようです。書斎梯子とて油断なりません。
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雑。一次大戦を境にフィクション上の「魔女」のイメージが変化するというか、少なくとも田舎の老婆を出して怖がってもらえた日々は終わります。たいてい若い美女が登場してバトンタッチしていくわけで、新世代の魔女は若者の魂を奪い、箒のかわりにデューセンバーグを乗り回すのです。よきかな、と。
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季節。イングランド北部やスコットランドでは、9月半ば過ぎから急に寒くなり、暖炉が恋しくなるそうですが、かすかにでも残る「夏」をとどめようと薄着でやせ我慢するのが恒例だったとか。the first fire と呼ばれるシーズン初の暖炉の火入れにはいろいろ面白い伝承があったようですーー