西洋魔術博物館(@MuseeMagica)さんの人気ツイート(リツイート順)

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ーーパティーが王妃に迎えられてからも宮中にうずまく陰謀を阻止し、追手を水攻めで撃退。さらに王との仲を修復したのち、自分の役は終わったとして水を噴出して湖に変化します。以前も書きましたが、水瓶が万能すぎるのが問題なのであります。ともあれ器物系がヒロインを助ける珍品なり、と。
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9月5日は #石炭の日 とのことで、関連伝承を。 ・暖炉から燃える石炭が飛び出してきたら来客あり ・燃える石炭を長時間眺めていると魔法にかかりやすくなる ・青く燃えると嵐が近い ・夕方にぼんやりしている蛇のおなかに石炭を乗せると、蛇に足が生えて歩く 最後のはよくわからないのであります。
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蜘蛛に関する伝承 ・蜘蛛を害すと家が滅ぶ ・頭上に降りてきたら予期せぬ入金が近い ・衣服につくと瑞兆。あわてて払い落すと貧乏になる ・蜘蛛の巣から読み取れる名前はラッキー 意外なほど肯定的な話が多いのです。最後のやつは「シャーロットの贈り物」で有名でしょう。絵はホクサイ。
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雑。不用意に十字架にとまってしまい、身動きできなくなる妖精さんのお話。助けてやってからが本番ですが、救出法が結構面白いのです。薬指で救いだす(他の指はだめ)とか、なかなか剥がれないのでペンチで思いっきりとか(妖精さん激怒)。お話の教訓としては「ほっとけ」が主調のようです。
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9月9日は #世界占いの日 とのこと。 この文字列を凝視していると「世界を占う日」のような気がしてきました。各国を擬人化したり、元首の即位日をベースに占ったりすることも多かったのであります。図はグレートブリテンの擬人化。飲んだくれたり、老け込んだり。怪魚に乗るのは御約束のようです。
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伝承。知らないうちに椅子がサークル状に並んでしまったら、最初に円内に足を踏み入れる人間はアンラッキーなことになるとのこと。何者かの話し合いを邪魔してしまうからでしょう。椅子が多数ないと不可能な状況ですが、夕暮れの教室なんかではよくありがちなーー
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雑。ハロウィンで行われる占いは test と称されるものも多いのです。当館で何度も紹介した「栗占い」が代表的。気になる男性の名前を刻んだ栗を火の近くに置いて わたしが好きならはじけてとんで。 きらいだったらそのまま死んで。 と唱えます。あとはなりゆきを見守るのみ。秋の風物詩なり、と。
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さらにイースター。この祝祭のシンボルのひとつがウサギさん。多産と繁栄の象徴としてタマゴとおなじ意味を有するとされていて、なぜか少女とともに描かれること多し。  イースターは移動祝日ゆえに日本ではいまひとつ商業利用が進んでいない感じです。広告代理店よ、奮起せよ(しなくてもいいか)。
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#13日の金曜日 ということでざっと調べてみたところ、もともと英米で不吉とされていた13に金曜日が結びついたのは1923年以降のアメリカからという印象。一次大戦以前ではただの日付で処理されていて、アンラッキー云々の言及は見当たらず。新聞は日付がはっきりしていてこういうときは便利です。
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ガーデンプレイ。花がら摘みで出たペチュニアで作るお人形の類。数がありますので舞踏会を開くのであります。玩具の種類が少なかった時代、想像力の限りを尽くして行う「ごっこ」類は魔法の源泉なり、と。出典はマーサ・ヤング『南部の姉妹と庭遊び』(1919)。
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リクエストにて再録。 バス停にて地べたに座り込んだ強面の男子高校生たちの会話が聞こえましてーー 「なんばん好いとうとや?」 「・・・三十番」 「三十番いいよなー」 「あれ、曲はメンデルスゾーン」 「すげー」 お気に入りの讃美歌を論じておったのです。見かけはあてにならないのであります。
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猫魔術。マザーグース世界のネコが奏でる楽器はヴァイオリンかバグパイプ。とりわけこの「フィドル・カム・フィー」しか歌えないというバグパイプ猫は謎めいてよろしゅうございます。「ネズミとバンブルビーが結婚するとき」という一節は時期的条件を表しているのか、素材なのか。絵はベネット。
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#世界猫の日 ニュースペーパー・キャットは結構ポピュラーな存在です。一次大戦前後にはボストン・ポスト紙の「ヒンディー」が大変な人気者となり、ブロマイドが10万枚売れたとのこと。「ヒンディー」とはドイツの将軍ヒンデンブルクをおちょくるべくつけられた名前なんだそうですーー
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補足。英国ではながらく布袋様を「ラッキーブッダ」と称してマスコット化しておりました。よくわからない東洋系神仏はみんなラッキーブッダですませていたという印象であります。日本サイドも明治以降にマスコット類を大量輸出していたようです。
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雑。イングランド北部ではエイプリル・フールを The Gowk Day 「カッコーの日」と称すとのこと。悪戯の内容は通常のそれと同じですが、いろいろとおまじないも行われる模様。鳴いているカッコーを見つけたら「あたしの結婚まであと何年?」と尋ねるのです。そこから鳴いた回数が年数になるわけです。
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時事。FIFAワールドカップにてフランスとイングランドが対戦とのこと。19世紀英国では「フランス人とイギリス人」なる子供の遊びがありました。適当な人数を二分して引っ張りあい、自陣に引き込んだほうが勝ち。負けたほうが「フランス人」になるのであります。幼児教育は大事ということで。
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さて七月。先月の「カニ乗り」に続いて「獅子乗り」おやじの登場であります。「手に大鎌、腰に丸鎌、すべての衣をかなぐりすてて」と描写にありますが、そのまま描くと問題ですので画家たちが忖度しております。絵は1849年のロンドンアルマナックから。周囲の遊ぶ中高年たちもいい味出してます。
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雑。19世紀後半からファンタジーランドとしての日本が描かれるようになった印象。変なもの、きれいなもの、不思議なものにあふれていて、西洋の常識が通じないのです。アルフレッド・ノイエスにかかると「子供がいけない本を読んでも叱られない国」(意訳)とのこと。絵は『妖精会堂』(1923)から。
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雑。まことにどうでもよい話題ですが、ホーンの暦本によれば1830年代を境にメイドさんや路上販売業の女性たちがはいていたウーステッド織りの黒いストッキング は一気に廃り、かわりにホワイトコットンが市場を席捲したとのこと。これが当時の7月4日の話題であります。アメリカ?なにそれ。
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英国より一冊到着。スペンサー詩集(1925)。序文イエイツ、挿画ジェシー・M・キングという素敵な本です。挿画はグロッシーペーパーに特殊インクでキング独特の塗金を表現するもので、それが手のなかでゆらめききらめく様子はPDFでは再現できません。美しい書物はそれだけで魔法であります。
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雑。断頭台といえばギロチンが有名ですが、英国伝統のそれは「ハリファックスの乙女」という優雅な名前を有しておるのです。なんでもヨークシャー州ハリファックスに設置されたそれが稼働率の点できわめて優秀だったとか。公開刑具の周辺は夜になるといろいろありまして、呪術系の舞台と化します。
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暦。9月29日は天使の祝日ミクルマス。大天使ミカエルに捧げられる日にしてすべての天使を祝する日。世俗的には四半期分の家賃を納める日とされていて、店子が大家さんのもとに金銭を持参します。特定食物はガチョウとブラックベリー。秋の深まりが実感となる時候なり、と。
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恒例。今年もお屠蘇がわりのローズマリーワイン。一回ディップしたくらいが香りの移り具合がちょうどよい感じです。それなりの文言を唱えて行えば、分類としてはエンチャントメントになりましょうか。優雅でよろしいのであります。
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雑。巨大書物用の懸架式書見台。使わないときは巻き上げておけるので便利なんでしょう。いまでも古い修道院などでは使われているそうです。図は『ウォントレーのドラゴン』(1895)から、台所で料理本を調べる料理番という戯画の類。巨大魔法書を登場させる際の参考資料ということで。
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雑。教会が認定する「聖女」sainte とは別に、突然予言や治癒を開始して尊崇を集める聖女は holy maid と称するのであります。ジャンヌ・ダルクは長らく後者の扱いでしたが1920年に列聖されて前者に昇格。英国では「ケントの聖女」Holy Maid of Kent エリザベス・バートンが有名。