西洋魔術博物館(@MuseeMagica)さんの人気ツイート(リツイート順)

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暦。3月1日はウェールズの守護聖人デイヴィッドの祝祭日。シンボル植物のネギとラッパスイセンが飛びかう日であります。あるいは黒煙突帽をかぶって赤ケープをまとうウェルシュメイドが練り歩く日。なにやら混乱しておりますが、そういうものだと思って混乱するのが作法のようです。
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銃に関する伝承 ・銃を撃つ夢は不吉 ・凍った樹木に発砲すると弾が跳ね返って射手を殺す ・銃を落とすと5日後に不幸が起きる ・コンドルを撃ち落とした銃はいずれ暴発してだめになる ・魔女が撫でた銃は百発零中になる いずれも米国から。美女と銃の組合せ広告も同国発祥のようです。
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雑。よく物語などで魔神の類が手足をばらばらにされて各地に封印されたりしますが、実は聖人も同様の憂き目にあうことが多かったのであります。列聖が決まって改葬される際、遺骸の手足があちこちの教会に分配され、聖遺物として豪華な容器に納められて陳列されるというーー
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雑。付喪神の英訳語がいまひとつ難しいのであります。だいたいの文献は tsukumogami で済ませていて、たまに artifact spirits などが散見される程度。図はニト&ワグネル『日本のユーモア』(1903)にあった「家庭用品の夜宴」。雰囲気はようございます。
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雑。魔法の杖のなかには、実は別用途の物品であったものも存在します。図は17世紀頃のスクラッチバック、ようするに「まごのて」。ドレスアップした貴婦人の背中がかゆくなれば他の手段がありましょうか。全長12から15インチ、ひっかき部分は象牙製。それほど数は残っていないそうです。
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雑。19世紀。妖精やドラゴンのフェアリーテイルを古臭いものとして排除し、より現実的な児童の読み物を目指す風潮が見られるわけですが、やはりモンスターは欲しいということで恐竜に白羽の矢が立ったようです。古代の怪物がどこかに生き残っているかも、と。図は1880年のチャターボックス誌から。
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さて11月。冬の使者にして妖精女王の宮廷絵師ジャック・フロストが野山を晩秋色に染め上げ、窓に霜の絵を描きはじめる季節であります。日本でジャックによく似たキャラをさがしますと「北風小僧の寒太郎(コーラス:カンタロー)」が真っ先に思い浮かびました。みんなの歌おそるべし。
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猫。ライムに見るウィギンズ夫人の猫たち。「マダムが向かうマーケット、猫たちが繕うカーペット」。ウィギンズ連作は飼い主不在中に猫たちがなす不可思議あるいは理不尽な行動をユーモラスに解釈した傑作なのですが、同系ワンコものに比較するといまひとつ有名でないような。たまに紹介を。
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ハチ、クリ、カニ、石臼の勧誘に際して用いられた食材は「竹の葉に包んだコメ」。実際の戦闘を行ったのは例の四名だけで、モモタローは後方から観戦のみ。 「これでお話はおしまい。日本人はこれをフェアリー・テイルと呼んでいます。読者のみなさんはどう思いますか?」
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補足。18世紀半ばには「ピューリタン」という言葉に揶揄的ニュアンスが加わっていたようです。19世紀になると仮装舞踏会の演目にピューリタンが出現。清楚系ファッションとしても注目を浴びました。写真は旅装のピューリタンドレス(裾短め、編み上げブーツ)。図は仮装舞踏会読本にみる例。
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辞書で煙草を巻く話に関して。コンサイスなどは使い込むと数年で写真の状態になって新しいのを買うことになりますから、戦前の学生たちが古いので煙草を巻く話は結構あったようです。一ページ丸暗記したらそのページを破いて「食べる」話もあります。前世紀の蛮習ということになりましょうか。
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#ドラゴンの日 「ウォントレーのドラゴン」。英国古謡にうたわれるヨークシャーの悪竜。有翼、44本の牙、大きさはトロイの木馬ほど、人畜有害、自然災害なみと喧伝されましたが、刺付き甲冑をまとった泥酔騎士に蹴られて悶絶。かつてはさまざまな作品に登場しましたが最近はあまり見かけません。
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雑。ハロウィンで行われるおまじないや占いの類は「テスト」と称されます。その場で結果が出るからです。実行者の願望成就をめぐって悲喜こもごも。  図は定番のテスト。男の名前を刻んだ栗の実を火の前に置き、「私が好きならはじけてとんで。嫌いだったらそのまま死んで」と唱えるのであります。
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12月26日はボクシングデイ。みんなで殴り合う日です(今年も言いました)。定義はいろいろあるでしょうが、当館的には「魔法を箱から出す日」と考えております。開けると嬉しい箱を作っておくのは重要なのであります。自分のための嬉しい箱が重要なり、と。
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雑。人工灯火のコストが割高であった頃、自然光による窓辺の読書は常識というか必然というか。モニターばかり凝視している昨今、初夏の夕暮れに涼風のなかでページをめくりたいと思うのであります。書物の内容は読書時の環境によって変容するやもしれず。どこで読むかは重要なり、と。
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#怪魚の日 聖書で怪魚といえばヨナを呑み込んだ巨大魚が代表でしょうが、クジラ説も有力。  そういえば「そいつが乗り込むと船が沈む」と噂される不運な船員(しかも本人は助かる)を「ヨナ」と称して忌避する話が『スーパーナチュラル・ウォー』にありました。こういうのは理屈じゃないらしいです。
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暦。1665年の9月中旬、ロンドン大疫病の猛威はピークに達し、死が市街を駆け巡ったのであります。デフォーの聞き書きに見るその様子はバイオハザードそのもの。都市機能がほぼ麻痺するなか、路上に放置された死体だけが増えていったとのこと。ライダー版の死神像は史実を背景にしている可能性高し。
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どうやら猫の国へのゲートがある場所に教会を建てようとしていて妨害工作されたというのが一般的な解釈だったようです。猫関係のエピソードは謎を残したまま終わるものが多い気がします。
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暦。3月17日はアイルランドの守護聖人パトリックの祝祭日。何度も書いておりますが、この日は喧嘩祭りになることで有名です。死の床にあったパトリックその人が「悲しむな、むしろ騒げ」と言い残したそうで、以来飲んで騒いで殴り合うのが正しいのだそうです。絵はクルックシャンク。
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雑。ボレニウス少年少女第三読本 (1923) に収録されたファーウェル・ブラウン作「日本のお店」という短編が意外なほど良いのです。箱庭に魂が入り込む没入系のお話で、リフレッシュとしての現実逃避を否定しないのであります。謎の日本人もいい感じに謎めいてます。
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さて梅雨入り。海外の友人にテルテルボーズを紹介したところ、幽霊の人形と思われたことがありました。図のようなパペットショウが念頭にあったのでしょう。もちろん晴れ乞い儀式の生贄が幽霊化した可能性は否定できないのであります。
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猫。猫の葬列を見かけたといった話をすると、その場にいた猫が「ならばおれが猫の王様だ」などと叫んで出奔する話があります。その際に叫ぶ猫語で唯一記録されたのが ダラム伝承集にある "aw mon awa" という言葉。意味は不明。投げっぱなしで終わるのが猫系エピソードの特徴といえましょうか。
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トレンドに「愚者の棺」なるものが。 タロットの愚者に関していえば、あれは放浪者でもありますので野垂れ死にが基本。屍は崖下で白骨化するか獣に食われるのであります。棺はちゃんとお葬式をあげてもらえた証拠ですので、「愚者の棺」は矛盾ワードなのでしょう。面白や、と。
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#天使週間 10月2日は守護天使の祝祭日です。夜、細い道を歩く子供の足元にヘビがいても、それに気づかせることなく正しい道を歩ませるのがかれらの職能とのこと。事故るときは、人間サイドが天使の警告を無視した結果なのであります。強力な守護天使になると第三者が認識できるとの説も。面白や、と。
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こちらは以前も紹介した1875年のパントマイム・シンデレラから「バッタ軍団に襲われる女王蜂」の図。バタフライ王国とハニービー王国の確執をさらに煽る悪の秘密結社グラスホッパー団。蝶の王子が結婚を急ぐ背景には複雑な妖精的国際情勢が。巻き込まれたシンデレラの運命やいかに。なんかすごいです。