西洋魔術博物館(@MuseeMagica)さんの人気ツイート(リツイート順)

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星空に関する伝承 ・星を百個数えると無くしたものが見つかる ・星を数えながら寝ると寿命を縮める ・星の名前を三つ連続して唱えるとそのうちのひとつの夢を見る ・月の周囲の輪のなかに星がひとつ見えると翌日は晴れ。 星を数えると生命が危ないという話は多いのであります。
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なくした人形に関する伝承 ・新しい人形がきたので家出した ・おもちゃの国に帰った ・月の暗いがわで遊んでいる ・見つかったときは何か別のものが宿っている だいたい怖い話が多いのです。夜中にふと目が覚めるとぼろぼろの人形が足元にいて、じっとこちらを睨んでいたりします。
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雑。エイプリル、メイ、ジューン、ジュリエット、オーガスタと各月擬人化娘たちは成長していくのであります。よくできております。「つぼみがわれ、ことりがうたうとき、わたしとおどって」と誘ってくるのはスチュアート・ウォーカーが描く「エイプリル」。
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すべての子供よ、理解せよ 文字はもともとわれらをフェアリーランドに 導くために作られたのだ さればがんばれ、アルファベットを学べ 文字を覚えよ、さればフェアリーに会える国に至るであろう   ーーアンドルー・ラング  文字は童話のためにある、と有難いお言葉であります。
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雑。クリスマスは意外にドラゴンの季節でもあります。先般より紹介しているスナップドラゴンがひとつ、さらにこの時期に演じられる寸劇「聖ジョージとドラゴン」がひとつ。後者はお笑い味が強く、頼りない聖ジョージが姫に助けられたりします。子供用ドラゴンかぶりものもいい味だしてます。
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cat は hat と簡単に韻を踏めるため、帽子をかぶる猫が多いのであります。 子猫 kitten が手袋 mitten をするのも同じ理由。この種の組合せは韻律属性と称され、可愛さエンハンサーの代表格なり、と。
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雑。ローズ・ファイルマンの『妖精書物』(1923)によれば、妖精の大好物はペパーミントとのこと。いつも一箱持っていくとありますが、おそらくのど飴の類でしょう。あめちゃんあげるのは万国共通の意思疎通法なのでありましょう。
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ザクロに関する伝承 ・玄関の敷石に押しつけて潰し、飛び出た種の数がその後の半年の幸運の数 ・多産の象徴として婚礼に登場すること多し ・人身御供の代用品としての伝承あり ・魔物に投げつけて退散させることが可能 近所のザクロが熟してまいりました。最後のは天然榴弾ということで。
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ナーサリーマジック 老婦人と足のわるい少年が木陰で「かくれんぼ」をしています。ふたりがともに知る場所を決め、片方がこころのなかで「かくれる」。かたほうがそれを当てるのですがチャンスは三回まで。三度外れたら攻守交替。カイラー・バナーの詩「ワン、ツー、スリー」(1887)から。
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子供と蝶の組合せはだいたい不吉なのであります。断崖絶壁に舞うバタフライはほとんど死神。守護天使の介入が間に合うかどうか、サスペンス満点。断崖のきれいなお花もほぼ同じ趣旨です。結構エンタメよりの寓意画である、と自分などは考えております。
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雑。子供向けの教訓ストーリーはかなりの割合でホラー化するようです。「わすれてたの国」では日常のいろんな作業を「わすれてた」子供たちが矯正所でひたすら同じ作業を繰りかえすのです。帽子を定位置にかけるのを忘れると図のような目に遭うのであります。終わるまで帰れませんーー
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雑。貧富の差が拡大する一方のヴィクトリア朝にあって、貧しい側の子供たちが「ごっこ」で対抗するという構図。お金持ちのクリスマスツリーを手持ちのがらくたで再現する様子はなにやら呪術性を帯びておるのです。貧しさゆえの創意工夫と、そこから生まれる小さな幸せは重要なテーマでありましょう。
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雑。先般、スコットランド低地地方の洗礼の際に右手を除外する話をしましたが、さらに調べると面白い手続きも発見。たとえば船乗りになると決めた人は21歳になるまでに右手に海水の洗礼を施して海神の加護を得るとのこと。おそらく林業などでも同様の儀式があったものと。
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雑。小さな蜘蛛の巣に朝露がかかった状態を「妖精花嫁のヴェイル」と称し、フェアリーウェディングの兆しとするのであります。見かけた際はポケットのなかのコインを裏返すおまじないをして、帽子をちょっとあげて挨拶をするというしきたり。さりげない礼儀作法は転ばぬ先の杖なり、と。
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雑。不用意に「フェアリーブーツ」を履いてしまうと靴底が擦り切れるまで踊り続けるという伝承。ネズミの奸計にはまった猫が踊っております。すべてが夜の庭園日時計の周囲で起きている点にも注目。ロングマン読本から。
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歯に関する伝承 ・抜けた乳歯を枕の下に入れて眠ると翌朝に銀貨にかわっている ・赤子の歯の数を数えると不吉 赤子に関してはなんであれ「数えてはいけない」というのが多いです。  歯を銀貨に交換してくれるのは「トゥースフェアリー」さん。どういう理由か最近はきわめて狂暴な外見で描かれます。
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術式。食事の前の挨拶というか儀式というか。「いただきます」をいつぞやいまいちのAIに翻訳させたら "I'll eat you" となりまして。なんか違うだろう、と。ここは昔からある "Thanks for food" が無難でありましょう。小鳥も猫も唱えております。絵はルース・ニュートン。
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これは男の子の可能性がありますね。当時、男児に女児服を着せて育てる習慣があったのです。とりわけこのオフショルダーの服はそういった場合によく見るのであります。 twitter.com/wikivictorian/…
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雑。このように魔法円に一角に「テトラグラマトン」とある場合、神の名をあらわす聖四文字を記します。普通はYHVHなどと入れるのですが、状況次第で別法もありとのこと。面白いことにたいていの神様の名前は四文字なのです。ZEUS ODIN etc 。意外と臨機応変なのであります。
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雑。ヴィクトリア朝淑女紳士のウェストサイズに対する執念は、後世のわれわれの目には異常に見えるのですが、当時はどう思われていたのか。レディーたちがちょっとしたショックで失神していたのは当然だったのかもしれません。当時のコルセット、なかなか怖いです。
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雑。魔女判別検査の方法としての「浮沈」は有名ですが、浮いたら魔女なのか沈んだら魔女なのか、そのあたりがはっきりしないのです。1825年にサフォークで起きた魔女騒動では容疑をかけられた男性が自ら「浮沈」審判を申し出て、何千という見物人のまえで10分間浮いてみせましたが群衆は納得せずーー
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暦。ジャコランタンはデュラハンよろしく小脇に抱えて練り歩くのが当初のパターンだったようです。暗闇のなか、あれだけが浮遊するとさぞかしよい雰囲気だったでしょう。ソウルケーキを求めてさまようのであります。玄関先で鎮まっているランタンも哀愁を帯びていて、風流なり、と。
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暦。こう暑いと海に飛び込みたくなるわけですが、それはカエルも同じということで。19世紀中頃から英国では海水浴が流行し、とりわけ男女がともに水着で遊ぶという mixed bathing が注目の的。いろんな混浴が描かれています。
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#世界ミツバチの日 とのこと。 ミツバチに関する伝承 ・ミツバチの数を数えてはならない ・分蜂の際に鐘を鳴らすと群れを呼びこめる ・冠婚葬祭の際に通知を怠ると不都合が生じる 19世紀英国の家庭菜園には蜂籠が常設されていて、蜂蜜採取はもとより受粉その他に活用されていたそうです。
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雑。妖精は普通見えないのですが、妖精さんから貰う眼鏡を使うと見えるとのこと。あるいは13日の日曜日に生まれた子供は生まれつき妖精が見えるそうです(それが良いことかどうかは別として)。図はデュリンの「月光を紡ぐ妖精たち」。月光糸から「不可視のマント」を織るのであります。