西洋魔術博物館(@MuseeMagica)さんの人気ツイート(リツイート順)

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さらに日本民話の海外版。以前も報告しましたが「しっぺい太郎」のお話は海外に出ると化け猫退治ものになるのです。日本犬の特徴があまり知られていない頃は、太郎もレトリバーやボルゾイ風に描かれていて楽しゅうございます。サムライウォリヤーも国籍不明。
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雑。人体パーツの独立擬人化、ようするに目玉おやじの類もけっこう昔から見られるのであります。怪奇やファンタジーというよりもお笑い風刺系が多く、真面目に考察しても徒労感が残ります。図はモーレイのチキンマーケット童話集(1877)から、絵はチャールズ・ベネット。目玉紳士はいい感じです。
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猫伝承。おばあさんが引っ越しをした際、飼い猫を置き忘れてしまったのです。そこで迎えにいくと昔の家から人声が聞こえてきます。おばあさんがドアをノックすると中から二本足で立った元飼い猫が出てきて、おばあさんを一瞥するとミルクの入った皿を玄関先に置き、扉をピシャリと閉めてしまいました。
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季節。英国クリスマスの伝統的飲み物といえばワセイル wassail。赤ワインとリンゴ酒、シナモンなどを混ぜて熱した温ワインの一種であります。かき混ぜる際にローズマリーの枝を使うのが作法とされている地方もあるとか。これを大きなボウルにいれて客を迎えます。冬の夜長の愉しみの一つなり、と。
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雑。風が語りかけてくるとき、とよく耳にするのですが非英語圏で育つ身にはわかりにくのであります。風の音が "yoouuu" と聞こえるからというのが理由。それが優しいとき、恐ろしいとき、いろいろあるわけです。絵はライト・エンライト。
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2月28日は英国の名馬エクリプス(1764-1789)の命日。日食の日に生まれたためエクリプスと名付けられ、当時の競馬で18戦18勝。引退後は種馬となり、現在のサラブレッドの基礎となったとか。死後も名声はおさまらず、骨格標本となって各地で展示され、終いには複数巡業状態にーー
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暦。明日の2月21日は2023年の「パンケーキの火曜日」。四旬節入りの「灰の水曜日」を前に牛乳と卵と小麦粉を使い切る日であります。四旬節中は粗食が基本でありますから、そのまえにドカ食いをという普遍的発想なのでしょう。各地にさまざまなならわしが伝わっています。絵は恒例のベンソン。
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暦。本日は2021年の「パンケーキの火曜日」。各地で午前11時に「パンケーキの鐘」が鳴り、パブリックスクールなどでは衆目を浴びるコックの腕の見せ所。返し技が決まるたびに拍手喝采。もちろん二回転、三回転とエスカレートしていくのであります。縁起物を食すのは有為の呪術行動なり、と。
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雑。妖精さんを「良き隣人」などと上方修正して呼称するのはよく知られた習わし。ちなみにヒューマンサイドは「汚れた足」「不細工な実」等、ひどい言われようです。妖精さんとの交流はとりあえず罵られてから、という印象であります。絵はメアリー・ハラック。
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暦。2023年のイースター。なにか新しいもの、なにか古いものを身に着けて、まだ眠いけどイースター礼拝に向かうのであります。受胎告知の天使がおりてきそうな低い空、とあの歌のシンボリズムはよくできておる、と今更ながらに想います。ウサギたちもイースターパレードにお出かけなり、と。
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猫の雑。和名ガマ、水辺などに生えているモコモコの植物であります。英名を cattail 猫のしっぽといいますので、こういった絵がよく描かれるのであります。さらにtail は tale に通ずるため、複数のしっぽを持つ妖猫と見せかけてネコ話を連発するのもお約束。とりあえずの心得なり、と。
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雑。緑茶にミルクや砂糖を加える飲み方は結構ポピュラーだったとみえ、1913年の擬人化絵本でもこの通り。「日本からやってきた緑茶さん、しわだらけの小男です。うちのお茶は上質です。シュガー、ミルク、アイス、どれになさいます?」。緑茶ファンタジーは興味深い領域なのでちょっと追求してみたく。
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姿はほぼ巨大黒犬で、目安としてよく参照されるのがニューファンドランド。あれよりでかいと妖怪変化の類と思ってよいようです。  スペクタードッグの特徴は具体的攻撃をしてこない点でしょう。ぬっと現れて、しっぽを振って近づいてきて、よじのぼって顔をなめたりします。かわいかったりします。
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雑の雑。ついでに1893年のセントニコラス誌から。当時ニューヨークの動物園ではガラパゴスゾウガメとウサギを同じ場所で飼育していたそうで、かの寓話がそれなりに再現されていたとのこと。写実的な絵にしますと「なんかちがう」感が否めないのであります。これはこれでかわいいのですが。
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本日、2021年のハッピー・イースターでございます。 当地は雨がふっておりまして、天使がおりてきそうなほど空がとっても低いのであります。雰囲気があってよろしゅうございます。この時期に出回るタマゴは宇宙の表象とされていますが、ほんとうのところはよくわからないのです。
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#厳粛な場での不意の一撃 花嫁の父が挨拶のスピーチで緊張のあまり「嫁に出す」の意だったんでしょうが「出荷」と言ってしまい、はたと気づいて「出家」と言いなおしてさらに泥沼化し、笑ってはならぬと出席者一同が下を向いたまま必死でがんばったのこと。 それから10年、今でも語り草だそうです。
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暦。#ミツバチの日  魔術的宇宙観では金星の力が大気を通過してハニーとなり、花にたまります。それを採取して精製するミツバチは宇宙の情報の取材者と見なされ、勤勉の規範として尊重されるのがしきたり。引退した英国紳士の養蜂趣味は、ノブリス・オブリージにして情報活動の比喩なのであります。
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ーーなおヤナギのつぼみには亡くなった子猫の魂が宿っているので、教会に連れていって枝から離してやるという発想の物語もあります。子猫たちは教会経由で昇天するもよし、あらたに猫の国を目指すもよし。ネコヤナギのフォークロアはさまざまなり、と。
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二月二日はキャンドルマス。伝承によればこの日までツリーやヤドリギといったクリスマス関連の植物系装飾を放置しておくとゴブリン化するとのこと。メイドたちよ注意せよ、とへリックが詩に詠んでおります。片付けたなら聖なるロウソクの炎で浄化するのであります。メイド脅しのブギーマンなり、と。
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雑。タヌキ。ハーンやセオドラ・オザキ・エイといった有力な日本民話童話紹介者はタヌキを goblin badger と表記していて、他の人々もほぼ badger アナグマを訳語として採用していた模様。自国にいない動物を説明するのは面倒な作業であります。絵はラング童話集の吊るされたタヌキ図。
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人形魔術。キングズリーの詩「なくした人形」は示唆に富む名作としてさまざまなアンソロジーに収録されています。牧場でなくした世界一かわいいお人形。見つかったときは塗装が剥げて足はちぎれてぼろぼろだったけれど、思い出のなかでは今でも世界一かわいいお人形、と大人が回想しておるのですーー
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雑。いわゆる「道化棒」bauble のアンティークを探しておるのですがなかなか見つからず。いっそ現代の正統なる子孫を、とも思いますがそれはラストリゾートといたしましょう。一発芸による雰囲気破壊は昔から伝わる重要な魔法だと思っております。
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吸血鬼のシーズンインに関して再掲。 twitter.com/MuseeMagica/st…
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#天使週間 16世紀中頃に英国で鋳造されていた金貨。悪魔を倒す大天使ミカエルという意匠ゆえに通称「エンジェル金貨」といいます。あの当時の戯曲などでよく「天使にはとんと縁がござんせん」などと悪党がほざいたりするのは金貨とのダブルミーニング。縁削り防止のギザが摩耗しているのも生々しや。
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さればキャット・チャーマーはと思いますが、これがとんと見当たらない。チャーム術に関して猫に勝てる人間などほぼ皆無なのでありまして、猫にチャームされてそれっきりの例ばかり。猫魔術おそるべし、と。