西洋魔術博物館(@MuseeMagica)さんの人気ツイート(リツイート順)

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続・九尾の猫。九つの尾がそれぞれ芸術神ミャウズに対応しているとの説もあり、面白いのであります。猫の九つの生はそれぞれ抒情、舞踏、叙事、喜劇、悲劇、恋愛、賛歌、天文、歴史に捧げられ、九芸をきわめて神に至るとの発想でしょうか。絵はハッティ・ブラウン『猫九話』(1891)から。
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暦。英国のエイプリルフールは19世紀に入って洗練されてきたのだそうです。それまで(頭の)弱い者いじめ祭りであったものが、だます側だまされる側にセンスが求められるようになり、また悪戯は午前中までというのが不文律。絵はいつものダンピー祝祭本から。
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帽子に関する伝承 ・イースター前に新しい帽子を買うとラッキー ・帽子をかぶったまま屋内に入る男は不運に見舞われる ・ベッドの上に帽子を置くとアンラッキー ・眠っている犬の頭の下に帽子をそっと置く。その帽子をかぶって寝ると犬が見ていた夢がわかる。  最後のは往々にして滂沱の涙。
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猫。猫の王様の名前として今に伝わるのが Doldrum 。この王が暗殺され、後継者の Dildrum にニュースが伝わる模様がいろいろとヴァリエーションを産んだという解釈もあります。葬儀に遭遇した人間が伝える版もあれば、いきなり使者が煙突から降りてくる版も。いずれにせよ猫らしくオープンエンド。
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靴の聖人祝祭日が近いのでーー ・靴ひもが解けるのは誰かに想われている兆し ・左右を間違えて履くとバッドラック ・古靴をテーブル上に載せると幸運が舞い込む ・靴を視線よりも高い棚に置くとバッドラック ・旅立つ人に投げつけて幸運を祈る ・新婚カップルには特に気合を入れて投げつける
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雑。よくわからないモンスター。このカンティルナー犬はローラ・E・リチャーズの詩に登場する「コットンフランネルを投げつけてくる」魔物なのですが、なにがしたいのかよくわからない。レジナルド・バーチの絵がいい感じなのでどこか気になるのであります。初出は1889年。
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雑。夏至を過ぎましても聖ヨハネ前夜までは魔女たちが荒ぶる期間とされていて、市民有志による夜警もピークに達するのであります。焚火、かがり火の類で夜空を照らし、魔女の飛翔を妨害しようとの名目で夜通しどんちゃん騒ぎます。楽しそうです。
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雑。旅立ったお猫様の祭壇用、ツナ缶を模したキャンドル。好物で供養するという発想はユニヴァーサルでありますが、キャンドルにするアイデアは秀逸なのかもしれません。副葬品の魔術性という観点からも興味深いのであります。
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雑。「妖精金」fairy gold は唾液をつけると消えるという伝承がありまして。ロンドンなどでは商人がその日最初に貰う貨幣(handsel) に唾をつける習慣があったとのこと。オリンピックの優勝者たちがメダルをかじっているのもこれが遠因かもしれません。唾液あるいはキスの解呪伝承は古いのであります。
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雑。perambulation といいまして、「漠然と聖地と思われる場所をゆっくりと歩きまわる」くらいの意味でしょうか。五月頃から始まる初夏の宵の優雅な散策であります。行動範囲の点検という意味合いもあり、ある種の結界形成かと。19世紀にはそれ用のドレスも登場。境界線を意識したデザインも素敵です。
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季節の話題。幽霊船に関する伝承 ・消えたり現れたりする ・バルト海の幽霊船にはコボルトの海賊が乗っている ・帆船なのに風向きに関係なく航行する ・遭難者の魂を救助している説あり ・だいたいオランダ船籍(と英国が主張) 絵はマリヤットの『幽霊船』(1847)から。
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暖炉に関する伝承 ・会いたい人の名前を薪に刻んで燃やすと会える ・クリスマスシーズン中は暖炉の灰を手にしてはならない ・暖炉内に蹄鉄を飾ると鷹除けになる ・火かき棒と火ばさみを暖炉の同じ側にぶらさげると友人を失う  お屋敷の暖炉まわりは不思議がいっぱいとのこと。楽しそうです。
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暦。9月14日は「悪魔の木の実集めの日」 Devil's Nutting Day (21日説もあり)。この日に収穫されたナッツ類(殊にヘイゼルナッツ)には魔力が宿るとのこと。それを求めて森に入り、同じ目的の悪魔と遭遇するお話が多いのであります。おおむね早い者勝ちのようです。
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家族年金だけで女房子供を養うには苦しい場合が多く、そもそも立場的に生涯独身を期待されているのであります。えんえんと旅行していたり、クラブで寝起きしたり。最後は田舎のコテージで本を読み薔薇を育て犬を飼い魚を釣る日々に入るという、向いてる人には最高の一生でありましょう。
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先の関連。ニューイングランドの未婚女性には「独身手当」が支給され、またバカな男に嫁ぐくらいなら独身を貫くという「オールドメイドニズム」もあったとのこと。当時の女性は16歳くらいで結婚していたため、20歳で未婚だと old maid 、25過ぎると上位種 ancient maid にクラスチェンジしていた模様。
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雑。スコットランドの伝承によれば、ハロウィンのおまじないで異性の心を得たとしても、結婚式でスペルブレイクを食らって逆効果倍増になるとのこと。結婚式が有する解呪効果は興味深いテーマとなりそうです。
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#宝石言葉 がトレンドにあるので。 とりあえず調べますと1846年のオズグッド詩集にそれらしきものがありました。花言葉が流行るなか宝石がすねてるぞ、「宝石は決して枯れない花」だぞ、と。そしていろいろな宝石の特徴を宝石言葉として述べていくという趣向。興味深し。
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雑。ヴィクトリア朝末期、自転車一大ブームの面白い副産物が風俗営業「ブルーマー・レストラン」。ブルーマー姿のウェイトレスがいるだけのお店ですが、それを目当ての紳士たちで繁盛したとのこと。1896年のスタンダード紙から。
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雑。チェンバースの記述によれば、印刷術が登場する以前の書物はとんでもない貴重品であり、裕福な貴族でせいぜい6冊、修道院で20冊程度しか所有していなかったとのこと。壁一面すべて書物といった光景は比較的近世の産物のようです。
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雑。フクロウを森の夜警とする伝承。英語では鳴き声が Who, who, who are you? に聞こえるとのことで、闇のなかから何者かと誰何してくるわけです。それにきちんと答える答えないでストーリーが分岐するようです。いずれにせよ行きはよいよい帰りは怖いのであります。
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七里靴はもともとオーガが履いていたもので、親指トムなどが盗んで逃げていくのです。絵はセントニコラス誌にあったこぐまたちと七里靴。デザイン的にどうなんだろう、と。
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暦。晩秋から初冬にかけて到来するジャック・フロストとフロスト・クイーン。ジャックはまだしも、野外でクイーンに遭遇すると生命の危機であります。「寒いですか?」と質問され、「寒いです」と答えると「ならば寒くないようにしてあげましょう」とのお言葉。やばいです。
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#厳粛な場での不意の一撃  最近聞こえてきたものとしてーー 「新郎はわが社でも嘱望されるオランウータンとして」  課長さんはオールラウンダーと言いたかったらしいのですが、慣れないカタカナはよしたほうがいいのであります。
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雑。タイプライターの登場以前、達筆ゆえの悲喜劇が多数発生したとのこと。暦本によれば、とある人物が二頭の猿を海外に注文した際、綴り間違いで two を too とやってしまい、さらに文字が乱雑だったため too が 100 と誤読され、半年後に100匹の猿が到着したそうです。図は1822年の肉筆領収書。
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衣装。19世紀のレバノンにてよく見られた女性の外出姿。頭に一本角の装飾帽をかぶってフードをまとうとこのようなシルエットになったそうで、なかなかの雰囲気だったとのこと。1899年のチャターボックス誌から。