西洋魔術博物館(@MuseeMagica)さんの人気ツイート(リツイート順)

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雑。ヴィクトリア朝の料理本の「ノウサギ料理」のレシピが「1.ノウサギをつかまえる」から始まっていて、ハードルが高いと当時から評判だったそうです。なお3月はノウサギが狂騒する時期とされていて、mad as a march hare なのであります。
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イースターに関する伝承 ・お墓のまわりに花を植えるのによい日 ・黄色のガーターをつけると年内に婚約が決まる ・イースターの朝にフェアリーリングの周囲を走って二周すると妖精が出現してついてくる ついてきて何をするかは伝わっていないのであります。
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雑。夏至前夜から聖ヨハネ前夜までの数日間、魔女たちも全力全開で編隊飛行するのだそうです。下界では兵士たちがかがり火をたいて警戒にあたり、上空のそれらしき影に向かって石を投げたり花火を打ち上げたり。結構楽しそうです。絵はデラメア詩集からラスロップの魔女飛行図。
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ーーコーンウォール地方は悪食で知られていて、およそ食えそうなものはすべてパイにして食うという評判があります。かつて同地を訪れた悪魔がスターゲイジーパイを見て、油断すると自分もパイにされると恐怖して逃走したとの伝説も。なんかすごいのです。
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猫魔術。擬人化は魔術の要訣のひとつですが、猫のマザーグース見立てはどう処理すればよいのか、少し考える必要がありそうです。可愛ければなんでもありでしょうか(ありでしょう)。ラファエル・タック社の絵葉書シリーズから。(ラファエルを追跡していて遭遇)。
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雑。エンブレム的には toad ガマガエルと frog カエルの間には厳然たる差異があるとのこと。跳ぶのがフロッグ、這うのがトード。水属性のフロッグ、土属性のトード。煮ても焼いても食えない英国はトード、簡単に食われ(この先の記述は自粛します)。トードは呪術の材料としてもよく利用されています。
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雑。悪い子が超自然的ペナルティーを受けるという発想は普遍であります。髪をブラシで整えないと獣化が進行して犬になるという教訓画。食べすぎると豚になる、わがままがすぎるとネコになるのであります。1877年のセントニコラス誌から。
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さて2022年夏至。 もちろん英国ではストーンヘンジが最大注目される日であります。ミッドサマーの夜明け、ずいぶんと昔からかの石柱群に人が集っておったのです。自分らの先祖がこれを建立したといろいろな勢力が主張していて、退屈しません。写真は1894年夏至の夜明けのもの。
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妖刀村正がトピックにありますが。 19世紀末、モモタローのお話が海外で紹介されるようになると、なぜかかれの刀がムラマサになっておったのです。ちなみにモモタローのステータスは「リトル・ローニン」。敵はオーガの王でありますから、いろいろ面白そうではあります。テキストは1897年韻文版から。
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雑。ハロウィンのゴーストパレードBGM候補に「聖者の行進」をあげておきます。オリジナルの歌詞によれば「太陽が光を失う」「月が血の色に変わる」「王が戴冠する」と、ようするに黙示録展開。亡者の行進とするほうが適切か。ルイ・アームストロングのヴァージョンではわかりにくいのであります。
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雑。犬の名前「ポチ」は Spotty の音写という説。なんでも日本での初出は明治19年刊行の小学読本とのことで、ならばと見てみると挿絵に西洋の読本の影響が濃いのは瞭然。同時期のアメリカの読本にも Spot なる犬が登場していて、この説はかなり説得力があるような気がします。
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雑。英国伝統のハロウィンにつきものの飲み物がラムズウール lambswool 。エール(ビールの仲間)に焼きリンゴをすりおろしたものを入れてナツメグの粉末を混ぜるというレシピ。子供はミルクにすりおろしリンゴを混ぜて飲みます。栄養価は高いでしょう。あえて羊毛酒と訳しましょうか。
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暦。毎年恒例、六月の「カニ乗りおやじ」の登場であります。甲羅の上にちょこんと正座するひげもじゃの中年男の謎の微笑みに戦慄せよ。いちいち召喚せずとも勝手にやってくる貴重な存在なのです。最近ファンも増えていると聞いております。よしよし、と。
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雷が鳴っているので関係伝承を ・ネギが生える藁屋根には雷は落ちない ・トネリコは雷を引き寄せる ・火打石を左の肩越しに西に向かって放ると雷を呼べる ・教会の鐘を鳴らすと雷が退散する ・雷雨の際に鏡を見ると不吉 ・カミツキガメは雷が鳴るまで噛みつく 図は西洋で紹介された東洋の雷神さま。
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3月17日はネコの守護聖人ニヴェルのガートルードの祝祭日でもあります。こちらのネコ担当は1980年代に入ってからの新機軸のようで、先の「マリアのしるし」が広まりだす頃と一緒という印象。教会がネコ方面へアプローチを始めていたということでしょうか。 twitter.com/MuseeMagica/st…
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暦。4月25日の聖マルコ祝祭日は夏至やハロウィンとともに幽霊出現の特異日とされています。なかば言葉遊びの部分もありまして、地上に「マーク」を残す日とのこと。図は1920年のライフ誌の表紙から「洗濯物の幽霊」。古い軍服を洗って干したところ、前の持ち主とおぼしき霊が出現しております。
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暦。6月25日は船員の日、ということで関連伝承。 ・船上のウサギは嵐を呼ぶので不吉 ・船員の妻は夫の安全祈願として黒猫を飼うこと多し ・難破船からの漂流物に触ると不吉 ・風の値段は6ペンス 風売りの魔女が風を結んだロープを6ペンスで販売していたとの記録があるのです。
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暦。8月6日は「シーサーペントの日」。1848年のこの日に英国の軍艦が喜望峰沖にて巨大シーサーペントに遭遇し、これを正式に報告しております。なおこの謎の海洋生物は以前より妙な存在感というか人気がありまして、「シーサーペント・ポルカ」なる楽曲も登場。全体、罪のない話ではあります。
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"Pain, pain, go to Spain" 「いたいのいたいのスペインに飛んでけ」と子供のおまじないレベルでスペインに災厄を送りつけてきた英国であります。面白いのであります。
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雑。獣化の呪いが解ける際にどのような手続きを踏むか。それを調べていて妙なものに遭遇。ジェイコブ童話集 (1915) の「美女と野獣」のラストでは獣の背がぱっくり割れて中から王子様が登場。着ぐるみだったのか、と。絵にするといよいよそれ風です。
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雑。イースターシーズンに教会で灯す大きな絵ロウソクをパスカルキャンドルといい、これの一部をくすねて呪術に用いる話が英国に多いのであります。上の方の溶けた蝋を頂戴して小ロウソクを作り、納屋で灯すと魔除けになるとか。図は米アマゾンで売られているパスカルキャンドル。
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#猫の日 長靴をはいた猫の名前は諸説あって、よく見かけるのがグリマルキン。単に「プス」としている版も多いようです。ご主人さまが出世すると猫も出世して貴族となるあたり、夢があるようなないような。
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人と妖精のあいだに生まれるエレメンタルハーフは美貌と才能に恵まれますが、両界への適応がむずかしく、苦難が多いとのこと。ややこしいのであります。
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暦。1月6日はエピファニー「公現祭」。フランス文化圏ではガレット・デ・ロアという伝統的なお菓子が登場する日。ベルギーからもその模様を報告する写真が届きました。このなかにソラマメを一粒入れておいて、当たった人が一日だけの王様になります。そのための王冠つき。伝統菓子には護符効果も。
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暦。7月22日はマグダラの聖マリアの祝祭日でありました。いつも述べておりますが、マグダラの絵はクリヴェッリの作が最高だと思っております。この反省の色のかけらもない美貌と豪奢な衣装の素晴らしさよ。