西洋魔術博物館(@MuseeMagica)さんの人気ツイート(リツイート順)

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雑。風に乗って運ばれる黄色い葉っぱを追いかけていくとフェアリーランドにたどりつけるという伝承。別名を遭難と言いそうなので推奨できません。妖精の赤い靴はダンス用、黄色い靴は移動用との説もあり、興味深くはあります。異界転移の術式は季節別に豊富なのでいろいろ集めております。
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魔女のイメージの変遷。クラウンフィールドの『影の魔女(1922)のシャドウ・ウィッチは優しく美しい魔女。王子と姫の恋の成就を手伝い、二人が去ったあとひとり窓辺にたたずんでいます。そして毎日早起きするようになり、夜明けの雲の美しさに気がつくのであります。もうヒロイン属性の全開放です。
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20世紀に入ると「とにかくワニをぶらさげときゃいいんだ」と微妙な位置にくる例も。こうして絵画的約束としての賞味期限も切れていったと思われます。
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季節の挨拶。 ふとりたおした猫もいいのですが、育ちすぎたワンコというのもなかなか。 かわいいのであります。鬼瓦系の魔除けということで、昔の写真を一枚。 #育ちすぎたワンコ
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雑。ワルプルギス・ナイト近し。魔女の移動といえば箒飛行の印象が強いのですが、大きなネコなどに乗る話も伝わっています。この時期、魔の山に向かう飛行隊が陽動をつとめる一方、陸路でこっそり国境を越える部隊もいるのでしょう。絵はボルドウィン「赤い街のコンラッド」から。
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暦。7月22日はハメルンの笛吹きの日です(諸説あり)。子供たちをチャームするにあたり、メインとなるのは音色か旋律かそれともリズムか。このときの様子を絵にする人は多いのですが、曲にするのは難しそうです。絵はグリーナウェイ。
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人形魔術関連で珍品に遭遇。「ベベ・ジュモー、生命を宿どす」(1893)。少女の願いがかなってお人形に生命が宿りますが、人形は「気がきかないわね。紅茶とサンドイッチはまだ?」「ああ、自由って甘美ね」ととうてい少女の手に負える代物ではない。ベベ・ジュモーと具体的に記述するのも珍しいーー
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小悪魔「しかしご主人さま、犬や猫には魂はないのでは?」 悪魔 「おぼえておけ。魂というものは裏切られたときに生じるのだ。この子にはもう[猫の頭をなでる]立派な魂がある」 よく言われる解釈であります。 twitter.com/MuseeMagica/st…
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ニワトコ elder に関する伝承 ・あらゆる樹木のなかで一番縁起が悪い ・切り倒すと三百年祟る ・夕暮れにニワトコの下にいると眠気に襲われる ・ニワトコの木陰は魔物たちの休憩所 ・ニワトコの樹霊は悲しい者たちの味方 十字架の木材あるいはユダが首を吊った樹とされていて不吉伝承多し。絵はWGR。
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雑。そういえば「肝試し」を英語でなんと表記するのか。かつてあほなAIが「肝臓の検査」と訳したのはともかく、現在では test of courage あたりがよく挙がります。ghost game という訳もよろしいかと。ロウソク一本で屋根裏にあがって古い聖書を取ってくるというのが英国風肝試しの基本形であります。
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暦。5月8日はバッキンガムシャーの霊能聖職者ジョン・ショーン(?-1308?)の記念日。痛風と歯痛の緩和に長けていたとされ、それらをもたらす悪魔をつかまえてブーツに閉じ込めたとの逸話持ち。悪魔は新たな居場所が気に入ってしまい、そのまま住み続けたとかーー
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雑。スペインのイースターでよく見られるカピロテと呼ばれるとんがり帽子。もとは道化がかぶったもので、その後は信徒会会員が自らの愚かさを悔いる悔悟の象徴としてかぶるようになったそうです。英語圏では学校の劣等生がかぶるダンス帽に変化。ともあれ反省しているとのこと。写真はウィキより。
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毛糸玉の伝承 ・ハロウィンの夜、空き家や墓地に毛糸玉を投げ入れて "wind, find" と唱えながら巻き戻す。巻き終えるとなにかがついてくる この伝承はハロウィン限定でない地方もあります。こうして巻き取った毛糸玉にはなにかが宿っているので、特殊な編み物に用いることが可能であります。
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ドアに関する伝承 ・自宅のドアをノックしてはならない ・ドアノブになにかをぶらさげてはならない ・ドア越しに握手をすると不吉 ・ドアの陰に隠れてチキンを食べると美人になる ・同じドアから入退室しないとアンラッキー 蔦に覆われたドアは秘密の花園に通じるのであります。
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猫魔術。「長靴猫」のお話はヴァージョンによっては猫が長靴をはく理由が説明されていません。あれは「藪漕ぎができるように」すなわち行動範囲を広げることが目的なのであります。「死んだふり」の狩りが得意であったネコに新たな機能を与えるブーツもまたマジックアイテムでありましょう。
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雑。リリアン・ベルの『オールドメイドの恋』(1893)の装丁にある紋章がよいのです。独身女性の随想という体裁で、「わたしは紅茶が好き、猫が好き。おいで猫ちゃん、一緒に年をとろう」という感動の一節があり、読書界で高い評価を得たそうです。オールドメイディズムの傑作とのこと。
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妖精。さて今宵はミッドサマー・イブ。妖精たちの社交もクライマックスというところ。図はファニー・コーリーが描く「妖精の在宅日」。アットホームに招かれた面々がフェアリー・ティーを楽しんでいます。19世紀初頭から人間たちの紅茶ブームを真似て始まったとの説あり。セントニコラス誌から。
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暦。元来ロンドンではハロウィンよりも5日夜のガイフォークス・ナイトのほうが重要視されておったのです。子供たちが主体となってガイ人形を市中引き回しし、募金で買った花火を仕込んで火あぶりにするのが楽しいのであります。絵は毎年おなじみのフローレンス・メイソン。
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暦。さて3月17日はアイルランドの聖パトリック祝祭日。この時期に合わせてよく出回るのが「あなたのレプラコーン・ネームは?」というジェネレーター。ファーストネームの最初の文字と生まれ月などの対応名を組み合わせるもので、いろんなヴァージョンがあります。当館からもひとつーー
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雑。「お人形は口をきかないけれど、ずっと仕返しのことを考えている」。ドールストーリーの多くが乱暴に扱われたことへの復讐です。同じ目に遭わせてやる、と夢のなかで襲ってきます。根源的な呪術性の行き着く先は何処なのか。ともあれ標本を採取してまわるのであります。絵はジョニー・グルエル。
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中世の英国。あくどい儲け方をしたお金持ちが亡くなると、修道士の粗末な衣をまとわせて埋葬し、地獄から迎えにくる悪魔をだますという習俗があったそうです。もちろん教会にしかるべきお布施をしないとやってもらえないわけで、最後の最後にむしるあたりに凄みを感じるのであります。
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雑。ハロウィン向きとされるチャーム類 ・割れた栗の実 (良き目覚め) ・ハート型の紫水晶 (真心) ・フクロウ (知恵) ・ガラス瓶に入ったヘザー (永遠の愛) ・四つ葉のクローバー (幸運) ・スカラベ (貞節) ・古銭 (勝負運) ・松ぼっくり(厄除け) ・願い骨 (成就)
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10月2日は守護天使の日です。 「天使さま。昼も、夜も、ママが灯りを消したあともぼくをお守りください」  スコット・ゲティーの「子供の祈り」の一節です。これが基本というか、守護天使を「寝ている間の警戒システム」と考えれば納得のゆく部分も多いです。絵はグレアム・ロバートソン。
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さて夏至前夜。妖精さんの悪戯もピークに達するのでありまして、とりわけたちが悪いのが「ウィグ・スナッチング」、かつら盗み。ここぞという場面で木の枝にひっかかる、風で飛ばされる、猫の爪に引っかかるなどして、周囲を笑いのうずに巻き込みます。今晩のオンライン会議は要注意です。
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雑。忘れな草指輪。大切な約束や用事が生じたら装着し、要件が終了するまで外さない指輪。忘却防止のデバイスであります。フォン・シュミットの短編(1840頃)で紹介されていました。青い花弁部をサファイア、中央にイエローダイヤという豪華な仕様もあれば七宝製もある模様。